風穴が開いている


僕らの胸にはときおり風穴が開けられる
お前たちが暇つぶしに風穴を開けるもんだから
あそこにもここにも僕らはたくさん歩いてる
どこかで風穴を通り抜ける音を耳にしたならば僕たちは同志なのさ

 ×

いつだって僕らは同じことを嘆いてる
それはどんなに遠くに放ってもまた戻ってくる
嘆いた言葉は宇宙ゴミみたいに僕らの周りを回ってる
やがてそれに埋もれて押しつぶされることに怯えてる

 ×

僕らはときおり罪のない青空を憎んだりする
その白々しさがなんだかお前たちを見ているようで
行き場のない感情を捨てる場所が思いつかなくて
青空を引っぺがしたい衝動を押さえてる

 ×

お前たちがもしも物理的存在だったならば
きっと僕らはお前たちに酷いことをするだろう
僕らの上にばら撒いてきた理不尽を
そっくりそのままお前たちにお返しするだろう

 ×

僕らの目がどんな景色を見ているかお前たちに想像できるかい?
一度お前たちは僕らの立場になってみる必要があると思うんだ
僕らの胸の風穴から世界をのぞき見てごらんよ
そしたらきっと僕らの言っている意味が分かるはずだから

 
si
2011年07月18日(月) 12時17分13秒 公開
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No.1  陽炎  評価:30点  ■2011-07-23 06:48  ID:te6yfYFg2XA
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「お前ら」とは一体誰のことを指しているのでしょう
自分を苦しめる人間? 世間? 社会?
当てはめてみると、どれでもしっくりきそうな感じです

2連目と3連目がとくにいいな、解るなあと思いました
たしかに自ら放った言葉は、めぐり巡ってやがて自分自身に帰ってくる
だからこそ私たちは、もっともっと言葉に敏感であるべきだし
ちゃんとちゃんと責任を持たなければいけない気がします

そして、私も理由もなく青空が苦手です
この詩に書かれているように
逃れようがない、というか
すべてをさらけ出されたような
すべてを見透かされているような気がして

ラストが、少し物足りないかなという気もしましたが
全体的には好きな内容でした

次回も楽しみにしています
総レス数 1  合計 30

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