19歳児の夏
 




 
 うちあげられたかいがらが
 二度と波にけとばされないように
 うみのいえに連れていった
 
 
 くびをもたげたひまわりが
 夏がだいきらいにならないように
 はっぱにりぼんを巻いてあげた


 ふたりでつくったすなのおしろは
 夜にのみこまれてしまわないように
 はじめから壊してしまった




    からん ころん 下駄の音
    
    夏においていかれないように
    めいいっぱい走る少女がひとり




 相変わらず夏はあたしを
 置いてきぼりにするから
 金魚がおよいでいるあの浴衣を
 いまだしまえずにいるのです


 ひとりじゃたべきれないくせして
 ちゅーちゅーあいすを無理して食べて
 おなかはぐるぐる鳴いているのです

 

 
    あたしも泣きたいなぁ 19歳児の夏







  
詩葵
2013年08月04日(日) 09時58分17秒 公開
■この作品の著作権は詩葵さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 
 こんにちは。19歳児です。
 
 ほんのすこしだけまた音楽がやりたくなって
 歌詞をいちばんだけかいてみたのです。

 そういえばチャットモンチーのボーカルは
 おおきくなりはじめたおなかに
 今頃しあわせを感じているのでしょうか。
 

この作品の感想をお寄せください。
No.10  詩葵  評価:0点  ■2013-09-01 10:34  ID:L6TukelU0BA
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史裕さん

こんにちは読んでくれてありがとうございます

今回の作品はそういう余韻を大事にしたかったので
夏の終わりを感じていただけて嬉しかったです
気付けば今年も夏が終わるようですがまだまだ暑いですね
お互いに夏の余韻を楽しめたらいいですね

読んでくれてどうもありがとうございました
 
No.9  詩葵  評価:0点  ■2013-09-01 09:57  ID:L6TukelU0BA
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せがみさん

初めまして読んでくれてありがとうございます
十年後自分の作品を読んだ時にあなたと同じように思えたら
合格点をあげられるかなと思っています
もう少しだけ19歳の夏の余韻を楽しもうと思います

どうもありがとうございました
No.8  史裕  評価:40点  ■2013-08-24 15:12  ID:w0W81Wij7js
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夏の終わりのようなそんな感覚が時期とぴったり合っていて
なんだか気持がいい詩だなぁと感じました。

蒸し暑い時期にこのような気分にさせていただきありがとうございました。
また読ませていただければと思います。
No.7  せがみ  評価:50点  ■2013-08-22 21:26  ID:L6TukelU0BA
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切なくも優しく
キュンとなりました
ありがとうございました29歳の夏
No.6  詩葵  評価:0点  ■2013-08-18 10:28  ID:L6TukelU0BA
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陽炎さん

こんにちは感想ありがとうございます

浴衣の金魚について考えてくださって嬉しかったです
一応設定としては一緒にお城を作った男性が
褒めてくれた浴衣だからしまえないという思いを書きました
ここももう少し説明をいれてもよかったのかなと思います

歌で思い出しましたが今度ライブで中島みゆきの糸をやります
私の出身が十勝なのでみゆきは大変馴染みがある歌手です
彼女の曲を聞くたびに私はあなたを思い出します

ありがとうございました
 
No.5  陽炎  評価:40点  ■2013-08-13 20:38  ID:g3emUcYnoi6
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夏の描写をうまく使いながら
大人になりきれない子供みたいな自分を
うまく表現されてるなあ、と思いました

かいがら、ひまわり、砂の城
浴衣、金魚、チューチューアイス(チューペットのことかな)
など、アイテムの使い方も絶妙でいい感じでした

特に浴衣の件は
仕舞えないのは置いてきぼりのせい、というより
動き回る金魚のように
夏の間だけ
もう少しの間だけ子供のままで
という思いも込められているように感じられました

歌詞ということで、どういったメロディがついてるのかも
気になるところです
No.4  詩葵  評価:0点  ■2013-08-08 18:19  ID:L6TukelU0BA
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>SHIRIAIさん

前作同様丁寧に読み込んでくださってどうもです
それではちょこっと自分の言葉たちを擁護させていただきます

この作品のタイトルは19歳児の夏となっています
私が強調したかったのは19歳ではなく"児"という言葉でした
この漢字を使う言葉ってどれも子供を連想させるものばかりですよね
(幼児や保育園児または小児科などなど)

