ひっくり(火事や猛暑)



 そこで男がステッキ
 港町の地面へ
 つきたてると

 遠い仏蘭西の
 さるパサージュの喫茶店
 その
 常連客の鼻の穴から

 まるっ

 としたかわいらしい
 粒胡椒が飛びだしたのだ
 (ケツくらえ! と
  レーモンおじさんの娘がいった)



 ナイフを失くした失意の男が
 安楽椅子に身を沈めると
 (やっちゃえやっちゃえ と
  きいたことのある声がする)

 運河が黄金色に染められたのをみた

 永らく待ち望んだ
 それはまばゆい
 事件
 であるかのようにおもわれた



 一方その頃、日本では
 かっぱが、ひい、ふう、
 斃れていった



 ※ 白髪の小父さんもあばたづらしたこわい外国人も色眼鏡の似あうあの人も、みーんなこいつを持っている。
藤村
2013年07月15日(月) 21時28分47秒 公開
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No.7  藤村  評価:--点  ■2013-07-23 21:02  ID:sg12n8JFuiY
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>>昼野さん
禍々しい、というのは、そう読まれたらいいな、というイメージでもありました。おそれいります。
かっぱくらい出てこないと、さすがにどうにもならないかなとおもっていたので、出しておいてよかったです……。
楽しんでいただけたならさいわいです。
ありがとうございます。
No.6  昼野陽平  評価:40点  ■2013-07-23 18:17  ID:NnWlvWxY886
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>運河が黄金色に染められたのをみた

ここがなんか、禍々しい美しさがあるように感じて好きでした。
ラストでかっぱとか出てくるのも、なんか広がりがあって良かったです。
この詩に批評とかできない感じです。楽しめた、という事だけ書いて逃げます。
ありがとうございました。
No.5  藤村  評価:--点  ■2013-07-18 20:45  ID:sg12n8JFuiY
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>>SHIRIAIさん
はじめまして。
あまり詩を読んではいませんし、仰るような法則みたいなものがあるのかは、ぼくも知りません。
これもけっきょく「こういう詩もあった気がする」というあやふやな記憶にもとづいたものまねみたいなもので、あらためてみてみると「なんだか頼りない」「よくわからない」という気もします。
ただ「どこにも引っ掛からな」かったというのは、ひとえにそういう「ものまね」のせいにはできないところだとおもいますので、とっくり考えてみたいと思います。
ありがとうございました。

>>うちださん
ありがとうございます。
どうなんでしょうか……。
なんだかはずかしいもののようにもおもうのですが。
自分ではよくわかりませんが、ひとからいわれると「そうかも」という気になったりもしてきますね。くわばらくわばら……。

>>zooeyさん
粒胡椒のくだりは、なんだか書いていてとくに気恥ずかしかったのですが、そういわれると書いておいてよかったなあともおもいます。
自分なりの……と仰っていただけるのは、とても嬉しいです。そういう読まれかたをされるというのがいっとうしあわせなんじゃないか、というふうな。
ただ、もうすこしイメージのあわせやすさみたいなものをうまく絞れたのじゃ、という気もします。目配せの仕方をしくじってしまったような、ううん。
こちらこそありがとうございました。

>>星野田さん
文字通りの音で読まないっていいですね。「ばったり(ハジメマシテ)」だったりして。三度の飯より飯が好き、みたいな。
改行や空行は、意図がなかったわけではない(はずな)ので、あしからず、という感じです。
詩みたいな感想だな、とおもいます。
ありがとうございました。
No.4  星野田  評価:30点  ■2013-07-17 01:58  ID:BQAkycmOfIM
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こんにちは

三つの、別々に起きてる風景をなんか一つ目で見ているような、不思議な感覚ですね。
そういう感覚が、一方で川に映る色が変化する様子を見ていて、一方で鼻から胡椒が飛び出る小さい事件を見ているという感じで、想像すればするほど、面白みがあります。

読んでいて、文字通りの音で読まない作品なのかなと、いろいろ探して見ました。
例えば「火事や猛暑」をちょっと早口に「カジャモーション」みたいな風によんでみると、変な呪文みたいで面白そうだとか。
そんな捻くれた読み方で読み始めたせいか、改行がすこし煩わしかったという、ワガママ読者っぷりを主張してみます。
No.3  zooey  評価:50点  ■2013-07-16 04:10  ID:L6TukelU0BA
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大変楽しく読ませていただきました。
端崎さんの作品は、たまに読ませていただいていて、
良いな好きだなと思うことが多いのですが、
何か書こうと思っても、言葉が拙くなかなか書けなかったんですよね。
今回は少しでも書ければな、ということで。

一度読んだときは、ああいいなあ、とか、心地いいなあ、とかそんな印象的なものだったんですが、
読み返すと自分なりの物語が見えてくる感じで、
それがなんだか嬉しい、みたいなそんな気持ちになりました。

暑いですから、いろんなところで火事とか猛暑とか、なんだろうな、みたいに思いました。
特にナイフをなくした男のところは、
黄金色の運河がとても綺麗に浮かんできて、
夕陽の輝きなのか、朝焼けの色なのか、街灯の輝きなのか、もしかしたら向こうが火事なのか、他に何かあるのか
そんなイメージの広がりを与えられたように感じました。
私は朝焼けの光が一番しっくり来た感じです。
でも、ワードから火事のような気もします。
とにかく、全体に牧歌的な印象だったので、イメージしやすかったのかな、と感じました。

粒こしょうも、なんだか可愛いなあと思いました。
まるっ、としてるんですね。

かっぱも暑いですからただじゃすまないよな、みたいに思いました。
ひい、ふう、というひらがながやっぱり良いなと思いました。

なんだか他にもいろいろある気がしますが、ちょっとうまく言葉になりません。すいません。
書いてる内容も、とりとめないですが…。
とにかく、読めて得したな、と思いました。

ありがとうございました。また読ませてください。
No.2  うちだ  評価:50点  ■2013-07-16 00:00  ID:oE2tK3DWyuo
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すげー。
マジですごいっす。
No.1  SHIRIAI  評価:0点  ■2013-07-15 22:11  ID:5PhxNt2MGXg
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藤村さん、はじめまして。こんばんは。

前に何度か、プロ詩人の方のこういった形式の詩を読んだことがあるんですが、よく分からないので、強引に感性で読もうとするんですが、やはり、大概よく分からない。ここで読める人は、一人か二人でしょうが、現代詩の流れで慣例的な法則があるのでしょうか。どこにも引っ掛からない私としては、かなり残念で、なんとか読みたいと思っているのですが(ケツくらえ!さえ、意味が分かりません)。現代詩をたくさん読んでない分、読むレベルが低くて感想すら書けません。すみません。
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