孤独に近い団欒
こんなにも多くの人に囲まれているのに
感じているのだ
薄い膜を一枚かけて
隔てたような感覚

あがくのだけれど
やはりどうにもならなくて
膜は厚みを増すばかり

やがてかつて膜であった隔たりは
絶望的な暗闇へと変化する
コミュニケーションをしながら
その厚みは無限へと変わり
どんどん孤独に近づいていく

価値とか
意味とか

そういうものをきっかけに
その膜は破れて
僕はなにかとつながれるという

手のひらに乗る孤独
浸るほど美しく見えるか
握りつぶせるというのに
まだ猶予を与えて
ほら溺れているのだ
かすかな優越
その中毒的な感覚に



しかしみろ
見る間に指先からこぼれて
足元でたゆたう
両足は完全にもって行かれた
では
心のほうはどうだ?
浸食されてなお
あがけるほど強かったか?
そうだやはり
あがくことはもはやかなわず
心臓にまとわりつき
徐々に動きを止めていくのだ

特別であろうとして
ひとりぼっちになった

心拍だけが緩やかに響く
そんな世界で

まとわりつく感情を
ボロボロにするのだ

そんなこと繰りかえして

今思う




あぁ

さみしいなぁ  
   
史裕
2013年01月20日(日) 00時07分52秒 公開
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作者からのメッセージはありません。

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No.3  史裕  評価:0点  ■2013-02-05 23:35  ID:dJ/dE12Tc8A
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>うんこ太郎さん
いつもお返事おそくなりましてすみません。
ご感想ありがとうございます。いつも読んでいただけてうれしいです。
またお時間ありましたら読んでいただけたらと思います。
ありがとうございました。

>詩葵さん
お返事遅れましてもうしわけりません。
ご感想ありがとうございます。励みになります。
ありがとうございました。
No.2  詩葵  評価:30点  ■2013-01-22 22:52  ID:L6TukelU0BA
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私は逆に一番最後の一連にやられてしまいました。
こういう余韻のある詩、だいすきです。
ただ前の繋ぎを考えるともっと適切な言葉もあったのかなと。
書き出しも最近の自分の気持ちを代弁してくれているようでした。
共感させていただきました。ありがとうございました。
 
No.1  うんこ太郎  評価:40点  ■2013-01-21 22:08  ID:4MvGQJq3VCA
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史裕さんの詩、好きです。最後の あぁ さみしいなぁ は実はちょっと好きでないのですけど、そこまでに持っていく緊迫感とかさすがだなって思いました。

手のひらに乗る孤独
浸るほど美しく見えるか
握りつぶせるというのに
まだ猶予を与えて
ほら溺れているのだ
かすかな優越
その中毒的な感覚に

ここ、いいですね。さらにそこから反転して しかしみろ、というつなぎ方は心の働きが文章にあらわれているかのようで、しなやかでたくましくて良いと思いました。
総レス数 3  合計 70

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