ふと、夏


カルキ臭のグラスをかたむけ
粉薬をしかめっ面で服めば
そこにプールがあると感じて
たくさんの踵に叩かれる振動を耳にする
ため息をつく目蓋は
まぶしさの青と白にこじ開けられ
ザラザラのプールサイドが頬にくっついている
タイルの線の束が更衣室の方から広がり
水に冷えた体があみ焼きになって
自分の息が近い
誰かが飛び込んだ音とホイッスルの音
甲高い歓声にぬりつぶされて
蝉の声かセメントが水を吸う音か
台所の炒め物がはじける
快晴の空に焼かれた水滴は
一瞬で跡かたもなく消えうせて
空のグラスがテーブルをならす




游月 昭
2015年01月21日(水) 15時32分28秒 公開
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No.6  游月 昭  評価:0点  ■2015-01-30 01:23  ID:1K/KT8CGgX.
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えんがわさん、こんばんは。
過分な評価、恐縮です。
的外れとかとんでもないです。
プールサイドに寝そべった時の、90度傾いた視線とかは、カメラ的な物を意識しましたし、味覚以外の四感を使いました。
炒め物は、 嗅覚でトリップした世界から連想的な聴覚でもって戻って来るって感じで、ちょっと思い切りました(^^)
コメントありがとうございました。
No.5  えんがわ  評価:30点  ■2015-01-29 18:05  ID:DR2hIgqKGrg
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何か日常の気品、と言うか文章の持つ距離が何か好きです。
自分も体験したかのような感じがあって、でも何か良い映写機で撮影されているフィルムのような。何かそういうの思いました。的外れっぽくてすいません。

それでそう言う雰囲気にぽっと浮いた
台所の炒め物がはじける
が凄く視覚的な動というか、そこに居る人の温もりみたいなのを感じて、好きです。一つのセンテンスとしてもお気に入りですし、この詩歌のこの位置にあるから心打たれたとも感じます。
何か広がるような益になるような文とか書けたらと思うんですが、昭さんの詩は今までのものも含め、凄すぎて上手く言えないって感じなんです。こんな返事になってしまい申し訳ないです。
No.4  游月 昭  評価:0点  ■2015-01-28 21:50  ID:1K/KT8CGgX.
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素晴らしいさん さん、こんばんは。
「丁寧」って、私の性格かもしれませんね。
リアルでも職人だし(^^)
詩を書き始めたのが、ネットが最初なので、700くらい書いたうちのたった一つを除いて全て横書きで書いてきたということと、読むのもネットって事で、本来読みやすいと言われる縦書きが、個人的に読みづらく、書きづらくなってしまっていることになんとなく危機感、あるいはネットの産物詩人って意識です。
出版関係では縦書きなので、そのギャップというか縦横の効果の違いに唖然としてしまうこともあります。視覚効果なんてものを使った詩では特にそうですね。「縦書きの威力」って凄いので。そんな内容の詩を書いた事もあります。

>自分の息が近い
っていうような短い書き方は初心者の頃よく書いてました。
こういうのが詩を制作する上で重要なアイテムかもしれませんね。
ご意見ありがとうございました。
No.3  素晴らしいさん  評価:50点  ■2015-01-25 10:02  ID:xWgCv843z0E
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凄く丁寧です。
縦書きだったら凄く映えるだろうからほんとに悲しい。

もっと冗長な文と極端に短い文を意識して作ってみてください。是非、ご検討ください。


No.2  游月 昭  評価:0点  ■2015-01-22 15:38  ID:Dt2LimhRpY6
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時雨ノ宮蜉蝣丸さん、こんにちは。
プールサイドにうつ伏せた時のセメントの熱さは妙に心地よかったですね。
小学校低学年時代あまり泳げなかった私は、悔しくて中高と水泳部に入ってしまって、5月の水の冷たい季節から泳いでました。
小学校のプールのフェンスの所に教材として糸瓜が植えられてたんですよ。詩に入れ忘れました(笑
コメントありがとうございました(^δ^)ノ
No.1  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:40点  ■2015-01-21 21:00  ID:c37RW9XGrJE
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こんばんは。

素敵に憂鬱な青春の記憶という感じですね。大好きです。
学生のうちに、友人達と夏休みのプールにこっそり忍び込んでキラキラ光る水面へ制服ごとダイビングとかしたかったです。
泡を吐きながら顔を上げると、そこには眩むような青空があって、塩素の香りにお互い笑い合うような……。
あぁもう、戻ってこい我が青春よ!!!! (笑)

追想って、ホント不意に降ってきますよね。
この寒い日々の間だからこそ、鮮やかに蘇ったのかもしれません。
かくいう俺も、触発されて以前書いた夏詩のリメイクを投稿したところであります。

めっちゃ楽しかったです。ありがとうございました!
総レス数 6  合計 120

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