星の花



肌寒いキッチンの窓に

夕陽半熟

薄雲に滲んで

どこかさびしげ


どこに帰るの

と聞いてみても

泊めてあげられないし

夕食の支度でもしようかな

とつぶやいてみる



垣根にぶら下がった

空蝉の忘却たち

それでも

夕暮れ時は金色の華



大きな白い蝶が空に舞う

鱗粉に日が落ちると

西風を捕まえて

窓を滑り込む

キンモクセイの香り


一年ぶりね


懐かしさで胸がいっぱい

なのに何も思い出せない

鼻をクンクンさせて

あなたに同化する


記憶も意思も溶けだして

オレンジに流れてゆく

至福の

甘い 仄かなひととき













青ガラス
2014年09月19日(金) 09時08分41秒 公開
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No.11  青ガラス  評価:0点  ■2015-03-19 19:51  ID:GaMBFwOFFuY
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クレナイさん、
見事にお返事遅れてしまって本当にごめんなさい!

とっても素敵なコメント下さってうれしいです。
またお会いできる日を願って、
ありがとうございました。
感謝です。


遊月さん、
お返事遅れてしまって申し訳ありませんでした。

積み重なる筈の日々、そうなんです。
私にとって何よりも大切なパートナー、愛犬なんですけど、高校生の時から
どんな時も寄り添っていてくれたのに亡くしてしまって、
彼のことを思うと優しい気持ちになれるのですが、急に消えてしまった
存在に戸惑うばかりの日々、そんな背景を感じて頂いてありがとうございます。

「を」の使い方なんですが、窓に滑り込むが正しいのでしょうか?
窓の外側からの視点で「を」にしてみたのですが
日本在住歴10年ほどなので、その辺の使い方は理解できていません
難しすぎてゴメンなさいです。
また機会がありましたらご指導宜しくです。。。

No.10  游月 昭  評価:50点  ■2014-10-20 20:31  ID:UArH7IFKfkk
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青ガラスさんこんばんは。

青ガラスさん的(私の勝手なイメージ)ゆらりとした詩ですね。
それでいて、案外きつい内容だったり。
解釈は
空が入れ替わるように、積み重なるはずの日々が薄れていく。日常に塗り潰されて、冬が来ることを暗示させる秋の陽光のようにきらめきが去っていくさまに、寂しくもあり、また、現在の光にささやかな悦びも感じつつ。

小学生の頃から和歌に(百人一首^^!)親しんでいるから(?)助詞や語尾に敏感になるのだと思いますが、細かいところ、
>窓を滑り込む
の「を」は、やはり「を」なのだろうか、などと読みながらピキンと来ました。
ありがとうございました。
No.9  クレナイ  評価:50点  ■2014-10-10 01:19  ID:dJ/dE12Tc8A
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青ガラスさま

こんばんは。
星の花というなんとも素敵なタイトルに惹かれました。
読んだら、タイトルだけでなく内容もとても素敵でした。
青ガラスさまの書く詩は情景がパッと浮かび、そして、切なさと暖かさに満ちている気がします。
素敵な気持ちにさせて頂き、ありがとうございました
No.8  青ガラス  評価:--点  ■2014-09-23 22:23  ID:33E/nA6Ip9Y
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アカショウビンさん、こんばんは。

金木犀のパンチ力、そうですね、いきなり持っていかれちゃう
不思議な魅力があります。年に一度だけの香りなので蝉の鳴き声と
同じく季節を宣言されて時の流れを感じてしまいますね。
穏やかな日常も変化しているんですね。

いつもありがとうございます。

No.7  アカショウビン  評価:50点  ■2014-09-22 22:56  ID:3.rK8dssdKA
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 穏やかな日常をとても幻想的に表現なされていますね。
 キンモクセイになんとなく独特のパンチ力を感じました。
 素敵な時間の流れを感じさせていただきました。
No.6  青ガラス  評価:--点  ■2014-09-22 13:12  ID:33E/nA6Ip9Y
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時雨ノ宮さん、こんにちは。

