空虚 |
月が静かに揺れた 虫も鳴かぬ夜道で ただその背が 消えてゆくのを見つめていた。 遠くで雷鳴が響いて 穏やかな風の中 「 あなたが何かを言ったような気がした。 耳をすませば聴こへるのは ただあの日々の記憶と 懐かしい思ひ出だけ。 何もない私の手の中、ぽつり。 何かが消えた。 まだなにも知らなかった私は、 私は一人、消えた面影が戻ってくるものだと 信じていた。 時がたった今なら もう解る。 「さようなら」 と 誰もいなくなった空っぽの世界に呟いた。 |
04
2014年07月04日(金) 20時39分04秒 公開 ■この作品の著作権は04さんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
この作品の感想をお寄せください。 | |||||
---|---|---|---|---|---|
No.2 游月 昭 評価:40点 ■2014-07-08 12:57 ID:9W1Vp./dOHk | |||||
こんにちは。 面白いですね。 一、二連は過去。 三連は現在から見えるモノクロ的(「ひ」)な回想シーン。 四連は現在の意識。 棒線は読者だけに聞こえる、去る者に照準を合わせた、映画のカット的。 >月が静かに揺れた >虫も鳴かぬ夜道で >時がたった今なら なども小技をきかせていて、 技巧派の、にくい奴。 相手が誰かはどうでもいい、というくらい時間の移り変わりが面白い。 また読ませて下さい。 |
|||||
No.1 菊池清美 評価:50点 ■2014-07-05 20:12 ID:/dxzQ0Wmf36 | |||||
拝読致しました。 空虚を上手く表現してます、消去線の使い方が新鮮ですね。 聴こへるや思ひ出と言った旧仮名遣い(?)の意図は何だったのでしょうか…宜しかったら教えて下さい。 有難う御座いました。 |
|||||
総レス数 2 合計 90点 |
E-Mail(任意) | |
メッセージ | |
評価(必須) | 削除用パス Cookie |