雪の夜を想う |
日を追うごとに空気の冷たさが 塗り重ねたように嵩を増やしてくると 雪の夜を僕は想う 降り積った雪が街を覆う 街頭に照らされた景色は 単純な白と黒だけの世界 家族の寝静まった頃 僕は灯りを消した窓を開け放つ 暖かさを残していた二階の居間に 重く冷たい空気が流れ込む 歩く人はいない 自動車もうごかず まばらに灯る窓にも動く影はない 雪が音を吸い取るから 夜は一層静寂を深める 僕は意識までが白黒写真の世界に取り込まれる 動いているのは星の瞬き 消えてゆく白い息 呼吸の音が大きさを増してゆく 送電線の雪がときおり 重さに耐えかねて落ちる 僕はモノクロームの世界から引き戻される 顔や手足の冷たさに気付いて そっと窓を閉める そして まだ少しだけ温もりを残した寝床に 身体を硬くしてもぐり込む そんな雪の夜を想う |
G3
2011年12月28日(水) 10時50分31秒 公開 ■この作品の著作権はG3さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.4 G3 評価:0点 ■2012-01-02 19:18 ID:9KS9Uj9bdUU | |||||
ゆうすけ様、ありがとうございます。 とりあえず風景を思い浮かべることが出来たようでホッとしています。 殆どはその為に描いたものなので。 それと他には顔や手足の冷たさが共有できればいう事はありません。 その時の私の気持ちというのは有ったかも知れませんが、できればそういうものは排して、その人の記憶や感情を風景に重ねて貰えれば良いのかなぁと思っています。投げ槍かも知れないですね。 気が向いたらまた投稿しますのでその節はよろしくお願いいたします。 |
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No.3 ゆうすけ 評価:30点 ■2012-01-01 22:51 ID:rMyISHUTciE | |||||
綺麗な描写ですね。風景が目に浮かびます。 でもなんとなく物足りないような、気持ち的な何かが欲しかったような。 小説書き的な描写っていう感じがちょっとしました。 私も極稀に詩を書きますが、なんとなく詩を書きたくなるような、そんな気持ちになりました。でも切ない詩になりそうなのでやめとく。 横浜にお住まいですか? いいなあ、中華街とかみなとみらいとか行くの大好きです。 |
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No.2 G3 評価:0点 ■2011-12-31 14:37 ID:9KS9Uj9bdUU | |||||
楠山歳幸様、コメントを頂きありがとうございました。過分な評価まで頂き恐縮です。 こういうタイプの詩はこちらではあまり見ないですね。それだけに楠山様の詩を読ませて頂いた時にも新鮮な空気を感じる事が出来て良かったです。 詩は(詩もですか)あまり書きませんが、次回が有ればまたよろしくお願いいたします。 |
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No.1 楠山歳幸 評価:40点 ■2011-12-29 22:55 ID:3.rK8dssdKA | |||||
読ませていただきました。 風景描写が良かったです。僕も風景の詩が好きです。街という雑踏や広告の賑やかさをモノトーンに塗り替える抒情的な風景、冬に見られる静けさ、いつもの風景が別世界に変わって素敵でした。「温もりを残した寝床」に色を感じて、オチ(というのかどうかわからないのですが)も良かったです。 失礼しました。 |
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総レス数 4 合計 70点 |
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