無題
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俺は穴、穴的人間、乾いた穴をかかえ、うずくまっている
空ろな俺たちの仲間、肛門と口腔とをつなげて胃袋にまで
深い穴をもっている、穴、それが俺、俺という穴

穴は深くまで続く、俺の血をめぐる血管を広げると一面の
テニスコートになるという、俺の穴はテニスコートと同じくらいの面積だ

俺の穴は肉体から精神をつなげる穴だ、心の奥のほうに穴があいている、
ただ垂れ流すばかりで、残ることがない、ごめんよ、俺は穴的な人間

筒のような人間、棒のような人間は俺とは違う人種だ
やつらには底がない、俺は穴をもつ人間、うすっぺらい底を
抱えているのだ

穴の力学よ

だけどそのうちに人を好きになることも、好きになってもらうことも
なくなるのかもしれない

最後に人を好きになったのはいつだったのか、
思い出すことさえできなくなるかもしれない

友達も、もしかしたら、気がついたらあれが最後の友達だったのかもしれない

人がお互いに関係を築けないとしたら寂しいことだ

だが、俺たちは穴的にんげん。

俺たちはしんみりした顔をして、おれたちの友達がバスの車体を犯す
様子をみているのだ。


俺たちは穴的なにんげん、人口眼球ころころ、俺の穴に落ちて行く

太陽が落ちる地球の穴よ

俺たちの故郷よ 穴よ 俺たちを受け止めろ、おれたちは穴的人間
うんこくさい 
2013年10月25日(金) 21時10分32秒 公開
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No.2  楠山歳幸  評価:50点  ■2013-10-31 21:47  ID:3.rK8dssdKA
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 わたしも怯みました。
 
 陽炎様の感想と同じです。

 テニスコートは何かで読んだと思いますが、なんとなく理知を持つ人の苦しさを感じました。いつかのドット絵のような作品かも知れませんが。
 直情的な作品もわたしは良いと思います。
 失礼しました。
No.1  陽炎  評価:30点  ■2013-10-28 16:32  ID:g3emUcYnoi6
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クリックして、一瞬怯んでしまいました
なんというか、文字のレイアウトが前衛的
詩というよりアートに近い感じ、とでもいいますか

内容を読んでみると、かなり辛辣なこと描いてますね
あれが最後のともだちだったのかもしれない
とか、やられました

人間関係を築けないことが淋しいと感じても
その淋しささえも垂れ流し状態なのかもしれないですね

なにより、こういう手法もあるのかと
目からウロコでした
総レス数 2  合計 80

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