薔薇色の戦
握りしめた拳を開けば
蒼白な掌に爪痕
伸ばした指は冷え軋む
痛い、と口にすれば失われるものを
その指で全て集める事は出来なくとも
欠片を守れば
焦慮の彼方に
愛した、と呟く事が出来る

真新しい白布のような朝に
瘡蓋だらけの体を晒し
滲む血で読めない文字を書き記す
全てが失われるという事はないから
微笑みがある

おはよう
これから君は
薔薇色の戦に出る
沈黙を破れば
喧騒の彼方に
愛している、と囁く事が出来る

戦旗を掲げ、行け
失われるものの欠片を守り抜いてみせろ
飲み込んだ涙に宿る火を光の充溢に放て
破れ、焦げた戦旗の判読不能の紋章こそが
微笑みを未来に誘惑する
A
2015年12月12日(土) 20時35分53秒 公開
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No.2  A  評価:0点  ■2015-12-19 01:00  ID:O6O0a8UCtXM
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桐生瑞千さん

ご感想ありがとうございます。「おはよう」は二連からどう繋げようかと悩んだ時に閃いたもので、うまくいったみたいでよかったです。戦とか女性はあんまり使わないですよね(笑)
No.1  桐生瑞千(笹竜胆)  評価:50点  ■2015-12-13 15:59  ID:DQpfmMyz.lo
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文句なしに格好いいですね。
人称が不明な所から、ぱっと二人に分かれる「おはよう」の使い方に痺れました。実際他のどんな言葉を言われるより、力になるかもしれない。目覚めても一人ではないということですし。
全体として、男性ならではの詩だと思いました。
総レス数 2  合計 50

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