闇夜にはぐれた迷い子ひとり |
どこにも居場所がないような そんなどうしようもない気持ちの午前1時 返ってくるはずもない友達からのメールの返信を待ちわびて 何度も何度も送受信ボタンを押してしまう悲しい習性 今日もうまく笑えませんでした 今日もうまくしゃべれませんでした 今日もうまく眠れませんでした なんだか知らないけど 心の裏っかわがむず痒くってむず痒くって仕方がないのです 負った傷口がうずいてしようがないのです 掻き毟りたくって掻き毟りたくってたまらないのです 誰かの声にすがりたくなって 開いたアドレス帳 連絡できる相手の誰もいない 空々しいだけのアドレス帳 ふいにこんな自分を 思いっきり こっぴどく痛めつけてやりたい衝動に駆られる午前2時 飲み干したワインの空瓶を鏡に向かって投げつけて 飛び散った破片で怪我をする 突き刺さった破片は抜かないでこのままにしておいて いまに私の体に入り込んで 紅い河を流れ流れて ズタズタに切り裂きながら やがてこの鼓動を止めてしまうそのときまで 歳を重ねるごとに ダメになっていく自分を思い知るのです 愛されないのは誰のせい 愛せないのは誰のせい 嫌われてるの嫌いなの いつものこと 毎度のこと 生まれ堕ちたときからの厄介者よ 筋金入りの疫病神よ 誰も近寄らないで 近寄らないで 信じて裏切られるのはもうたくさんだから 放っておいて そっとしておいて だけどいなくならないで いなくならないで 何も云わなくていいから 話も聞いてくれなくてもいいから ただ黙って 私のそばにいてほしい どうか私を置いて逃げないで どうかひとりにしないでお願いだから 誰も信じちゃいないくせに 誰かに信じてもらいたいなんて 虫がいいにもほどがあるわね そりゃ 誰も寄り付かないのもうなずける話だわ いい人ぶりたくて いい人だと思われたくて ただ表面だけで笑顔を繕ってみせたりして 知れば知るほど ホントやんなっちゃうこんな自分 ぶん殴って蹴り飛ばして くしゃくしゃに丸めて ゴミ箱に棄ててしまえたら 見限って見捨ててしまえたらどんなに楽かしれやしない でもね でもさ気づいちゃったんですよ 棄てられないことが辛いんじゃないってことを 棄ててしまいたいと そうすることでしか楽になれないと 勝手に決め付けて 勝手に捨て鉢になってる自分が辛いんだってことを 誰も信じられないのが辛いんじゃなくて 誰にも信じてもらいないと思い込んでいる自分が辛いんだってことを もう理由わかんなくなっちゃって どうしていいのかさっぱりで だからさ だから真夜中だっていうのに思いっきり窓をこじ開けて 言葉にさえならない嗚咽のような叫び声をあげては 胸の底から込み上げてくる涙を抑え切れなくなって 思わず思わず ワァワァ泣き出しちゃったりなんかしてしまうんです 夜の闇は静寂に包まれて 何を云うわけでもなく 12月の空気は冷え冷えと乾ききっているのに 何故だかとっても温かくって やさしくそっと抱きしめてくれたような そんな気がした午前3時 「何時だと思ってるんだ」と近所の人に思いっきり怒鳴りつけられて ペコペコごめんなさいして窓を閉める くもった窓ガラスに映った泣きべそ顔の私が ほんのちょっと 笑っているようにも見えた午前3時 考え方次第で人はどうにでも変われると よく他人はいいますが そんなことは十分わかっているのです わかっていても早々変われないのが人間で だからこそ自分の人生に苦しんだりするわけで だったら 自殺してしまった人間は弱い人ですか 親から虐待を受けて それでも笑っていなきゃいけない子供はダメな子ですか そのままでいいよ なんて人はいうけど いいわけなんかないから みんないなくなってしまうんでしょ 自分を肯定しなさいって こんな自分のどこをどう肯定すればいいというのですか 答えがあるなら教えてくださいよ 口を閉ざしたまま去っていかないで なにもかもどうでもいいやって こんな人生 投げ捨ててしまいたくなる夜が 幾度となく私に襲ってくるけれど そんなときふっと頭によぎるのは またエレカシやみゆきのライブ観に行きたいな、とか 読みかけの本の続きが気になるな、とか 買ってまだ袖を通していないあのワンピース着て どこか遠い 行ったことのない街へ行ってみたいな、とか いつか余裕ができたら 気ままにひとり旅っていうのもいいかも、とか こんなただ痛いだけの詩でも どこかの誰かが読んでくれて どこかの誰かに届くことがあるのなら こんなクソッタレな世界だって そうまんざらでもないかもしれないなんて 思えるときがくるかもしれないし 来ないかもしれないし それはわからないけど そんなことをあれこれ想像してみたら なんだか急に 死ぬのがもったいなくなって まだ捲っていないページにそんな素敵な出来事が待っていてくれるなら もう少しあと少し 頑張ってみてもいいかなって 生きてみるのも悪くないかなってさ 辛い辛いと詩に詠っていたって そいつが消えてなくなるわけじゃない 幸福だ幸福だと唱えていれば 幸福になれるというわけでもない ただじっと待ってるだけでは 何もひとつも はじまることさえないんだってこと タチムカウべきは自分 勝敗の行方を 誰かに握らせてはいけないわ 誰にも握らせてはいけないのです 勝負は私の この手の中 人生は私の この胸の中 ほら もう夜が明ける |
陽炎
2013年12月22日(日) 20時22分32秒 公開 ■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.6 陽炎 評価:--点 ■2013-12-27 23:23 ID:eM8nTjX2ERc | |||||
