ほーむ |
さびたポスト。 電線の走る夕暮れ空と 枯れた木々。 人はにぎやかに 猫は少し早い就寝を 路地の裏から夕飯の香り。 ぼくはかなしい。 風は飄々と 夕陽はそっけなく 虫の声は嘲笑を 古びた電車は見向きもせずに。 言わなくちゃいけない。 ぼくが孤独な浮浪者ってこと。 なぜ故郷を捨ててしまったのか。 ぼくはかなしい。 文字のにじんだ新聞紙。 湿った煙草。 流れる雲の 沈黙のざわめき。 色のない皆の顔よ ぼくはかなしい宙ぶらりん みじめったらしい浮浪者さ。 |
ほ。
2013年11月03日(日) 13時01分05秒 公開 ■この作品の著作権はほ。さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 陽炎 評価:30点 ■2013-11-07 21:22 ID:g3emUcYnoi6 | |||||
断片的な言葉の集合体といった感じでしょうか 淡々とした風景描写から いきなり「ぼくはかなしい」というフレーズが入ることで 読み手は意表をつかれます で、何故かなしいのかその理由が明かされるのかと思いきや またも淡々と風景描写が続いていく そして、また突然に「ぼく」は「浮浪者」であることが明かされる 「文字のにじんだ新聞紙」「湿った煙草」などが 「ぼく」の置かれている哀れみをここぞとばかりに描きだしてます 個人的には、あまり「かなしい」という言葉を使わずに かなしみを表現してもらえたらなあ、という気もしましたが 浮浪者というのも、実際にそうというわけではなくて 社会とか人間関係とか自分自身とか そういうところから堕ちていった人 人生の落伍者というような意味にとったほうがいいのかな なんて思ったり 少ない言葉でいろいろと想像させていただきました |
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総レス数 1 合計 30点 |
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