銀星

 群青の空に

 三日月が弦を張り

 星々を吊り下げて

 窓硝子に微笑わら



 きみは屋根の上で

 綺麗と呟きながら

 白磁色の頬を

 夜風に晒している



 もし私が

 あれになりたいと願ったら

 受け入れてくれるか お前は


 哀色の瞳が問う


 蛍石フローライト金剛石ダイヤモンドのように

 煌めいて死にたいと思う

 それを拒むか お前は


 僕はその答えを持たない



 蝋の翼を羽ばたかせて

 飛び立とうとするかの如く


 嗚呼

 瞬く間に溶け堕ちると

 わかっているだろうに



 僕らは知らない

 翼無くしてゆく術も

 きみを引き留めておく術も



 無力のうちにも

 空は輝きを失わない



《アイラビューと云うべきだったのだ》

 あの時



 青は黒へ
      黒は青へ

 光と色を変えてゆく

 すべてを覆い守りながら



《泣かないで

 きみの涙はひどく冷たく》

 そして優しい





 東雲を遠ざける

 明日になど見向きもせずに



《ありがとう

 僕の一番愛おしいひと》





 今はまだ

   きみを慰めていたい


時雨ノ宮 蜉蝣丸
2014年12月31日(水) 05時05分38秒 公開
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■作者からのメッセージ
深夜のテンションです。

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No.5  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:0点  ■2015-02-11 00:57  ID:rBvkRUJTDTw
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藤村 様

コメント感謝致します。
アイラビューはカタカナにしてみました……こういう表記の仕方が好きで。
アイラビューって一口に愛の言葉じゃない部分があるので、そこが伝われば、と思いました。

ありがとうございました。
No.4  藤村  評価:40点  ■2015-02-08 20:41  ID:0gZVgy/IpYg
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拝読しました。
アイラビューと云うべきだったのだ、がよいとおもいました。
とくに、アイラビュー、がとてもよいと感じました。
No.3  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:--点  ■2015-01-01 01:23  ID:eFOY3cHRZZU
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明けましておめでとうございます。

笹竜胆 様

コメント感謝致します。趣味全開で書きました。
たとえ蝋でも紙でもいいから、誰か翼を授けてくれないかなとか、いっそのことあの燐光に焼き尽くされたなら、来世は綺麗な青い星に生まれ変われるかなとか、そんなことを考えてました。
宮沢賢治の『夜鷹の星』のように。

残念ながらこちらは雨ですが、雲の上はきっと綺麗な星空が広がっていると思います。
ありがとうございました。



ヤエ 様

コメント感謝致します。
毎回褒めていただいて、恐縮ですホント。電波不全PCと格闘しながら背景描いた甲斐がありました。
トリップしていただけましたでしょうか。

ありがとうございました。
No.2  笹竜胆  評価:50点  ■2014-12-31 17:28  ID:yUDZSoSYd1k
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全体的に趣味がいいね。
フローライトを取り上げたり、哀色と当てたり、神話をぼかしたり、本当に繊細な仕上がり。
今宵の月も、きっと綺麗ね。
No.1  ヤエ  評価:50点  ■2014-12-31 16:29  ID:L6TukelU0BA
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綺麗ですね
背景も、詩も。
思い切りがあって、惹かれます
総レス数 5  合計 140

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