| お怒りちゃん VS オナラ貯金男 |
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ぼくは知っている あなたの目のなかの ずっと奥 濡れた闇の深くには 黒い絹のような 滑らかな湖がひろがる ぼくは昨夜 あなたの湖に勝手に忍び込んだ 白い手漕ぎのボートを浮かべ 優しい闇を全身に浴び 冷たく澄んだ湖水をすくう 湖水はぼくの舌を濡らし 口から喉へとそっと流れた そして湖畔で唐突に叫んだ 「うんこ大好き！」 スカトロの趣味はないけど この湖には汚れがなく あなたの目を見つめているだけで とても居心地が悪いから 突然の大声に 湖から水鳥が逃げ出した 湖面を照らす星のひとつが 憤怒でちいさな爆発をおこすと あなたの湖は火に包まれ 両目の端がうっすらと滲む 獣のように美しく燃える目 そこからするどい爪が生えて ぼくの心を鷲づかみにする 震え上がるぼくの核心は あなたの怒りに怯えながらも 張り裂けそうに焦がれている 怒りはあなたの杏子の唇を とがった嘴に変えた 鼻筋に皺を寄せながら あなたは容赦なく ぼくの胃のまわりから ちくちくと肉をついばむ 今夜ぼくは あなたの目の奥の 燃える湖で眠る お腹から飛び出た腸を 貯金箱の口に繋げて せめてもの償いに オナラ貯金をしながら 苦しみながら眠る 爽やかな今日の風は 夜から朝のあいだ あなたの肺をすうっと通りぬけて 明日になれば 新しい春の一日が あなたの湖を鎮火して 水鳥を呼び戻すかもしれない 春があなたの機嫌をとって 湖畔に笑顔がもどるまで ぼくは苦しみに耐えて オナラ貯金を続けよう 天然ガスに換算して 八百円分くらいなら なんとか我慢できそうな気がする |
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OZ
2011年04月20日(水) 20時23分36秒 公開 ■この作品の著作権はOZさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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| No.5 闇の吟遊詩人 評価：20点 ■2011-05-26 10:29 ID:6X8bzIOa1F6 | |||||
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爆笑しました。としおさんと正反対の意見になりますが「うんこ大好き！」の唐突さもそんなに気になりませんでした。まあ、この件に関しては「好き・嫌いが分かれる」でしょうが。 |
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| No.4 ＯＺ 評価：--点 ■2011-05-05 20:42 ID:4MvGQJq3VCA | |||||
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としお様、 ご感想ありがとうございます。自分では力作！と思ったのですが、どうも いまいちだったようですね。冷や汗がでてきました。 すべる、それはそれで仕方ないですけれど、やっぱりうける詩を書きたい！ そう思います。 しかしまあ、こんな程度だから振られるだろうな……。中原チュウヤは 詩で女性を口説いたなんていいますが、本当ですかね。 現代ではありえない、詩を贈られるということだけで、ネタだろ！ そう思ってしまいます。うう。ああ。いい。ええ。おお！ |
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| No.3 としお 評価：20点 ■2011-04-28 14:24 ID:kWriX7DAQx. | |||||
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ＯＺ様へ 遅ればせながら読ませていただきました。 失礼ながら今回の詩に関しては、やや……と思ってしまいました。 いえ、内容は非常に面白かったのでうが。 前半は繊細な比喩的表現で彼女の美しさを語り、しかし後半おならを我慢し卑屈なまでに彼女の機嫌を直そうとする、男の悲しい心情が非常に笑いを誘うのですが、切り替わりのあの文が、 「うんこ大好き！」 ……正直、唐突過ぎではなかったかと。 例えるならいきなり前振りも無く、窓から石が飛び込んできたかのような……そんな違和感を覚えてしまいました。いえ、もしＯＺ様が、この「置き去り感」を演出したかったのだとしたら、読み手の私の読解力の不足としか言い様が無く……何だか申し訳なく思っています。 ケチつけて申し訳ありません。 それでは。失礼します。 |
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| No.2 OZ 評価：--点 ■2011-04-22 00:23 ID:4MvGQJq3VCA | |||||
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楠山様 いつもご感想をありがとうございます。楠山さんほどのギャグセンスは 持ち合わせていないのですが、笑っていただけるととても嬉しいです。 >瞳の中に主人公がいる、これはお互いが一体となっていると解釈してもよろしいのでしょうか。 解説はひかえます。タイトルが思い浮かび、次に一連と二連が浮かんで、 恥ずかしくなったので方向転換しました。そして読みやすいように筋を つけただけ、というところですので、どのようにでも解釈できると思います。 分不相応なお言葉をいただいて、それこそ居心地が悪いです。 いつか言葉の官能性を十分発揮しつつ、笑えるような明るい詩を書いてみ たいのですが、道のりは遠くて険しいです。 ご感想、ありがとうございました。 |
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| No.1 楠山歳幸 評価：40点 ■2011-04-21 22:15 ID:sTN9Yl0gdCk | |||||
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拝読しました。 えっと。これは笑っていいですよね。僕は文章を解析する能力が無いため、恐縮ですが感じたことを……。 輝くような瞳を持った女性に接し、主人公の照れ隠しあるいは、自身の不浄を恥じるようなインパクトある暴言、空気読めみたいに激怒する彼女、微笑ましく感じました。 瞳の中に主人公がいる、これはお互いが一体となっていると解釈してもよろしいのでしょうか。どっしりとした自然、子宮を思わせる彼女の中の妙に人間くさい彼氏、情緒的で軽やかな表現がすごいです。 拙い感想、失礼しました。 |
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| 総レス数 5 合計 80点 | |||||
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