下痢

下痢を漏らして
狂人のように微笑む


下痢に宇宙を見る
さまざまな星座
その美しさ


公衆便所内で
あらゆる個室から漏れる
下痢という下痢の
ブリブリという排泄音を聞き
世界は下痢なのだと思った


まず始めにカオスがあった
という神話のカオスとは
まさしく
下痢のことなのである
(ここで絶叫)


グラス一杯の下痢を飲む


ある淑女とテーブルを囲み
マルセル・プルーストと
下痢の話をする


君を針で突けば
パンっと音させて破裂し
下痢が飛び散る


道ばたの下痢が街灯で輝いている


肛門が十三個ある人間の
下痢をする様を見せてもらった


下痢をもよおすとは
日常から非日常へ移行する
冒険である


下痢を漏らすとは
人間から動物へ下降する
悪である


街中で下剤を飲むという
冒険


下痢を漏らすという悪からの
滑稽な逃走


下痢を漏らす者は美しい
太陽のように美しい


下痢は未成熟のまま堕胎された
悲しき糞便


下痢壺から男がぬっと現れ
神を名乗った
僕はひどく納得し
跪拝した


全身に下痢を塗って
デートに出かける


レストランで下痢をオーダーした
数分後に、下痢のグラスが運ばれ
街で一番の美女と
乾杯をした


下痢を溜めておいたバケツに
真珠のような蛆が湧いた


下痢はメロディー
下痢は囁き
僕は耳を傾ける
昼野陽平
http://hirunoyouhei.blog.fc2.com/
2013年07月14日(日) 18時06分55秒 公開
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No.14  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-23 18:08  ID:NnWlvWxY886
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>藤村さん

感想ありがとうございます。
見晴らしいいすね。どかんと展開したくてこういう感じに。
ラストで僕とかメロディーとか出てくるのは、自分でもなんか、な感じです。投げちゃっても別にいいのでしょうねきっと。
ありがとうございました。
No.13  藤村  評価:30点  ■2013-07-22 19:57  ID:sg12n8JFuiY
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拝読しました。
なんというか、見晴らしのいい詩だなとおもいます。
手のうちをさらすのを懼れていないよう、というか、さらすことで迫る、というか。手のうちがなんなのかぜんぜんわかっていないですけれども。
下痢ということばをそのまま受け取れば淑女が笑うし、なにかややこしく受け取れば(やっぱり淑女が笑うし?)神様があらわれるし、みたいなふうかなーとか、やっぱりぜんぜんわけのわからないことをおもったり。ことばをつかう道筋というかバックボーンというかが明瞭だから、詩全体がすっきりみえるんだろうなとか。あとはメロディー、とか、僕、がでてくるのがなんだか律儀だな、でもないとうまく終わらないかなともおもいました。ほんとうにとっちらかってますが。
No.12  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-19 16:19  ID:NnWlvWxY886
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>toutotuさん

感想をありがとうございます。

連作、ですね。夢野久作の「猟奇歌」みたいな感じを目指したのですが、なんか書いてるうちに、理屈っぽくなって、全体的に論理的につながるようにしなくちゃいけないのに、そうならなかったって感じ、です。
全体が下痢みたい、という試みは面白そうですねw
ありがとうございました。
No.11  toutotu  評価:30点  ■2013-07-18 00:24  ID:PST6pdtKPJQ
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読みました。下痢への熱い想いが伝わってきました。
連作みたいな印象です。一区切りで、一つの詩みたいな。
一つ一つが面白いです、下痢壺から男が〜の辺りが特に。

けれども全体を一つの詩として捕えた時、前の方が仰る通り繋がりが薄く、ひとまとまり毎につっかえる為か、鋭さがなくなってるかなと思います。硬い便ががっちんごっちんと排出されてる感覚です。
区切りと区切りに関連性を持たせると流れるようにスラスラ読め、詩全体が下痢みたいな勢いを帯びると思います。そっちの方が僕の好みではありますが、作者様の意図と全く違う事言ってたらすみません。ありがとうございました。
No.10  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-17 22:27  ID:NnWlvWxY886
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>星野田さん

