ぽたぽた焼き

たまねぎを切るときは
目にしみてしょうがないけど
冷蔵庫に入れて冷やしておくだけで
涙が出にくくなるように


ふきんを使っても 輪ゴムを巻いても
固くて開けられない瓶のふたが
ふたのまわりをちょっとあっためてやるだけで
簡単に開けられるように


昔から なんとかとハサミは使いようっていうでしょ
うまくやるには 何でもコツがいるものなのね


ダイエットしたくて痩せたい痩せたいと唄にうたっていても
結局痩せられなくて かえって太っちゃったりするのは
意志が弱いせいっていうのもひとつあるとは思うけれど
それ以前に 自分に合った痩せ方を知らないだけだったりもするでしょ


いくら微分積分が理解できたからって
英語もフランス語もペラペラだからって
人の気持ちまで理解できるとは限らないし


顔にしたってスタイルにしたって性格にしたって
いくら自分の好みのタイプだからといって
相手はまったく好みじゃないかもしれないじゃない


生まれた環境がほんの少し違っただけで
幸と不幸が分けられてしまう
それで人生が決まってしまうのならば
神様 生まれる前に殺してくれたらよかったのにと
三十何年も生きてきて
いまさらそんなことを云ったってキリがない


愛情過多で嘔吐し続ける人もいれば
間違った愛情を植えつけられてしまったがために
自分を痛めつけずにはいられない人もいる
傍から見ればどんなに幸福そうにみえても
みんなそれぞれ なにかしら抱えて生きてる
どんなに足しても掛けても つきまとう物足りなさ
割っても割っても割り切れずにもてあましてしまう感情
それを人は淋しさといい 哀しみと呼んでいる


生きることに正しいも間違いも本当はないんだけれど
人はひとりではとても脆くて弱い生き物だから
持ってる人をうらやみ 持っていない自分を憂いて
何が上で何が下とか 安心材料ばかり欲しがって
そんな自分がたまらなくかわいそうでかわいそうで仕方なくって
いっそこんな人生 終わりにしちゃいたいよぅって
それで楽になれるんだったらって
そんなふうによくよく考えちゃったりもするけど


でもさ でもね
たまねぎを切るときの裏技とか
固い瓶のふたを開けるためのコツとかみたいに
生きていくためのコツだって
きっとあるに違いないっていうふうにも思うから
人生を切り開く缶切りみたいなのがもしもあるのなら
やっぱりそれを探さない手は絶対ないなってさ




そんなこと考えてたら 
なんだか急に小腹がすいてきちゃったな
寒くなってきたし 今日は久々に
トマトシチューでも作ろっかな
陽炎
2013年11月23日(土) 09時37分35秒 公開
■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今日(23日)って祭日なんですよね
でも土曜日に祭日って
なんかちょっと損した気がするのは
私だけかな。。。(苦笑)

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No.6  陽炎  評価:0点  ■2014-01-19 04:15  ID:eM8nTjX2ERc
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★游月さんへ★

こちらの方へもコメントありがとうございます

この詩は、まさに「ぽたぽた焼き」の知恵袋からヒントを得て
描いたものでしたが
爽快な気分になっていただけたのでしたら、よかったです

うまい詩を描こうなんてことは
あんまり考えないですね

心に訴えかけられるものを描きたいとは
いつも考えていますけども

でも、游月さんのように辛口コメントをいただくと
自分の詩を、もう一度客観的に見ることができます

忌憚のないご意見、ありがとうございました
No.5  游月  評価:30点  ■2014-01-18 19:08  ID:Lg/anJZZyX6
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不思議と爽快な気分になりました。
時々陽炎さん不思議です。
もっと違う書き方すると、凄くうまくなるんじゃないかな、と何度も思います。
でも、これでいいのかな、とも思います。
正直それはわかりません。
No.4  陽炎  評価:0点  ■2013-12-11 20:58  ID:eM8nTjX2ERc
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☆ゆうすけさんへ☆

いつもありがとうございます

アンパンマンのマーチ
愛と勇気だけがともだちさって
愛にも勇気にもそっぽ向かれてる人は
どう受け止めればいいんだって話ですよね

楽しいことを思いだせないから辛いのに
あきらめる夢さえないからしんどいのに

生きるためのコツっていうのは
近道を見つけたいっていうことともまた違うんですけどね

自分らしさ、というと
自分とはなんぞや、といった疑問が出てきて
200字以内で説明しなさいってもしも云われたら
困ってしまうところですけども
どんなことが起きても
うろたえたりオロオロしたりしないで
対処できる能力、とでもいいますか
固いふたにしたって
ふたの周りを温めることで開け易くなることを知らなければ
ずっと開けられないままですよね
(私は子供のころに、ごはんですよのふたが開けられなくて
キリで無理矢理穴を開けようと試みたことがあります ←バカでしょ)

