現在(過去未来)


ガランとした空間には細い風が住んでいた

窓際に置かれた木の椅子は首を傾け外の様子を伺っている

外れそうな窓ガラスから射し込む光に

息遣いさえ感じてしまう

懐かしさとともに


主の居ない壁時計は長針だけが息絶え絶えに

今にも落ちそうで

傷つけないよう家に持ち帰り

どうしたものか迷ったけど古い時計を思い出し

そこに放してあげた

日に日に元気を取り戻し

ぐるぐる回りすぎだと思ったけど

わたしがあんまり褒めるから

とうとう過去も未来も繋いでしまい

わたしはこっそり時間旅行


長居は無用とわかっていても

ついついここにとどまって


誰かゼンマイ巻いてくれないかな

ここから戻れないし



青ガラス
2014年08月27日(水) 11時54分41秒 公開
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No.16  青ガラス  評価:0点  ■2014-09-05 14:23  ID:33E/nA6Ip9Y
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クレナイさま、

はじめまして、
と言ってもクレナイさまの詩は読ませていただいています。
タイトルの難しい漢字、そう、あれです!
何度調べても忘れちゃって読めません(笑)

切ない思いをして、幸せだったと自覚する今日この頃ですが
リズムを感じて頂けたなら、それはきっと幸せなリズムかなって
嬉しくなります。
響いたと感じて下さってとてもうれしいです。ありがとうございます。

No.15  クレナイ  評価:50点  ■2014-09-04 12:38  ID:dJ/dE12Tc8A
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青ガラス さま

こんにちは。はじめまして。
全体的にリズミカルでとても読みやすかったです。
また、とても可愛らしい印象を受けるのに反して、内容は切ない気がしました。その相反する感じが、またよい味を出していて、心に響きました。

素敵な詩、ありがとうございました。
No.14  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-31 23:44  ID:6Sbbo4.76/Y
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陽炎さん、
ほんと、お久しぶりです!
最近お見えにならないから気になっていました〜。よかった。。。

最初の静止した時間は、そうですね。ぽつねんとそんな感じです。
存在していない私が未来を過去として見た光景です。
過去と未来を現実で再生した理由は忘れましたが。
仕方がないですよね。
存在と消滅を繰り返していく時空間に生きているのだから
陽炎さんのおっしゃる通り、しばらく放置してあげないとですね。
とどまりたい気持ちと進みたい気持ちのせめぎ合いですが
動けなくなったら助けを求めないといけない、それは大事ですよね。
ありがとうございます。
お会い出来てうれしいです!

No.13  陽炎  評価:30点  ■2014-08-30 13:51  ID:u.WSYo.ISRY
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どうも、お久しぶりの陽炎です

時と時とをつないだその間が
おそらくは空間と呼ぶものだろうと思うわけですが

この詩だと空間の中にポツネンと静止した時間が存在している
そんな感じがなんとなくしました

そしてまた、この詩は再生の詩でもあるのかなあ、と
失ってしまったものだったり、悲しい記憶だったり
そういったものたちが止めてしまった時計の針を
ただ闇雲に動かそうとするのではなしに
空間の中でしばらくの間、放置してあげることによって
少しずつ少しずつ、また動き出せるようになっていく
記憶を消すことはできないけれども
それでも、そこから1歩前に踏み出していく
生きていくために

ラストはそうですね
また立ち止まって動けなくなったら
誰かに助けを求める
求めてもいいじゃない、と
No.12  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-28 11:35  ID:6Sbbo4.76/Y
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Aさん、
読んでくださってありがとうございます。
ジョビンの『三月の水』歌詞、詩ですよね。読ませて頂きました。
大切なものを幾つも失くして来た方なんですね。
胸の中にポツポツと言葉を置いていかれる。それが心地よく染みて
彼が踏みしめる大地に何を残して行ったのか、それを知りたいと思いました。
良かったです。とっても。

No.11  A  評価:30点  ■2014-08-28 06:19  ID:pA0QzJ9KbiA
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拝読させて頂きました。

この詩を読ませて頂いて、ジョビンの『三月の水』を思い出しました。で、改めてyoutubeで検索したら、「A.C.ジョビン『三月の水』菊地成孔による解説付き 2011.10.2」というラジオ番組が出てきて、聞いたら感動したので、お知らせしたいと思いました。
No.10  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-27 21:49  ID:6Sbbo4.76/Y
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時雨ノ宮さん、
正直嬉しい感想です!