この作品の主人公は確かに19歳ですが
大人どころかきっと中高生にもなれていない程
幼いおんなのこのままであるという設定です
19歳の年相応の女性を描きたいのであれば
流石に向日葵にリボンは巻かないし砂のお城は作りません
チューチューアイスくらい一人で食べきりなさいよと思います(笑)

話は変わり最後の一連は蛇足かと思われますでしょうが
おなかがなく→わたしもなくという風に言葉遊びがしたかったのでした
終わりに浴衣のくだりを持ってきてしまうと
詩としては成り立つのはわかるのですが歌詞って考えると
たぶんメリハリがなくなってしまうと考えてこの順番にしました
(メロディラインの都合ですすみません)

ふたり〜についてはアイスのくだりで
ちょっとぼやかして書いたつもりでした
チューチューアイスがひとりで食べきれなくても
問題がなかったつまり半分食べてくれるだれかが隣にいた
ということをぼんやりと表現したつもりでしたが技量不足でした

そして助詞の使い方の間違いの指摘ありがたいです
この歌の活かし方をもっともっと考えたいと思います

ありがとうございました
 
No.3  詩葵  評価:0点  ■2013-08-08 18:00  ID:L6TukelU0BA
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>楠山歳幸さん

ありがとうございます
同年代の方にだけ共感を得られるような歌になっていないか
とても安心しました(共感とはまた違うのでしょうが)
感情が服を着ないでいる歌はちょこっと私は苦手なのです

橙/チャットモンチー
これもなにかの縁なのでよかったら聞いてみてください
以前歌声がチャットモンチーに似ていると言われて
こんな歌を書いてみたので(あんなにかわいくはないですが)

前作に引き続きありがとうございました
 
No.2  SHIRIAI  評価:20点  ■2013-08-08 15:01  ID:4knla9qyP2A
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こんにちは。

(1)「19歳」となっています。
(2)「少女」となっています。
(3)「ふたりで」となっています。

●(1)と(2)
まず、リボンなどの行動が幼稚なのと構成のせいだろうと思いますが、
全て小学生位の「少女」を描いているように見えます。ところが、(1)となっているので、読み返してみると、

>相変わらず夏はあたしを
 置いてきぼりにするから
 金魚がおよいでいるあの浴衣を
 いまだしまえずにいるのです

が(1)のようです。

>あたしも泣きたいなぁ 19歳児の夏

が蛇足なので、これを無くすか、「あいす」の連にそれとなく匂わすように入れるかして、

>相変わらず〜
の連をラストにもってくると、(2)を回想して、(1)になっても未だに悪あがきをしている、とスッキリ読めます。

●(3)
年代が曖昧過ぎるので、(3)が誰かさっぱり分からない。(3)の存在理由が薄い。
(1)と(2)を色分けしましょう。

●ついでに
>くびをもたげたひまわり「が」
 夏「が」だいきらいにならないように

交差点で事故る「が」がきつい。
最終校正の時点で気持ちを込めて読むと、この辺のことは分かると思います。
→ひまわりは
にするか、または
→夏を
にするだけで解消されます。


以上の点を改善すれば、着眼点がいいので、面白く読めるし、この詩の価値がぐんと上がると思います。
ありがとうございました。
No.1  楠山歳幸  評価:50点  ■2013-08-05 21:06  ID:3.rK8dssdKA
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 読ませていただきました。
 良いですねー。いい年したおっさんが、思わずじん、と来ました。
 かわいい!
 夏のアイテムも効果的で、かわいらしくて、すなのおしろの段に全てが詰まっているようで、他にもわたしみたいな素人では分からない技術的なところもあるのでしょう。
 有線から流れるこういう曲ってダイレクトに感情をむき出しているというイメージがあって、ふっとこういう歌が来るとほっと?します(いえ、ほっとさせる曲ではないのですが……)。曲がついていなくても素敵な歌でした。
 余談ですが、チャットモンチーは知らないのですが、ホルモンバランスもあるのでしょうが、今頃しあわせを感じているのでしょう。
 肝心の詩について何も書けない者で申し訳ありません。
 失礼しました。
総レス数 10  合計 200

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