Pathetique−悲愴− |
− 荒れ果てた 大地を覆いつくす 雪 否応なく 吹き荒れる冷厳な 風 白なのか 黒なのか 氷に閉ざされた 壁の奥のわずかな体温 かすかな鼓動が切りとられる 小さな歴史のはじまり 与えられる痛みと浴びせられる光 「有る」ことの確かさを覚え 緩んだ風にゆだねた時の舟は しだいに鮮やかになっていく景色の中を 冷たさに震えながら下っていく 四角い石板に刻みこまれた 記憶の列をなぞる手の 儚さ 膨らみ 軟らかさ 色つや 節ぶし しわ 痣 時とともに 変わりつづける 肉体を映した影は 深く、長く、頭上を覆い いつしか重くのしかかる 石板とわが身が重なったとき 荒野を逝く道の傍らに 蔦をからめて 埃にまみれ 人知れず 立つ 墓標で あった − |
游月 昭
2014年03月05日(水) 14時29分20秒 公開 ■この作品の著作権は游月 昭さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.8 游月 昭 評価:0点 ■2014-03-10 17:43 ID:FBi49ZD.T0o | |||||
石井さん、ご感想ありがとうございます。 朝読まれたんですね。 夜に読んだら布団の中でずっと尾をひくような、同じテーマの詩が書けたら幸せだろうなあ、と思います。頑張ります。 |
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No.7 石井大心 評価:40点 ■2014-03-10 07:21 ID:Lf8Xjdi/zBs | |||||
素晴らしいです。とても難解の詩ですね。 言葉の1つ1つに無駄がありませんね。 なんか、朝から良い詩が読めました。 ありがとうございます。 |
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No.6 游月 昭 評価:0点 ■2014-03-09 21:04 ID:d0W/PevLH5Y | |||||
青ガラスさん、ご感想ありがとうございます。 モノリス??? でしたが、調べて、ああ、なるほど。 モノリスが意味するものは何か。 この詩でいうと、類人猿が人として刻んでいく歴史そのもの、かもしれません。 それがいつか人類の墓標とならないことを祈ります。 「−」はその通りです。 投稿の際、ラストの流れが少々気になっていましたが >石板とわが身が重なったとき は →石板とわが身の重なる果ては みたいにするのがいいかもしれません。 |
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No.5 游月 昭 評価:0点 ■2014-03-09 20:47 ID:My7Ye.F7xJg | |||||
菊池さん、ご感想ありがとうございます。 菊池さんの詩は写実派だと言っていいと思います。印象派という言葉を使えば、この詩はそうだろうと思います。菊池さんが言われるように、「書くと言う事に神経を注いだ」対象は実は同じもので、見たもの感じたものが印象として残るそれを描いているので、「飾り」ではないですよ。そう思える詩ということは私が下手だからだと思います。菊池さんは読める人だと思いますので、手放しで「素晴らしい」と言われるくらいの詩を目指します。 |
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No.4 游月 昭 評価:0点 ■2014-03-09 20:36 ID:sm5R9tKqGyk | |||||
逃げ腰さん、ご感想ありがとうございます。 ちょっと前に書いたものですが、読み返してみるとイマイチ不味い部分もありました。内容に関係ないのでそれは内緒。謝染さんにはこっぴどく言われそう(マッテマス)。 逃げ腰さんが読まれたそのまんまですね。 見た目だけでなく、中から伝わるような詩を目指していきます。まだまだうまくいきません。 |
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No.3 青ガラス 評価:50点 ■2014-03-07 09:14 ID:6Sbbo4.76/Y | |||||
第一印象で、モノリス!って感じてしまったら イメージが離れなくなって困ってしまいました(^^) >壁の奥のわずかな体温 小さな歴史の始まり、、で 冒頭の ー が死から生で、終わりの ー が生から死を意味しているのではと感じました。 時とともに変わり続ける、は、一生であり、輪廻転生のようにも思える表現で 四角い石板に刻み込まれた記憶の列 石板とわが身が重なった時 与えられた痛みと… 時の船 等々、表現が凄いです!イメージはどんどん膨らむばかり 難解なのですが、秘めたものの輝きが凄いです。 見せつけられました!! 雰囲気をということですので、タイトルの悲愴 表出するものは悲愴、だけど、という風に捉えました。 |
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No.2 菊池清美 評価:40点 ■2014-03-07 07:04 ID:/dxzQ0Wmf36 | |||||
何でも詩だと言う合言葉のもとに詩はドンドン多様化して行くようです好き嫌いを言っていると置いて行かれそうですね。 とっても格好の良い詩です、書くと言う事に神経を注ぐなら素晴らしい出来だと思います。 |
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No.1 逃げ腰 評価:50点 ■2014-03-07 01:13 ID:G8fqwr4/eC2 | |||||
こんばんは! 難しいです。 墓標というヒントがなかったら 「>」 となっている文の起伏に気付けなかった。同時に 「人知れず立つ墓標であった」は手の内を明かしすぎてはないかと我が儘を思ってしまった。あと、三つくらい起伏がるので墓標は複数あるのですね 全体を通して生まれ死んでゆく壮大なテーマが見て取れるのですが、 「有る」ことの確かさを覚え 緩んだ風にゆだねた時の舟は しだいに鮮やかになっていく景色の中を 冷たさに震えながら下っていく とことん難しい、ここの暗喩がわからないがとても好きだ。 硬派な詩を読んだら高尚な気持ちになりますね。 「四角い石板に刻みこまれた 記憶の列をなぞる手の 儚さ 膨らみ 軟らかさ 色つや 節ぶし しわ 痣」は王家の歴史なのか、それとも人類の進化の証なのか、解釈は広いなと。 本気を見たのと、これは受けても本気でいかないと!と思いましたね ありがとう。実は視覚を使っている、これは游月の詩に見落とされがちな点だなと改めて気づかされました。あと、大変なのであまり本気出さないでください |
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総レス数 8 合計 180点 |
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