あの晴れた日に |
この奇妙な可愛い家からは まったく生活感が存在しない 人の気配もなければ 形跡もない インターフォンもなければ 鍵も掛けられていない 入ってしまえば それは不法侵入だろう なにしろ建前が無い 夢ならば自由なのだが 想像する  ̄ ̄この新しい木造建築には 広々としたリビングに 塗装の剥がれた木の椅子と たった一台、ピアノがあって 『Knock yourself out.』 紙が挟んであったりして 風に舞うカーテンと共に 音が、気配が 溢れ始めて__ 溜め息 帰宅 埃をかぶったエレクトーン 親に捨てろと言われたが どうしても惜しくって 置かれたままとなった過去 蓋を開ける 滑らかな白と黒 最近はディスクじゃないんだよ EL-900 当時 手の届く限りの 最高音質 気の利いた曲ひとつ フルでは弾けない……が、 命を入れる 冷えた空間 指先に静寂 機械は回る こんな季節に 空気が揺れる 右足で、合わせるmp 左足で、ベースを撫でたなら 奏でる独りオーケストラ 当時 出来うる限りの 最良選曲 この曲を あの晴れた日に |
ヤエ
2016年01月04日(月) 07時51分32秒 公開 ■この作品の著作権はヤエさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.4 ヤエ 評価:0点 ■2016-01-14 17:43 ID:BymBLCyvz/o | |||||
桐生さん ありがとうございます。 普段からこういう人間なので、こういう詩になるのかなぁなんて思いました。 色んな風を表現出来るようになりたいです。 |
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No.3 桐生瑞千 評価:30点 ■2016-01-12 21:23 ID:5tggrX4ytO2 | |||||
ドライな文体の隙間から滲み出るウェットな感情の残滓がほどよいですね。 今度ハードボイルドな詩を書いてみると面白いかもしれません。 |
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No.2 ヤエ 評価:0点 ■2016-01-10 20:13 ID:BymBLCyvz/o | |||||
冬将軍大佐さん 感想ありがとうございます! 修正するか悩んだ末、今回はこのままにしておきます。しかし、納得はしているので次から言い回しなど言葉にもう少し敏感になろうと思いました。 この詩はおっしゃる通り、前の詩と繋がっていて、前の詩と同時に出来上がったものです。一つにまとめられなかったので、こうして分けました。 嬉しい言葉の数々、感謝します。ありがとうございました。 |
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No.1 冬将軍大佐 評価:50点 ■2016-01-05 05:33 ID:UZbHSkHuPqE | |||||
ちょくちょく文面や題名が変わっていまつかね? ぶしつけですが感想さしあげまつ。まず「インターフォン」「不法侵入」がちょっと目にチクリときますね。ここは「呼び鈴」や「気ままに入れるのは 猫や子供くらいだろう」みたいにやわらげられないかなと思いました、自分の好みではの話でつ。中核の「想像する」から「溜息」までの一群は詩的で良いですね、ここが詩世界へと一歩深く踏み込んだところだと思います(前の投稿作と繋がってまつかね?)。「命を入れる」からの4行も綺麗です。全体的に詩情あふれる作品で流れている空気がきれいです。2部構成なのもいいです、特に幻想的な前半が好みでつ。ありがとうございました、筆が滑ったところはお許しください。でつ。 | |||||
総レス数 4 合計 80点 |
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