思い出 |
わたしはここがくらいということを いつも忘れてしまいます でも、わたしが忘れてしまうことを覚えているひとがいて ここはかってに明るくなるので 忘れてしまってもかまわないんだと おもいます わたしは机のまえにいて かつてクーピーだったころをおもいだしました わたしがクーピーだったころ ひものついたせんたくバサミで 汚れたうわばきだったころ わたしはもうクーピーじゃないので、 クーピーがおれても泣きません クーピーだったわたしはいま、 マスカラになっています しろいファンデーションになって キラキラしたアイシャドーです やわらかいコットンで つるつるしたワンピースです ラジオからめくれたオレンジがながれて ガムのつつみがみだったころをおもいだしました そのころ、わたしは紺色のソックスで、一冊の世界地図でした 公式のかかれたノートで、銀色のかみどめでした わたしはもうガムのつつみがみじゃありません ガムのつつみがみは、もうありません ガムのつつみがみだったころを覚えているのは わたしだけです わたしはもういちど ガムのつつみがみになりたいとおもいました |
春矢トタン
2012年11月17日(土) 00時53分09秒 公開 ■この作品の著作権は春矢トタンさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.9 春矢トタン 評価:0点 ■2012-12-01 23:13 ID:p72w4NYLy3k | |||||
>はじめまして、さん こんにちは! ご感想ありがとうございます! 気に入っていただけて嬉しいです、ぜひ何度も読んでください^^ |
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No.8 はじめまして、 評価:50点 ■2012-12-01 19:57 ID:X0O2MMmHtIo | |||||
いい、 とてもいいです。 すごく好き、 何度も読もう |
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No.7 春矢トタン 評価:0点 ■2012-11-27 19:01 ID:p72w4NYLy3k | |||||
>ゆうすけさん もったいないくらいの言葉をいただけて、恥ずかしいやら嬉しいやらです*^^* 共感してもらいたいけれど、個人の秘密も表現したいなあ、と思って言葉を選びました。 ゆうすけさんが、大切にしていたものを思い出す時間のきっかけになれたなら嬉しいです! こちらこそ、ご感想ありがとうございました! |
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No.6 ゆうすけ 評価:40点 ■2012-11-22 18:47 ID:1SHiiT1PETY | |||||
少女だったころを思い出す妙齢の女性が、目の前に現れたような読後感です。詩がもたらすイメージ、言葉の芸術、素敵です。 前ばっかり見ている今、こういう詩を読むと立ち止まってちょっと振り返ってみたくなります。置き去りにしてきた、大事にしていた物たち、そこにいれこんでいた想い。 川原で拾った滑らかな石だった私、超合金だった私、巨大ロボだった私、そして今アニソンを聴きながら鉄工所にいる私。 ほっとする時間をありがとう。 |
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No.5 春矢トタン 評価:0点 ■2012-11-22 05:41 ID:p72w4NYLy3k | |||||
>うんたさん 無意識と自我、ですか。書いたときはそんなことは考えていなかったのですが、 うんたさんの感想を読んでからもういちど自分の詩を読み直したら、違った詩のように思えてきて、新しい発見ができました。 詩は小説以上に読み手の解釈や連想するものの自由度が高いと思いますし、それが楽しいんだと思います! ご感想ありがとうございました^^ >いけだうちさん ふっと思い出したのがクーピーだったのです。 いけだうちさんの思い出を引き出すきっかけになれて嬉しいです^^ 今いる場所は幸せだなあと思います。同時に、昔いた場所も幸せだなあと思うと、戻りたくなってしまいます。 ご感想ありがとうございました^^ >陽炎さん 思うがままに書きました。そう思っていただけて嬉しいです! 感じたことはシンプルでも、どんな言葉を選ぶか、どんな表現で伝えるか、 可能性がどんどん広がって、創作するのは楽しいです。 ご感想ありがとうございました^^ >びいどろさん 第一連をかくきっかけになったことで、この間「わすれないでください」と注意を受けてしまいました、笑 たくさん連想してくださってありがとうございます! みんないろいろなものだったことがあるんですよね。 >>みんなにそれぞれのものがあるのは、例え本人が恥ずかしく思っても、愛しいですよね。 ほんとうにそうだと思います。この言葉を感想に書いていただいて嬉しいです。 ご感想ありがとうございました^^ |
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No.4 びいどろ 評価:40点 ■2012-11-21 23:06 ID:VksrAnVZouE | |||||
忘れてしまってもいいんだなんて言うなよー、と思ってしまった。 この詩を読んで、自分がなんだったかを考えました。 子供たちが、旦那が、両親が、何だったんだろうと。それは何だか心が浮き立つ感じでした。みんなにそれぞれのものがあるのは、例え本人が恥ずかしく思っても、愛しいですよね。 楽しかったです! |
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No.3 陽炎 評価:40点 ■2012-11-21 05:06 ID:33E/nA6Ip9Y | |||||
すごく発想が自由でのびのびしていて こういう作品を読むと 詩って本当にいろんな表現方法があって どんなふうにも広がっていけるんだなあと あらためてそう感じました どこかノスタルジックなところも 「思い出」というタイトルにしっくりしていいですね |
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No.2 いけだうち 評価:40点 ■2012-11-18 12:30 ID:oE2tK3DWyuo | |||||
成長したわたしが、クーピー(クーピー!! みんな使ってたはずなのに、まったく思い出す機会のないもの、だとおもって、びっくりしました。少なくともぼくは、何十年ぶりにクーピーという言葉を掴んだ気がしました。で、クーピーの感触も、不器用に力を込めすぎておってしまったクーピーも、ってことは、当時の、幼児の頃の思い出もフッとよみがえってきた。)を使っていたころを思い出し、学生時代を思い出す。『わたし』が現在いる場所が『くらい』のはなぜだろう?に想像が向かいました。学生時代を懐かしむほどには、いまの生活に満足できていないから、だろうか。ただ『覚えているひと』が『明るく』してくれる場所であるってのは、絶対に幸せなことだろうな、と思いました。 | |||||
No.1 うんた 評価:40点 ■2012-11-17 08:19 ID:FQA5iDwmATc | |||||
おもしろかったです。 この詩を読んでまず考えたことは無意識と夢のことでした。 思い出というタイトルそのままに受け止めるよりも、わたし(自我/意識)が忘れてしまうことをおぼえている人(自己/無意識)があって、この無意識の方へと耳を傾けたような詩、という解釈がしっくりくるような……。 まったく変な解釈をしていればお恥ずかしいです。 こういう、ぐぐっと潜っていこうとするような詩もいいなと思いました。 |
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総レス数 9 合計 250点 |
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