感想をありがとうございます。

世界観楽しむような感じになってますね。これ面白いんじゃないかみたいなこと書いてたらこんな感じに、って感じです。
下痢の下痢下痢しさは意図的に排するようにしましたね。下痢という言葉そのものが持ってる迫力みたいなのを表現しようみたいな感じです。
「グラス一杯の下痢を飲む」の部分は、僕としては読み手をおえってさせるものだとは思ってなかった感じですね。
汚いからこそ崇拝するという部分もあるので僕としてはいいんじゃないかと思うのですが、どうなのでしょうね。考えてみます。
繋がりが薄い、というのは僕も書いてて思いましたが、なんか力及ばず、という感じでした。
ありがとうございました。
No.9  星野田  評価:30点  ■2013-07-17 01:35  ID:BQAkycmOfIM
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チャットで色々と言ったり、話題に出ていたのでせっかくなので感想として書いておきます。

世界観を楽しむ作品だなと読み終わって思いました。
下痢というフィルターを通して、世界を見ようとしてる、みたいな試みが面白いと思います。
この詩を紙に印刷して、まとまり毎に小さく切って、色々並び替えたりとか二次元的に
並べてみたりとかして、遊んでみたいですね。

一方で、下痢という言葉を全てのまとまりで使い続けているのが、逆に下痢というものを記号化してしまい、下痢の下痢下痢しさを消してしまっているような気がしました。
そういう狙いなのかも知れませんが……!
「グラス一杯の下痢を飲む」なんて、すごく、読んで気持ち悪い体感があって、うおお、って感じなのに、じゃあその後もそういう体感があると、どうかなという疑問があります。
まあある意味、下痢への崇拝の詩なので、意識して汚さを強調させるというのは、それはそれで違うのかなとも想うのですが。

それと、ひとつのまとまりの中で、下痢を通して見る世界は素晴らしく
その、表現も簡潔で、面白いとおもうのですが、
まとまりとまとまりの繋がりが薄いといういうか、この詩を一つの作品としてみた時に
なにか下痢以外に、それらの世界をつなぐものがあるのかと言われると、ちょっと薄いかなと。

感想読みなおして、「下痢が書かれすぎてて、逆に汚くない」と思うとか、毒されているのかな。作者さんの思い通りなのかなとかも思いました(笑)
No.8  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-17 00:09  ID:NnWlvWxY886
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>SHIRIAIさん

そうですね。考えておきます。
No.7  SHIRIAI  評価:0点  ■2013-07-16 20:13  ID:sqfh9gLDeNI
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昼野さん、では、そんなときは、そういう描写があることを冒頭で断ってください。
R-15、とか、差別的言葉がでてきますが、
と、映画で断りを述べるように。

わたしからはそこまでです。
No.6  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-16 01:24  ID:NnWlvWxY886
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>SHIRIAIさん

前の返信でもちょっと触れましたが、個人的には下痢を書く以上、汚い部分も書かない限り欺瞞であると思っています。ご了承ください。
No.5  SHIRIAI  評価:0点  ■2013-07-15 23:21  ID:4knla9qyP2A
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zooey さんからの意見(私の詩のスレッドへのコメント)に関して。

↓↓zooey 氏談
●今回限りであることを希望して点数をいれる、というのは、あまりフェアじゃないかなと感じます。
相手のかたが了承する、しないにかかわらず、点は入ってしまいますから。
相手にしてみれば、無理矢理了承させられる、みたいな状態ではないかなと。
それであれば点数入れない方がいいのではないかなと思いました。

>>「希望」と書いていて、強引な記述はありません。下痢の詩を書くなとは言っていません。
また、同じような「汚い描写」をされる場合は「無視」または、「批難」あるいは不快感を管理人に訴える。ことになると思いますが、
昼間さんは、次回下痢についての詩を書く場合はそんな描写はされないと思います。


