幻影の虹 |
雨は止むことを知らずに 滴を含んで躰をびしょ濡れにした 目立ちたがり屋じゃなくって ただ分からないことばかりで 瞼を開けば 見えなかったはずの色が こんなにも鮮やかになった 雨が小降りになって 空を埋め尽くしていた雨雲が 遠く彼方へ逃げていく 空の隙間から顔を出したきみは なんだか居心地を悪そうにするんだ 目立ちたがり屋じゃないし 派手なわけでもないけど ぼくときみはどこか似ているね そんな気がするんだ きみの目に見えるものはなんだい? 色を失いかけていたぼくと 色を隠したがっていたきみにできた くすぐったいこの感情に名前を付けよう 雲が彼方へ流れていったから きみも彼方へ帰っていくんだね また出会えるときまでさようなら 会いたくなったらまたここにおいでよ そのときは僕もこの場所で待ってるから |
葉津京一
2012年06月06日(水) 04時48分12秒 公開 ■この作品の著作権は葉津京一さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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