写し傷 |
カチカチとツマミをあげると ギラリと鈍い光を放つものが見えた 原価がいくらとしないこんなチンケな物でも 素晴らしい芸術品の様に見える 次第に妙な気分になり 気持ちの昂りが最高潮になった時に 私はそれを反対側の手首に押し当て 思い切り引いた 軌跡は白い線となり その後を追うようにして 真紅の濁流は流れていく 溶岩の様に熱く粘り気のあるものが皮膚の表面を伝い 零れて小さな水溜まりになる その下では表面の熱さなど他人事かと言うように血肉は冷え切り永久凍土のように凍てついていた 私は私を傷つけない これは憎くて仕方ない 私を傷つけた彼らへ送った無言の抵抗 これは儚く消えそうな 私を保つ為の証明 |
中亜多
2013年04月28日(日) 14時10分50秒 公開 ■この作品の著作権は中亜多さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 SHIRIAI 評価:30点 ■2013-06-15 05:07 ID:m.6gUmQkDJ2 | |||||
はじめまして。 鈍い光は、ギラリ? と光りを放つものが見えた カッターナイフを見ているのに、 他に光を放つものが見えるとは? >妙な気分になり >思い切り引いた この表現ではもったいない。普通。説明。 >濁流は流れていく は、>>濁流が溢れだす みたいなのがいいと思う。いきなり遠ざかるではなく。目の前に濁りが湧き出て「来る」そして、そのあとに、したたる描写(表面を伝い)があるから。 言ってること(内容)は子供っぽいけど、それもありだと思う。尾崎豊がそうであったように。 懸命に比喩を使おうとしているところがいいと思います。 ただ、リストカットじゃなくて、もっと美しいもの(詩)も見たい。これだけの比喩を使えたら、面白いものが書けると思います。待ってます! |
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総レス数 1 合計 30点 |
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