SM

全てを相手に委ねる恐怖と快感。
死と生の狭間を漂うその感覚。
それは、弱い自分が自分であることを許される束の間の時間だ。
生きる意志も、死ぬ意思も、すべて相手に委ねられている。自分の何もかもが自分の手元にはない。自分は、何も、負わなくていい。弱いままでいい。無力な人間でいいのだ。
このまま弱い自分を曝け出したまま、殺されたい。
けれど、殺されたくない。死は怖い。怖くて怖くて仕方ない。

相反する強烈な思いが、ぞくぞくと背筋を這いずり回っていく。
生かされたい。
逝かされたい。
矛盾が成立してどうにもならない。
正しさを主張できない。

それはまるで、この世界そのもののようだ
クレナイ
2014年11月24日(月) 00時54分25秒 公開
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No.6  クレナイ  評価:0点  ■2014-12-02 23:00  ID:dJ/dE12Tc8A
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ヤエ さま

こんばんは。いつもご感想ありがとうございます。

責任を負わずにいられ何も考えなくても良い、それが許される、むしろそれを求められている瞬間”は本当に甘美だと思います。実際には出来ないことなので。それが人の弱さで、マゾヒスティックな欲求の一つなんだと思います。
それと、既に下で書きましたが、ラストは正直悩んだ箇所なので、評価していただけて嬉しいです。
ありがとうございました。
No.5  クレナイ  評価:0点  ■2014-12-02 22:44  ID:dJ/dE12Tc8A
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遊月 昭 さま

面白いと言って頂けて、光栄です!
ラスト一行は正直悩んだところなので、やはり、人によってはちょっと…と思われるのだなと勉強になりました。ただ、現代社会批判的な意味合いよりも、自嘲的(ヤエさまが仰って下さっていますが)な意味合いが強いです。
この世界”=弱い自分から見た世界”なので、要は、自分そのもの”という感じです。

それと、題材にしてなんですが…、私もSMのことは全くわかりません(汗)すみません。なので、遊月さまが凄いと思って下さった部分は…実際、どうなんでしょう。
プレイとしてのSMを主軸にしたというより、人の心には誰にでもサドスティックな欲求”マゾヒスティックな欲求”があるのではないかと思い、書いてみた作品です。けれど、プレイとしてのSMにも見えるように書いたので、おそらくSMの魅力を言い当てているんじゃないかなあ”と思って頂けて、嬉しいです。
ありがとうございました。
No.4  ヤエ  評価:50点  ■2014-11-26 07:44  ID:L6TukelU0BA
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こんにちは。
責任を負わずにいられ何も考えなくても良い、それが許される、むしろそれを求められている瞬間は何とも甘美ですよね。
そしてそのまま逝ってしまいたい心と恐怖が分かりやすく描かれているなと思いました。
相手に対する密かな愛情と言いますか、なんと言いますか……縋るような気持ちをも感じました。
わたしは、ラストがある方が締りがあって好きです。自嘲的な感じがよく出ているなと。
どう仕様もない相反する気持ちをそのまま吐き出せない、正当化出来ないもどかしさ等、色々感じました。
No.3  游月 昭  評価:40点  ■2014-11-25 20:45  ID:qx2ygamosbQ
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こんばんは。
面白いぞ〜う。
ただラスト一行は要らないんじゃないかなと思います。
あることで単に現代社会批判の詩というだけのものになってしまうような勿体無さ。
>自分は、何も、負わなくていい。弱いままでいい。無力な人間でいいのだ。
このことは凄いと思いましたが、SMの世界では言われてることなんでしょうか。SMの世界を知らないので、この言葉に驚きです。
おそらくSMの魅力を言い当てているんじゃないかなあと思いました。
No.2  クレナイ  評価:0点  ■2014-11-25 00:54  ID:g3emUcYnoi6
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えんがわ さま

たくさん大好きと言って頂けて嬉しい限りです。ご感想ありがとうございます。いえいえ、意地悪だなんて…むしろ、大好きです(笑)

私の生身の悲鳴、叫び、ですか…。実は、ここ最近、本当の生身の言葉とか声は、なかなか詩にならないものだなと思っていたところです。実際に激情のまま書き連ねたものというのは、自分自身にとって痛々しく、苦痛に満ち満ちていて…。まず、読み返しをするのがきついですね。
偉大な詩人は、それを乗り越えて、さらに他者へその気持ちをうまく伝えられるのかもしれませんが…なかなか今の私には難しいなぁと思います。
けれど、私にとって詩(もしくは創作活動全般)はなくてはならない存在なので、いつかえんがわ様に私の苦痛に満ちた声を聴かせられたらいいなあと(笑)
これからも詩を載せていくつもりなので、よろしくお願いします。
No.1  えんがわ  評価:30点  ■2014-11-24 15:17  ID:DR2hIgqKGrg
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あっ、いいなって浸って。自分はこういうの大好きです。
視野が広がったり、考えが広がったり。
何かMっていう視点は好きですし、その背後に居るS様のヤヴァさみたいなのが滲んできました。

自分は自分をMでドMだと思ってたんです。ここ1、2年前まで。でも、実は相当のSなんじゃないかと自覚してきて。

というのも、

このまま弱い自分を曝け出したまま、殺されたい。
けれど、殺されたくない。死は怖い。怖くて怖くて仕方ない。

この二行の間で、クレナイさんにムチを打って、喘ぎ、いやいやあの苦痛の過程とかもがきとかそういうのを聞きたいなって思ったんです。
多分、詩としての美しさ、綺麗さのようなものを追求して、そのどろっとしたものを濾過しようとコーヒーのようにこしたんだと思うのですが。
それは詩としては完成度が下がるような不純物なんでしょうけど、生身の肉声というか心臓からの声みたいなクレナイさんが持つ叫び、悲鳴のようなものを聞いてみたいなって。

あー、すいません。ほんと自分Sみたいで。感想まで意地悪くなってしまい。ほんと私、こういう詩歌、大好きで、自分のことなど気にせず創作活動をガンガン頑張っていただけたら幸いです。
ありがとうございました。
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