結局どうよ?、、それがこの詩の素顔です。
無情で冷酷な時間の矢の、骨を抜いてしまいたかったんです。
時雨ノ宮さんの指摘して下さった事が書きたかった事なので
実は嬉しいんです。
一方通行逆走したい時ってありますよね?
今がその時なのでもっと的確に捉えられればよかったんですが
迷走ゆえお許しください(*^^*)

何か有りました。言葉にできなくてまだ向き合えていませんが。
鋭いですね〜。流石。。。
ありがとうございます。

No.9  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-27 20:56  ID:6Sbbo4.76/Y
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遊月さん、

壁時計も長い針だけも後から変更したんです。
最初のイメージは床に落ちていた時間の矢、だったんですが
時間の矢では直接的すぎるので時計の長針に変えたのがなんかしっくりきてないですね。そこは悩みました。

また推敲してみますが、ドミノ倒しになりそうで少しの変更ぐらいしか
できないかもしれません。遊月さんのおっしゃるように変えるのが
一番安全ですね。
ありがとうございます!
No.8  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:30点  ■2014-08-27 18:49  ID:a6BIlxW7DuY
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こんにちは。

何だかいつもの青ガラスさんぽくないなぁって思いました。何かあったでしょうか、いえ不躾なことは承知ですが、ちょっとした脳内革命でも起きたのかなって。迷走に似た感じ……。

全体的に時間の流れ方が、最初の「風」は細く進み、「長針だけが〜」で滞り、「ぐるぐる〜」で勢いよく、「ここから戻れないし」でまたストップで、結局どうよ?ってなってしまいました。
時間は一定な一方通行ですから、止まるなら一回だけにした方がいいと思います。

雰囲気は好きです。無音無温の世界観が。
多少なりとも『作品』を知っている方なら、直感で描いた作品の方が良いものができやすい傾向にあるようです。
ありがとうございました。
No.7  游月 昭  評価:0点  ■2014-08-27 17:40  ID:CPZWIaff4WI
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青ガラスさん、やはりそうでしたか。
そしたら、「針だけを」とまで書かずとも、「(そっと=傷つけないように)摘まんで」くらいあると一発ですね。
蛇足、失礼しました〜。
No.6  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-27 16:22  ID:6Sbbo4.76/Y
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ヤエさん、

凄くが凄くうれしいです。

ラスト、分かっていただけますか

そうなんです。
もうほんとに、ため息です。
ありがとうございます!
No.5  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-27 16:14  ID:6Sbbo4.76/Y
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菊池さん、
こんにちは。

心象世界を描いたので、自分はど真ん中に居ますので
主張は特に無くても良いような(^ ^)
シンプルに書いたのは、時系列の無い世界なので複雑にならないように
気をつけてみました。
寂しいと言っていただけるとうれしいです。
複雑に深妙に捉えると何だか飽きちゃって素がポンと飛び出す。
それが軽快に感じて頂けるのかもしれません。
何を言ってるのか分からなくなったとこで、すみませーん。

ありがとうございます!個性ですか、嬉しいお言葉です。

No.4  青ガラス  評価:--点  ■2014-08-27 15:38  ID:6Sbbo4.76/Y
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遊月さん、
ありがとうございます。
わたしこそ勉強になります。
置物や風の回想、人が存在しないことで不確かな存在の存在、ハードル高いけど
挑戦してみたくなります。
遊月さんなら可能かと思うのですが、今のわたしでは薄っぺらくなって
しまいそうで怖い気もしますが、新境地意識させて頂き感謝です。

分かり難かった箇所ですが、時計の針は時間の矢をイメージして書きました。
ハードボイルドな矢を遊月さんのイワシのように遊ばせたくて
時計の中に放しました。行ったり来たりしそうでしょ(^ ^)

No.3  ヤエ  評価:50点  ■2014-08-27 14:38  ID:L6TukelU0BA
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表現、描写が美しいですね。
凄く私好みです。
ラスト、凄く好きです。
No.2  菊池清美  評価:50点  ■2014-08-27 13:47  ID:Y5z8Yaj/4DM
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青ガラスさん今日は。

随分スタイルが普通っぽく成りましたね、個性が一つ減った様で寂しい気がするのは私だけでしょうか。
詩は形じゃないと思いますから良いですね。

時計を擬人化して、時間は愚か現在も過去も操作してしまう楽しい世界を演出してますね。
ハミングの様な詩から童話詩に近い様な詩に変って来ている気がします、楽しさは其の侭ですが。
自己顕示欲が無い人は居ないと言いますが微塵も感じさせないのは人柄なのか全く無いのか不思議です。

其処が何とも魅力ですね、有難う御座います。
  
No.1  游月 昭  評価:30点  ■2014-08-27 13:51  ID:N4nLYZE9Y3U
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こんにちは!

なんだか惜しい!
と思いました。

>どうしたものか迷ったけど古い時計を思い出し/そこに放してあげた
→が、よくわかりませんでした。

>傷つけないよう家に持ち帰り
→これだけが、語り手が生身の人間である、ということを匂わせていて、無ければ、「写真を見ながら」「以前そこに住んでいた置物が回想する」というような世界と繋がって断然いいと思いました。

勉強になりました。
ありがとうございます!

追伸、

そうそう、あるいは「風が」
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