一方的な別れ |
ある日、私の部屋にいつも居た人が居ないのに気が付いた。 そこそこ会話も交わしてたし、普通の仲だった。 私は少し考えて気づいた。 また嫌われたのだと。 前にも同じ事があって、その時には結局後悔した。 どうして、私から離れて行くのだろう。 何も悪い事なんてしてないし、離れて行く理由なんて無いと思ってた。 けど、私は気づいた。 正しいのか分からないけど。 きっと、表に出過ぎたんだろう。 元々、私は表に出ない物だった。 だから、表に出ない人達を私の部屋に呼んで、語らい合って、バカやって。 それで私は幸せだった。 けど、ある日 私は表に出た。 日の当たる場所へ出て、新しい物を見つけようと。 でも、私が部屋に呼んだ人達はそれを望まなかった。 暗がりに籠もって自分の世界に居たいと、まあそんな所なんだろう。 私にも理由はよく分からないけど、その人達は私の部屋から居なくなった。 一気に襲ってくる喪失感。 毎日の様に人が一人一人減って、私は表に出て、色んな人と触れあって、今となっては私も「表の人」になった。 ・・・・・・でも、裏には戻れなくなった。 部屋に呼ぼうとしても、その人達は私を拒んだ。 一度表に出た奴は戻ってくるなと言わんばかりに。 気づいた。 私は、過ちを犯していたのだと。 裏の人間が表に出てはいけないと言う暗黙のルールを破っていたのに。 私は何も気づかなかった。 一方的な別れは、私がそう思い込んでただけ。 ただ、ただそれだけだった |
咲夜
2011年12月28日(水) 15時30分08秒 公開 ■この作品の著作権は咲夜さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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