〇以前、あるところで私に猛攻撃を仕掛けさせたような、排泄行為を描写した詩とは雲泥の差であるとは思います。

>>一応誉めています。別のある人には、かなりの批判を浴びせましたが。


★昼野さん、こんばんは★
下痢については私も書いたことがあります。人間の体を工場地帯に見立て、腸を廃棄物処理施設。そこで働く男の視点から下痢を描いています。最後はトイレを流す音と「ふぅー」という人間の声だけ。昼野さんに誤解はないと思いますが、排泄行為の描写はよほど気を付けないと、読者に大変な不快感を与えるということです。そのことを理解されている昼野さんは、二点を除いて、「全体的に巧みに避けてはいる」と私は述べていますね。次回の「下痢詩」ガンバって綺麗に書いてください。

長々と失礼いたしました。
No.4  昼野陽平  評価:--点  ■2013-07-15 22:42  ID:NnWlvWxY886
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>坂倉圭一さん

感想ありがとうございます。
読ませる力があるとのお言葉嬉しいです。いちばん気をつかった部分なので。
僕としては気合い入れて書いた作品なので、なんかほっとしました。
ありがとうございました。

>SHIRIAIさん

感想ありがとうございます。
こういったものを書くいじょうはそういった表現もしないとなと思って書いたのですが、微妙だったかもしれません。
下痢は僕にとってモチーフの一つなんで、今後もちらちらと書くと思います。
ありがとうございました。

>zooeyさん

感想ありがとうございます。
面白いとのお言葉うれしいです。詩は不慣れでいまいち客観的に見れない感じなのでほっとしました。
具体的な部分への御指摘もありがとうございます。
卑猥さ醜さから始まった方がいい、というのはそのとおりかもしれません。構成は僕なりにけっこう考えたのですが、そういう視点からの構想というのは考えてなかった感じでした。
ありがとうございました。
No.3  zooey  評価:40点  ■2013-07-15 18:01  ID:KAaPhEMuxTU
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読ませていただきました。

詩に対してこういうのも変な気がしますが、面白かったです。
知的さの中の卑猥とか、醜さに垣間見える美しさとか、
そんなものにウィットやユーモアが窺える気がしました。

イメージしやすかったのもあり、
>君を針で突けば パンっと音させて破裂し 下痢が飛び散る
>下痢を溜めておいたバケツに 真珠のような蛆が湧いた
の部分が好きでした。
特に蛆の方は、真珠と蛆の相反するイメージ同士が調和して、なんかいいなと思いました。

また、
>街中で下剤を飲むという 冒険
から始まる四行の対句的な表現の繰り返しが、イメージの広がりを生んでいるようにも感じました。

改行も作品イメージに合っているように思います。
、やスペースで区切らずに、改行していくのが、淡々とした乾いた感じを出しているかなと。

ただ、好みとしては、卑猥さ、醜さから始まって、
だんだんに美への広がりが出てきたほうが好きではあります。
いきなり、下痢に宇宙を見られても、すっと入っていけないんですよね。
どちらかというと、そういった表現は苦手なほうではあるので。
徐々に引き込んでいってほしいなと思いました。

ありがとうございました。
No.2  SHIRIAI  評価:10点  ■2013-07-14 23:20  ID:HGGGNe196sc
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昼野さん、こんばんは。

全体的に巧みに避けてはいるものの、
読者に
>グラス一杯の下痢を飲
ませてはいけません。
もっと悪いのは、
>ブリブリという排泄音を聞き
これが決定的致命傷になっています。
例えるなら、映画のラブシーンで、性器をドアップで映しているようなものです。
とはいえ、以前、あるところで私に猛攻撃を仕掛けさせたような、排泄行為を描写した詩とは雲泥の差であるとは思います。一生に一度「試験的に」こんな詩を書くのも勉強の一つでしょうが、いい気持ちはしません。今回限りであることを希望して点数を入れさせて頂きます。
ありがとうございました。
No.1  坂倉圭一  評価:50点  ■2013-07-14 22:24  ID:31Q5QOLXqEI
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これは読ませる力がありますね。
こんな詩はじめてです。
圧倒されてしまいました。

凄いです。
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