素敵な世界観と言っていただいてうれしいです。
おっしゃるように、花の香りと目玉焼きのイメージはナンセンスですよね。
いつもなら別枠にしたいところですが、どうしても生活感を入れたい
誘惑に勝てませんでした。。。

自分の世界観というものも自分ではよく分からないのですが
最近は過渡期なのかな、と自身で感じています。
投稿し始めの詩、覚えていてくださったんですね。
ありがとうございます。
No.5  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:40点  ■2014-09-21 11:30  ID:w0NjnOfA5RY
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こんにちは〜。

とても素敵! な世界観です。
夕暮れ時、西日が金色に差し込むキッチンでふと、金木犀の甘い香りに郷愁の念が湧き上がる。
もうそんな季節か……確かに最近肌寒い。
ただ、ちょっと惜しいというかなのが、

≫夕陽半熟
≫夕飯の支度でもしようかな

ここで、“夕飯” のイメージができあがる。半熟、と夕陽の滲み具合を表現する一方、同じオレンジ色の卵の黄身のとろける瞬間が、夕飯と相まって浮かんでくる(目玉焼き、オムライスなんかの辺り)。
そうするとですね、夕飯の美味しそうな匂いと、後の金木犀の香りが混在してしまう感じがするのです。独立した二つが、それ故の混沌を描いてしまう。
個人的に食べ物と花の香りは別々で楽しみたい人なので、そこだけ引っ掛かかりました。

とはいえ、こういった夕時の描き方ができるのは青ガラスさんならでは。記憶違いでなければ、ここに最初投稿した詩も夕陽の景色でしたね。
また魅せてください。ありがとうございました。
No.4  青ガラス  評価:--点  ■2014-09-19 15:58  ID:33E/nA6Ip9Y
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ヤエさん、
ありがとうございます。
わたしも今、八重さんの詩に感激して来ました。
良い気持ちになって頂けて幸いです。
2週間ほどの仄かな甘さですがお届けできてうれしいです。
期待はずれも含めてこれからもよろしくです。(^^)
No.3  ヤエ  評価:50点  ■2014-09-19 15:39  ID:BymBLCyvz/o
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表現力に感動しました
自然な流れで、綺麗な描写
しかしどこか身近な感じが、落ち着いた雰囲気を出すのですね。
青ガラスさんの詩はいつも情景が浮かぶようで、読むと良い気持ちに慣れます。
自分もその世界に同化できそうです
これからも楽しみにしています。
No.2  青ガラス  評価:--点  ■2014-09-19 12:41  ID:33E/nA6Ip9Y
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菊池さん、おはようございます。

早々にコメント下さってありがとうございます。
北では見かけないキンモクセイ。でした〜
ああ、しまった。足りないフレーズ気づかせて頂きました。
追加させていただきます!

菊池さんの深読みはやっぱりその通りかもしれないです。汗。
キンモクセイの香りを補足してみても変わらないですね。

こんな人となりですが、良いところを見て下さって感謝です。
でもでも、ダメなところもわたしなので、知っている分はなおさら
書けないという裏工作もあります。
今自分に足りないものは、人となりの真摯な姿かなとふと感じさせて頂いて
感謝です。
まだそんな勇気無くてお恥ずかしいのですが
いつか本物が書けるよう覚悟と精進をしていきたいと思います。
ありがとうございました。
No.1  菊池清美  評価:50点  ■2014-09-19 13:01  ID:dJ/dE12Tc8A
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青ガラスさんお早う御座います。

夕陽に声掛けて泊めてあげられないから夕食の仕度…呟く…
優しい性格が図らずも良く出ています、詩のパワーですね人となりが表れています。

鼻をクンクンさせて一年振りの懐かしい人と同化する…一年分思っていたんですね。
金色…金木犀ですか、一年振りってそうだよね。
ご免なさい香りまでは感じませんでした精進します。

優しい人は飼ってはいけないかも知れないけど、優しくなければ飼う意味が無いから切ないですね。
その意味で渾身の作ですね有難う御座いました。
  
総レス数 11  合計 290

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