転転


いきり立つ蝉の叫び声が渦をまき
ド真ん中を貫いて太陽が燃えさかる

塊は沸騰し原始の姿になり果て
目から口から溶け出してくる

はみ出す視界に白い絵の具が塗りたくられ
薄れゆく光は子守唄のように黒へ



夕立は力尽きた空の涙

底の泥と交じわる安らぎに
立ち上がる記憶の沼から
踏みだす足先はおぼつかない


背中に太陽が去ってゆく
くすぶる赤い炎を巻き込み
青黒く長い幕を掛けながら


目に映る曖昧な
輪郭と、色と、ゆらめきに
沁みとおってゆく渚

指先が触れる確かさも
乾ききったくちびるに赤く


流れ込む血液の色

静かに響く虫の音を
繰り返す枠に囲いこみ
成りゆきのいのちが
死の壁のこちらで息をする



SHIRIAI
2013年09月20日(金) 21時22分54秒 公開
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■作者からのメッセージ
真夏に書きました
今考えると、夏は頭をおかしくさせるようです。秋は春より清々しい。

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No.2  SHIRIAI  評価:0点  ■2013-10-05 01:05  ID:CKLP/qth1AI
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楠山さん、こんばんは。

だいぶ前に感想をいただいてました。
遅くなりました。

「迫力」は冒頭だけでいいかなと思いました。

夏が暑く思考が停止していて、ドロ〜ですし。

>成りゆきのいのち
は、夏8月15日まで、命、死について考えさせられましたが、そのときに浮かんだ言葉ですね。そんなこと考えてるから脳ミソがとけるんでしょうね。

ありがとうございました。
No.1  楠山歳幸  評価:30点  ■2013-09-26 23:09  ID:3.rK8dssdKA
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 読ませていただきました。
 頽廃的?かと言われれば迫力みたいなものが薄いような気もしましたが、暑さでめまいがするような雰囲気が感じられて面白かったです。
 よく考えられた言葉、という印象でした。

 >成りゆきのいのち
 という言葉がとても良かったです。
 厳しい夏を連想して深みを感じました。

 失礼しました。
総レス数 2  合計 30

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