微睡む


白昼、夢に立つあなたの匂い

冗談みたいに痩せっぽちで

僕の手、たまにこんな匂いだったり

やっぱり気のせいだったり

なにもせず、なにものぞまず

横たわった、むすんだ手で

近所の川に浮かべてしまおう

いつかの桜の花びらみたく

未練がましく去っていく

ふたり並んで見ているつもりで

ずいぶんと長いこと、眺めていた

美しいものにありついていた

こういう時に陥る感傷

汚すことでしか、応えられない

でもほどほどにね、そこは大事です

擦り切れそうな部屋の底で

今でも待っている

おやすみ

ほどけた手はちゃんとしまっておきました

会えなくなったりしませんように

誰にも見つかりませんように



みずの
2011年07月13日(水) 02時01分18秒 公開
■この作品の著作権はみずのさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。

この作品の感想をお寄せください。
No.2  藤村  評価:40点  ■2011-07-15 00:52  ID:sg12n8JFuiY
PASS 編集 削除
拝読しました。
読んでいるあいだものすごい気持ちにさせられてしまって、すごく好きです。
なんだかちょっとこわいです。ふしぎです。好きです。でもやっぱりちょっとこわいです。
No.1  言葉に惹かれて  評価:0点  ■2011-07-13 23:35  ID:fOLO6e7uTJ2
PASS 編集 削除
 こんばんは。拝読いたしました。


においかぁ。親密な間柄、とくべつな匂いがするやもしれません。
寂しさのなかに、祈りや希望が込められていて、待ち続ける一途な人の存在を感じました。

つたない感想、失礼いたします。
点数化に抵抗が出てきたため、形而上、無評価でお願いします。すみません
総レス数 2  合計 40

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除