優しい病 |
難しい詩を書くとは容易いのだ 自分と、心が離れているのだから。 そういう罪悪感は、数詩を書けばわずかな胸の痛みとして残るのみにとどまるですから。 そういうとき、本当に書きたいものなどありはしないのだと、悲しくなります。孤独。 あるいは、 そもそも、私には、難しいことなど最初から必要ではないのだ、と。 欺瞞。 私に必要のないものを、大きく見せるために使うのでしょうか。孔雀はその無為な意匠を、交尾の時見せますよね。 そういう惨めな思いはしたくないのです。 しかし、意匠が無ければ、詩の大伽藍が粉々に崩れるのも事実なのです。 もっと上手く気持ちを伝えるメディアにとって代わられるでしょう。 わざわざ韻を踏み、宝探しをするこの言葉遊びは、その本性を、他者に踏み込めない我々の治癒作業なのです。 歪まないものに、芸術は意味を持つように思えないのです。 我々のこの社会的資本とも言える時間を、 あたりさわりのない言葉経由せずに、けなげにも思いを伝える練習を。 片想いの再発見。 簡単な詩を書くことは難しい。 自分に共感できぬほど、言葉を無くしてしまった我々が。 赤面通して送る、しかし、青い言葉。 誰かの言葉憎み、いや憧れ、また傷つくのだ。 むせるほどの純粋な気持ちはあの頃から、そこにあったのだし、今更ながら、向き合うことになるのだ。 (おそらく、というかようやく詩人なるものである) 「明晰の前の進め」とは、間違えうることを許容する。 その言葉瑞々しさに驚き、とても穏やかな恥ずかしさだけが残る。 あのときの発和の練習を再び始める。 |
謎の人
2015年06月15日(月) 04時56分11秒 公開 ■この作品の著作権は謎の人さんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
この作品の感想をお寄せください。 | |||||
---|---|---|---|---|---|
No.4 謎の人 評価:0点 ■2015-07-03 20:11 ID:/.8Zy0XGPmE | |||||
陽炎さん、こんばんは。お久しぶりです。 名前を変えた理由を触れないでおいてくれてどうもありがとう。お気遣い嬉しいです。 「逃げ腰」という名前は賞味期限が切れたなと感じております。 意気込んで詩作するのはいいが、遠回りしてきたと最近感じます。 数年やってようやく自己の資質がわかってくるものなのですね。 「やっぱり、私にはこの形の詩しか書けない」と何処かで陽炎さんが仰っていたのを覚えています。 多分、その時意味がわからなかったと思いますが、今ならよくわかります。 石の上にも三年、とはよくいったもの笑。バカでも学ぶようです。 存外僕は保守的かもしれない。特段問題はないわけで笑 外壁を立派にしすぎたなぁ、中身はまったくだめすっね。 >>逃げ腰さんの詩に対する いや、もっと云えば芸術に対する想いが伝わってきました この言葉。そして、「五連目」の文に対する理解とても嬉しかったです。 難しい詩ならいくらでも書けますよ。 でも、一切楽しくないんですよね。なんか、嗜好品に近いというか、打上げ花火みたいに軽い。 ださくってもカッコ悪くても、そのままの言葉使う方が幸せみたいです、僕。 再び、難しい言葉を使うときは、多分それ以外に表現がないときだけですね。そんな機会来るとは思えませんけど。 推敲と実感に合ったことば、テーマに沿った韻を詩で行う。他の議論は、少なくとも詩人には不要です。 これが数年かけた結論です! 名前統一します。すいません。 どうぞ、また相手してやってください。 |
|||||
No.3 陽炎 評価:40点 ■2015-06-29 11:59 ID:Dr3iuWiu9yA | |||||
逃げ腰さん、お久しぶりです (なぜ名前を隠して投稿したのか、とかは 今は聞かないことにしておきますね) 逃げ腰さんの詩に対する いや、もっと云えば芸術に対する想いが伝わってきました 5連目の、「その本性を、他者に踏み込めない我々の治癒作業なのです」や 「歪まないものに、芸術は意味を持つように思えない」には まったくその通りだと思いますし あたりさわりのない言葉であたりさわりのない詩を描いたとて ひとつとも感情は波立たないでしょう 難しそうな詩よりも、簡単な詩のほうが難しい 詩を描くものだけが、その難しさを知っているように思います なかなか、手ごたえのある詩でした 今度は名前を隠さず、逃げ腰さんとして詩を投稿されることを 待っています |
|||||
No.2 謎の人 評価:0点 ■2015-06-16 10:54 ID:8sTI86Ls7r2 | |||||
たくさんの嬉しい言葉ありがとう! 他者に対するコメントの件把握しました。 もとより、どこから因果関係があるのか単純な私には、理解を越えている。 沈黙します。 さて、私は何か書きたかっただけだと思います。 思うところの事と菊池さんの考えに近いものを感じたのです。 あくまで、私個人の問題だったのかなと書いていて、今思います。 本格的な創作活動はもう少し、社会経験を積んでからでもよいな。と考えます。 なにせ、自身に邪念が多い。笑。 そういう激しさをもった詩を書きたいならそれでも全く問題ないですが、私はそうではないみたいです。泣。 没頭したいのです。 今まで作ってきた詩が誰かの片隅に残っているなら、それほど幸せなことはないですね! そして今は時々、書く程度でまだ良いかなと思います。ほんとすいません。 また、簡単なアドバイスぐらいなら是非協力させてもらいます。こちらも勉強になります。 お互いに迷わないよう気を付けましょう。 それでは、また。 |
|||||
No.1 ヤエ 評価:30点 ■2015-06-15 15:28 ID:T3h/.2C0Nh. | |||||
お久しぶり(?)です。逃げ腰さん。 菊池さん宛なのに私がここにコメントを残してもいいのか悩みましたが、どうしてもしっかりとお礼を言っておきたかったので、失礼します。 ここで詩を投稿するのをやめてしまったこと、少し寂しかったです。逃げ腰さんの書かれる詩で、好きな詩がいくつも有りましたから……。いや、それは人それぞれ好きにするべき事なのですが、それでも私の作品を見守って下さり、ありがとうございます。逃げ腰さんには、本当多くのことを教えて頂いて、励まされることも、気が引き締められることも多々あります。 一度決心した方を、こういう形で引っ張り出してしまって、少し残念だなぁと できれば、自分の意志で、もう一度ここで詩を書いて欲しいものでした。 それでも、こんな形でも、ちゃんと逃げ腰さん相手にお礼を言える場ができて、少し嬉しく思う自分もいます。不快でなければ、これからもよろしくお願いします。 私が言うことでは無いのでしょうが、それでも個人的見解を述べさせてもらうと、ページが荒れたのは逃げ腰さんのせいでは無いと思います。安心してください。 この詩も、特定の方宛とのことですが、葛藤や困惑といった、私自身いくつか共感する箇所もありました。逃げ腰さんのこういう詩も色々と考えさせられますが、一番好きなのは あの美しい言の葉と絶妙な表現方法(文の量や擬音語、言葉の選択など)が流れるように紡がれたタイプの詩でしょうか…… また見れる機会が来ることを願っています。 長々と失礼しました。ありがとうございます。 |
|||||
総レス数 4 合計 70点 |
E-Mail(任意) | |
メッセージ | |
評価(必須) | 削除用パス Cookie |