人生はごはんですよのふたのようにはいかないですけども
問題があったときに対処する方法を知っていれば
難しく考えていたことも、案外そうでもないかもしれないじゃないですか

そういうの、ひとつひとつ見つけていけたらいいなあ、と


ホラミスに投稿されてるゆうすけさんの作品
「第六天魔王降臨」、拝読させてもらいました

歴史上の人物を現代に蘇らせ
日本を建て直す、という発想がまず面白いなと思いました

信長の、不要なもの、逆らうものはものは問答無用で
バッサバッサ切り裂いていく様も
小気味よかったです

ただ、どんどんと歴史上の人物が蘇ってきて
現代だったはずが、いつの間にか戦国時代そのものの話に
どんどんスライドしていってる感が否めませんでしたけど

読み進めていくうちに、このまま歴史上の人物たちが次々蘇り
過去、起きた出来事や政治やらを再現していったら
いずれ、とんでもない過ちを犯してしまうのではないか
二度と繰り返してはならないと誓ったはずの
あの大戦争が、再び起こってしまうのではないか
そう思いながら読んでいったら
ラストにかけて、話の展開が本当にそっちの方向に向かっていったので
ああ、予想が的中してしまった…と思わず嘆息をもらしてしまったほどです

でも、そうなるように最初から仕向けていたのかな、とも
途中から、現代が置き去りにされていったのは
ラストのその部分に繋げるため、読み手に暗にそうなるのでは
と予想させるための伏線だったのかな、とも
もしそうだとしたら、もうホントお見事としか云い様がないです

ハラハラドキドキ、面白い作品でした

ありがとうございました
No.3  ゆうすけ  評価:40点  ■2013-12-10 18:21  ID:1SHiiT1PETY
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 ずっと自分の生き方を探してきた四十男もここにおりますし、誰もがそれぞれの場所でもがいているんですよね。
 うまく生きるための処方、誰もが欲する近道、しかし目の前に広がるは峻厳にして孤独、起伏にとんで先が見えない泥の道、詩になりますよね。
 世の中のほとんどに面白味を見いだせなかった私は「だったら私が面白くなってやる!」とコミックストライカーを自称してギャグの想像に励んだものです。このサイトに投稿したものもそういったノリで書いたものでして、いろいろと生き様ってのはあるものです。
 アンパンマンのマーチを聴いて一人凹んだこともありますしね。結構強烈な歌詞ですよ。
 辛い時は楽しい事を思い出せとか、夢をあきらめるなとか、ありふれたフレーズが、なんともたくさん巷に溢れておりますよね。これも誰もが生きる処方を欲すればこそでしょう。でも薬を使えば使うほど効果が薄れて副作用だけが体を蝕むように、寧ろうんざりするのも人情。
 結局、目の前の一歩を踏み出すしかなく、とりあえずメシ! って感じで面白くしまっておりますね。

 食べ放題に行くと、全品目制覇をしたくなるのは私の悪い癖で、ついこないだもやってしまいまして、仕事着のズボンがきつい。それでもやっぱり感動したりふざけたりして、楽しく生きて行きたいものです。
 今この時この場所で、常に面白い人間でありたい。仕事と家庭に押しつぶされそうになっても、それすら糧にしていきたい。
 つい調子にのって語ってしまいましたね、居酒屋で飲んでいるようなのりで。
 
No.2  陽炎  評価:--点  ■2013-11-30 06:04  ID:g3emUcYnoi6
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☆楠山歳幸さんへ☆

いつもありがとうございます

楠山さんもですか
生きてる意味を考え出すと
決まっていつも
同じ場所に立っていたりしませんか
私なんてホントに
なんで生きてんだろうっていつも思って
記憶の糸を手繰りよせてばかりです

が、最近は、こうも思うんですよ
生きる意味が見つかったら
もっと生き易くなったりするのか
そういうことでもないんじゃないかなあ
なんて考えるんです

明日、なにを食べようかって
そういうことを考えていると
意外と1日過ぎるのが早かったりしますよね

ありがとうございました

No.1  楠山歳幸  評価:30点  ■2013-11-28 21:44  ID:3.rK8dssdKA
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 読ませていただきました。
 作品を読ませていただき、なぜ自分みたいなものが生まれて来たのだろう、意味ないのに、と思ってしまいました。いえ、何度も思ったことではありますが。
 でも前向きになるべきですね。まず明日なに食べるか考えます。

 失礼しました。
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