穴 |
心もとなく漂っている ふやけてしまったシリアルたちを スプーンで丁寧に、掬ってやった 口に運び、離した時 金属からはふっと唾液の臭いがし なんだか妙に恥ずかしかったが チョコレート風味のミルクを飲み干すと そんなことは忘れてしまった やがて朝がやってくれば 私たちはそれぞれ あるべきところにおさまっていく だけれども きっと今日も忘れられない 最後にあなたに出会った時の だらしもなく漏らした嗚咽の みじめったらしい感傷にも似た らしくもない優しい甘さ 今はもう部屋を出た 今はもう部屋に落ちた |
みずの
2011年05月21日(土) 20時30分01秒 公開 ■この作品の著作権はみずのさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.3 史裕 評価:30点 ■2011-05-27 00:18 ID:gyvdz8m/enE | |||||
悲しみの形容にチョコレートの甘さ・・・そのギャップが逆に心に残る感じです。 うまい方法だと思いました。 |
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No.2 うくれった 評価:30点 ■2011-05-23 15:37 ID:VgX6DYojrqA | |||||
なんとなくすきです | |||||
No.1 闇の吟遊詩人 評価:20点 ■2011-05-21 21:21 ID:Wat3LHNOkRk | |||||
「あるべきところにおさまっていく」という一行が印象的です。声に出して読みましたが「だけれども」の部分で詰まったので「けれども」の方がいいかもしれません。同じく朗読すると「みじめったらしい感傷にも似た」と「らしくもない優しい甘さ」の連結で詰まったので、「らしくもない」は不用かも。まあ、私の「好みの話」にすぎませんが。 | |||||
総レス数 3 合計 80点 |
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