言葬
生まれる前の言葉を
堕胎した
何度も
はらんでは
おろす

何の
後悔すらなく
ただ
繰りかえす


そんで時に
まだ受精したての言葉を
生まれるまでは待てずに
帝王切開して取り出すように
台なしにする
そんな所業が

もう取り返しのつかない事態へ
そうそのあたりへ

死ぬほど
生まれる
涙を流しながら
にやりと笑う
醜悪に
してやったとばかりに

でも残る
怒り?



さようなら
俺の殺した
言葉たち
俺の子供たちよ
今までありがとう
俺の代わりに
死んでくれた
おかげで俺は
大人になれました


何度もはらんでは
殺し続けたあの日には
こんな穏やかな日が
来るとは思わなかった


ありがとう
俺の殺した
俺の分身たちよ

お前のおかげで
俺は今日を
生きているので

死にはしないさ
言葉が俺を
裏切るまでは

いや
言葉が俺を
殺すまで

ひっそり
生きる
震えながら
史裕
2014年08月01日(金) 23時29分40秒 公開
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No.8  史裕  評価:--点  ■2014-09-06 22:32  ID:1LNvnyBoqqc
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游月 昭さん
お返事大変遅れまして申し訳りません。
ご感想いつもありがとうございます。
また読んでいただければ幸いです

クレナイさん
お返事遅れまして申し訳ありません。
また読んでいただければと思います。

それでは失礼いたします。
No.7  クレナイ  評価:40点  ■2014-08-17 22:35  ID:g3emUcYnoi6
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はじめまして

「生まれる前の言葉を堕胎した」
はじめの部分で心惹かれました
No.6  游月 昭  評価:20点  ■2014-08-12 11:52  ID:HGGGNe196sc
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成敗!
ザクッ。

こんにちは。
伝えたいことと全く逆の絵を描いて見せる
というか話しかける
という風に捉えました。
勉強になりました。
No.5  史裕  評価:--点  ■2014-08-07 21:01  ID:1LNvnyBoqqc
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逃げ腰さん
ご感想ありがとうございます。
励みになります。

ヤエさん
ご感想ありがとうございます。
褒めてくださって励みになります。

Aさん
ご感想、ご指摘ありがとうございます。
生み出した言葉たちを自分は信じているからこそ殺してしまう、そしてそれでも裏切らずに生まれて寄りそってくれるからこそ生きていける。
ただひどい仕打ちをし続けた言葉たちがある日裏切るように離れてしまったらどうしようと言う恐怖から震えている。
言葉は裏切るようなことしないのに自分が裏切り続けたものだからありもしないことに「俺」はふるえて生きていると言う感覚で書いたのですが
なかなか伝えるのはむつかしいですね
ご指摘参考にします。
ありがとうございました。

時雨ノ宮 蜉蝣丸さん
ご感想ありがとうございます。
同じような感覚を持っている方がいるとうれしいものですね
堕胎という言葉の力が強すぎて何回も使えなかったヘタレです(笑)
ご指摘参考になります。
ありがとうございました。

No.4  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:40点  ■2014-08-03 23:09  ID:Rf3wwDuHpmM
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こんばんは。

案外、気づいていないところで人間、殺しをやってるものと思うのです。正直な自分、道端の小虫、そして言葉。
この詩とほとんど同じことを、ここの別の詩のコメント欄に以前書きました。当時、その考えを人に話して笑われたので、同じこと考えてる人が他にもいたことに驚いています。
俺はそれを『殺す』としましたが、『堕胎』の方がしっくりきそうですね。我が子ですからそっちのがいいかもしれません。

長くなってしまいました。同意見の方に会えて嬉しかったのです。
史裕さんの子供達が、また戻り貴方に逢うことを祈って。
ありがとうございました。
No.3  A  評価:20点  ■2014-08-04 17:54  ID:BymBLCyvz/o
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拝読させて頂きました。


>死にはしないさ
 言葉が俺を
 裏切るまでは

 いや
 言葉が俺を
 殺すまで

 ひっそり
 生きる
 震えながら

この詩はここで終わってしまっていますが、「俺」を殺すような言葉を発する時、この詩は輝いたのではないでしょうか。なぜ「俺」は震えているのか、ひっそり生きなければならないのか?それは「俺」が殺した「言葉」たちに対する罪悪感からですよね。で、その罪が許されるには、「言葉」に復讐されるしかない、殺されるしかないと「俺」は分かっている。なのに、なぜ、「俺」を殺す「言葉」が出てこないのでしょうか。「いや」という言葉で示されるように、「言葉」が「裏切る」という事はあり得ないですよね。裏切る、というのは信頼関係が成立している事を前提にしているのであって、そもそも生まれてくる「言葉」を信頼しない「俺」が「言葉」に裏切られる事はあり得ません。わが子を中絶した親のもとに(生まれたかったのに、と怒りに燃えた)子の霊がやってきたのに対して、「私は親なんだ、子が親を裏切って祟るなんて何事だ!」と叫ぶとしたら、それは筋の通らない事です(水子の霊なんて、僕は信じてませんけど)。あるとしたら、「言葉」の「裏切り」ではなく、復讐です。覚めた目に映るのは、妊娠しても中絶し続けた親が血のつながった実の子を持てないのと同じく、「俺」が言葉を信頼しない事によって何時までも「自分の言葉を持てない」というそれだけの事ですが。僕は、「俺」は「言葉」に復讐されるのを許し、という事は自らの手で(死んだ相手は死んでるから復讐出来ないので)「死ぬ」べきだと思います。さようなら、「俺」。
No.2  ヤエ  評価:50点  ■2014-08-02 07:33  ID:L6TukelU0BA
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言葉をおろす、なるほどと思います。
思わず何度も読み返してしまいました。
私はまだ学生ですが、そうして精神的に大人になっていくのでしょうか。
とても素敵な詩だと思いました。
No.1  逃げ腰  評価:50点  ■2014-08-02 04:57  ID:j.IsO/gOFss
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こんばんは!

いつか言葉が我々を葬ってくれます。お経を唱えて初めて成仏なのですから。
それまで書くだけです。
ならばせめて美しい言葉を書きたいですね…


何度もはらんでは
殺し続けたあの日には
こんな穏やかな日が
来るとは思わなかった

とても好きです。業の深さを感じます。
僕の言葉でこの詩を貶めることもないと思います

良き詩を!
総レス数 8  合計 220

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