☆楠山歳幸さんへ☆ いつもありがとうございます 楠山さんが、人付き合いをまったくしないとは 少し意外で驚きました でもそうか、ひとりでいたいからこその バードウォッチングであったり 写真であったりするのかもしれないですね 私もかなり人見知りが激しくて 自分から人に声をかける、ということが ほとんど出来ない性質なのですが それでも、少しずつ心を開いていこうと 頑張ってみたりもしたんですけどね ラストの言葉たちをとても良かったと云っていただけて とてもうれしいです ありがとうございました ☆青ガラスさんへ☆ プチお久しぶりです こんな詩ですが、うれしがってもらえると こちらもとてもうれしく思います どこからこんなエネルギーが出てくるんだろう 普段の生活で溜まりに溜まったものを 描くことによって爆発させてるのかもしれない(>_<) いつもありがとね♡ ☆游月さんへ☆ はじめまして お読み頂き、ありがとうございます 嫌みに感じず 心地よいと感じていただけたのでしたら とてもうれしいです ご指摘の、1連目の最後の部分ですが いろいろと試してみて この形が自分では描いていて一番しっくりきたんですけどね 全体の流れからすると 云い切ってしまったほうが スパッとするのかもしれないですね もとがとれたと思っていただけたなら幸いです 貴重なご意見、ありがとうございました |
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No.5 游月 評価:30点 ■2013-12-26 21:33 ID:eN7YfPmp65A | |||||
寒いですね。いや、気温が。 嫌みに感じないですね。 言ってみればダラダラなんですが、 読んでて不思議と心地よい。 ひとつだけ。全体の流れから、 初連ラストの倒置法は不似合いで、 キッチリ述語で終わらせてれば、 と感じました。 読んでて、もとがとれた感じです。 ありがとうございます。 |
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No.4 青ガラス 評価:40点 ■2013-12-26 18:53 ID:6Sbbo4.76/Y | |||||
相変わらずの迫力健在でうれしいです♪ 自虐的に見える詩でありながらへこたれない 陽炎さんに密かに思いを寄せている 曝け出せない私ですが、いつかあなたのように 素顔のわたしも書いてみたいと 思ったり思わなかったり(*^。^*) このエネルギーは何処からきているんでしょうか 力強い訴えにやられちゃいますぅ。 |
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No.3 楠山歳幸 評価:40点 ■2013-12-25 23:58 ID:3.rK8dssdKA | |||||
読ませていただきました。 人間って死にたい時はなかなか死ねず、反面ちょっとしたことで死ぬこともありますね。運では片づけられない何かがあるのかも知れませんね。 わたしは人見知りが激しく、人付き合いをまったくと言っていいほど知りません。本を貪ったりいつも一人で旅行に行ったりするのは自分で気づかない何かがあるのだろうか、とこういう詩を読ませていただくと感じてしまいます。 不透明さの先のラストの言葉たち、とても良かったです。 ぐちゃぐちゃな感想失礼しました。 |
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No.2 陽炎 評価:--点 ■2013-12-24 07:33 ID:eM8nTjX2ERc | |||||
☆時雨ノ宮蜉蝣丸さんへ☆ お読み頂き、ありがとうございます いまだったら死んでしまってもいいかなあ なんて考えてしまうことが多々あって 眠れないときなどは特にそういう思考になる傾向が強くて でも、そういうときに 先日行ったライブ、すごいよかったな また行きたいな、とか 読みかけの本の続きが気になったりして そしたら、さっきまで死んでしまおうかなって考えてたのが もう少し生きてみてもいいかな、なんて思えてくる ホントに些細なことですよね 日常の中にある、ホントに些細な出来事が 生きるきっかけとなってくれたりする だから、そういう小さな欲求や憧れを沢山持っている人は 滅多に死にたいなどと考えたりしないのかもしれませんね ありがとうございました |
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No.1 時雨ノ宮 蜉蝣丸 評価:30点 ■2013-12-23 01:51 ID:1lioPCDY0WM | |||||
こんにちは。読ませていただきました。 世の中「死にたくなる」でいっぱいなのに、みんながみんな死なない理由、それは小さくてありふれすぎるくらい日常的すぎる「〜したい」という欲求や憧れを捨てきれないからかもしれません。現に俺が生きている理由も、今読んでる本の続きが気になるからとか、大好きな小説やイラストを描きたいからとかそんなんです、たぶん。そう考えると七番目の塊に書かれている内容は、少なからず正論だと思います。 この類のことに関しては思考が尽きないのでここで切りますが、是非一度、この件で陽炎さんと話し合ってみたいですね。 |
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総レス数 6 合計 140点 |
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