ことだまり
空に向かって
つぶやいた言葉が
2秒ほどのちに
降ってきた

どんな言葉だったか
たった2秒前のこと
思い出すこともできずに
ただ浴びる言葉の雨

心の辺りに水たまり
洪水と言うほどで劇的でない
ゴム長をはけば
防げるくらいのもの
ただその程度の
水たまり

乾いて
消えれば
もう
何もなかったような
言葉の水たまり

蒸発すれば
天に帰って
また
降り注ぐ

なんどか繰り返すうちに
慣れてきて
もう
溜まりもせずに
ただ過ぎていく

溜まりもせず
いやちがうか
溜まっていることに気も留めず
行き過ぎていく

どんな卑劣な
言葉の羅列も
どんな醜悪な
告白の台詞も


真実の愛や
偽りのない心
キレイなもの
全部水でひたして
キレイに洗濯したのに
雑巾のようなにおいがする
生乾きのまっしろのTシャツ

その様な矛盾
化学のような
そのような
繰り返しの中の
言葉の溜まり

ことだまり

2秒前のコンセプトを忘れて
バラバラ


言いたいことも
特にないのに
こねてまわして


むずかしく言えば
誤解してくれるような
そんな期待
秘めているような
その様な
そんな誤解


ごめんね

いってまた
ことだまる
心の奥に
三層目くらいか


じゃあ何層
あると言うのだ


『知らない』
色白の美少女が言う


と言うていの
作り話

言ったのは
苦しい顔したおじちゃん
それが真実


ばいばい
ごめん

そして最後で

みずだまる

ことだまる

胸の中

乾いて消えるまでは
史裕
2014年06月26日(木) 23時54分51秒 公開
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No.4  史裕  評価:--点  ■2014-07-02 21:43  ID:t8rOcFtI3/M
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Aさん
ご感想ありがとうございました。当初描き始めたときは素敵な言葉の溜まりをイメージしていたのですがだんだん崩れてきてしまいなんだかダークな感じになってしまいました。
次はできるだけ明るい詩にチャレンジしたいと思います。
ありがとうございました。

菊池清美さん
ご感想ありがとうございます。
やはりすこし・・・と言うかかなり長いですよね。
簡潔にまとめられるよう精進したいと思います。
読んでいただきありがとうございました。

游月 昭さん
推敲もあまりせずサイト上でつらつら書いてしまったゆえに、ダラダラしてしまったのかもしれません。
想いのまま書き連ねるのは気持ちがいいですが、せっかく読んでいただいたのにもやもやさせてしまったようで申し訳ないです。
次回投稿するときはきちんと読めるものを投稿させていただきますので懲りずに読んでいただければ嬉しいです。

それでは失礼いたします。
No.3  游月 昭  評価:10点  ■2014-06-28 17:04  ID:4WvtQ.20QqE
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こんにちは。

言葉は、発した者の口を離れると、その者の名札が着いているにもかかわらず、自分の物ではなくなる。無論、著作権がどうこうという話ではなく、出した物を手足のように引っ込めることは出来ない。
戻って来たと思えば、既に形や色まで変わった雨となって降って来る。
わだかまりとなって溜まる、変化した言葉どもは暫くの後、地を固めて消えていく。

雨はまた降る。さらさらの雨になって、既に元の意味は薄れ、ただ降っていると分かるだけ。

言葉というもの自体は不完全で曖昧である。この詩も方向が曖昧で不完全である。雰囲気としては内容と一致しているととれる。
ただ、はっきりしているのは、雨はいつかは止んでしまうということ。

はい。自分で書いていてよく分かりませんが、私の読みが不十分というところから来ます。問題は、私の読みの実力の低さもあるとは思いますが、言葉の指定が曖昧過ぎるというのもあると思います。

中途半端な感想ですみません。
No.2  菊池清美  評価:40点  ■2014-06-28 16:08  ID:/dxzQ0Wmf36
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言溜り…言葉の溜りの他に言霊を印象付けますね。

詩の内容はとても共感が持てますが、少し長い気がします。
随分久し振りの気がします、毎作気になる存在ですね。

失礼しました。
 
No.1  A  評価:30点  ■2014-06-28 07:15  ID:L6TukelU0BA
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拝読させて頂きました。

「ことだまり」という造語、いいですね。言葉に水の質感を感じる語り手の語り、日常生活の体験を上手く織り込んだ、言葉をめぐる語りは、独創的ですが、十分共感出来、とても面白いです。この詩では、ことだまりは肯定的に捉えられていないようですが、実は、肯定的に捉える事も可能ではないか、と思いました。つまり、そこから美しい詩が生まれる事もあるのではないでしょうか?それにしても、コンセプトはなぜ二秒で失われてしまったのでしょう。それほど微妙で壊れやすいものだからだと思うのですが、では、そのコンセプトとはどんなものだったのでしょうか?気になります。
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