待ち時間


 蛾のように見つめる
 高層ビルの灯

 灯に押され
 夜に坐す斜め上
 中途半端な霞月

 手を組み見上げる
 一つの明かり


楠山歳幸
2016年04月09日(土) 20時26分46秒 公開
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No.4  楠山歳幸  評価:0点  ■2016-07-17 20:00  ID:Q9JgogUpaCM
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 陽炎様。感想ありがとうございます。
 返信がかなり遅れてしまい申し訳ありません。

 都会の喧騒の例えがありますが、夜の繁華街などには何やら日の当たらない湿った土壌とオーバーラップするのは自分だけでしょう。気が弱いということもありますが、自分はああいう所が苦手であります。余談ですが昔、競馬場から出て来るおじさん達をごきbrと感じている外国人もいたとか。と、ケチをつけてしまいましたが、ビルの明かりも冬に見ると奥行きや立体感を感じて綺麗ですね。しかし、この時はなんでもない月が美しかったのです。あまり解っていないのに恐縮ですが、わたしたちは熱力学で聞く理想気体にあたるものを作りエントロピーにあたる活気(を金に換えて?)の限られた中で生きているようです、が、わたしたち本体は日月地の中で生きているようです。そういうことを思い起こす瞬間だったのでしょう。
「朧月が一緒に待っていてくれたのでしょうか」
 素敵な表現でした。

 ありがとうございました。 
No.3  陽炎  評価:50点  ■2016-04-15 10:11  ID:h9r/ANe14cU
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人工灯を見つめているときって
たしかにそこに群がる蛾みたいですね

この人は何を待っているのでしょう
仕事か誰かと待ち合わせしているのか

朧月が一緒に待っていてくれたのでしょうか
No.2  楠山歳幸  評価:--点  ■2016-04-13 20:24  ID:4e37Q9f4Tls
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 流るる星様。感想ありがとうございます。

 意図を感じ取ってくださり安心しました。
 街の灯は美しいけれど人口物であり、恣意的なものを眺めているだけというのはなんとなく虫みたいと思いました。きらびやかな灯より誰にも相手にされないような薄い月明かりのほうが何故か美しかったのです。「手を組み」と書いたのは人間または自己に戻った、みたいな。街の明かりにも施工から住んでいる人までいろいろあり何か表現しようと思いましたが、力不足でした。
「待ち時間」は自分のスケジュール、世俗的の間の空白の時間でした。ここは説明不足でした。課題にしたいと思います。
 過大な評価ありがとうございました。
No.1  流るる星  評価:50点  ■2016-04-11 11:12  ID:YsjZ.3o0GEo
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おはようございます。

感情表現を抑えて
現状をおぼろに見える月にうつし
それ(自己)を(俯瞰で)見つめようとして(おそらく背筋を伸ばして)「見上げる」。
「月」と記せば「見ている」事を示しているにもかかわらずわざわざ「「見上げる」と記すこと。
これ見よがしの光にちょっとした闘争心を見せながら、世代交代の流れに飲まれそうな自分を朧月に投影してしまう。(私はそうとりました)
「待つ」という言葉に作者さんがどのような意味を込めたかは、読者によって形が変わると思いますが、
通常通り過ぎてしまいがちな場面で主人公をとどまらせ、自己を見つめる時間を与える作者、これを神と呼んでみましょう。
興味深い詩でした。
総レス数 4  合計 100

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