散り桜 |
淡い色 視界のなかで落ちていく やさしい色のそれは 時を止めるのに十分な儚さを纏い 私の息は止まった いつだか撮った一枚の写真 心の引き出しから抜き取った 背後から過去が通り抜けた音が聞こえる 変わらない場所と変わった私 嬉しいのか 悲しいのか あいまいな色はそれに似ていた 父の愛だとか 母の願いだとか 弟の笑みだとか 様々な形で胸を突きぬけ 青い空に遠く吸い込まれた 軌跡を追うように見上げれば それは一面に浮かんだ斑点のように 散らばり そして落ちた 私は今ここにいる 過去を懐かしむぐらいの 幸せを手に入れて その理由がわかった瞬間 切なさが 過去へと加わり 時の粒は涙となり どうしようもなく 私を 泣かせた 花びらがまた 舞い上がる 時がまた 動きだす 私はそれを見て 目を細め 小さな手 ぎゅっと握り返し なにかに感謝した なにかは わからないけど 感謝したんだ |
流月楓
2011年04月14日(木) 23時19分01秒 公開 ■この作品の著作権は流月楓さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.8 闇の吟遊詩人 評価:40点 ■2011-05-27 08:30 ID:6X8bzIOa1F6 | |||||
語り手の心情に「散る花」が絡んでいい詩だと思います。昔から日本の歌人・詩人は「散る花の儚さ」を歌ってきましたが、「散る花の中で感謝したいんだ」という作品は少ないですね。「切なさが 過去へと加わり 時の粒は涙となり」が素敵な表現。いつか「アレンジ」して私にも使わせてください(笑)。もっとも私は「詩人」じゃないけど。 | |||||
No.7 流月楓 評価:--点 ■2011-04-18 09:59 ID:7i6OEkkggig | |||||
言葉に惹かれてさんへ 読んでいただいてありがとうございます。 桜ってほんと特別ですよね。 咲く少し前も、咲いてる時も、散るときも、どの場面でも身近で美しい。 時の移り変わりを意識するとき、私は何かを強く感じるようです。 桜の季節になると詩を書きたくなるのですが、今回は得体のしれない思いを少しでも吐き出してみました。 満点をありがとうございます。 素直に、嬉しいです。 謝染はかなしさんへ 私は情景を言葉にするのが苦手のようです。 きれいにまとまって、心をうつような表現がなかなか見つかりません。 今回の詩は、私なりに捻り出した結果ですので判って頂けたなら嬉しいです。 ありがとうございました。 片桐秀和さんへ いつもありがとうございます。 桜が散って一面に桜色になった情景と、私の中にあるある場面が重なって生まれた詩です。 幼少のころにいた懐かしい場所に、数十年経て今同じ場所に立っているとすると、おそらくいろんな感情が渦巻いてくる気がするのですが、それを桜を通して感じたことを詩にしてみたんです。 なかなか難しいですね。 役に立たないなんて、とんでもない。 こうして毎回目を通していただける方に、感想を頂けるのはそれがどんなものであっても嬉しいものです。 ありがとうございました。 また、頑張りますね^^ ゆうすけさんへ いつもありがとうございます。 桜を見ると泣きたくなる私です。その感情がなんなのか。なにを懐かしんでいるのか。なにが悲しいのか。 結局はよくわからない感情なんですが、時を経て同じ場所に立ってみて、いろんな選択ができただろうに私はこの人生を選んだ。という後悔やら自信やら、あきらめやらあるのだけど、繋いだ子供の手から伝わるのはこれでよかったんだ。という感情で、決して自分を不幸だと思うものではなかった。 父、母、弟との思い出があり、私ができていて、感謝としか言いようがない。私がこの道を選べたのはもちろん自分の力でもあるけれど、家族の笑いがいろんな場面であったからだと思ったら、散る桜を見て泣きたくなりました。 それを詩に込めてみたのですが、ゆうすけさんの言った通り、時の経過とともにいろんなことが渦巻くのを感じとってくれて嬉しいです。 子供がいると、親の目線やら思いがわかると同時に、子供を通して私もまたもう一度、成長できる気がしてます。 ありがとうございました。 陽炎さんへ いつもありがとうございます。 桜ってほんとすごいと思います。毎年咲いてくれて、必ず何か思い返させてくれますよね。 今回私が見た桜は、正方形の小さな公園です。 四辺が桜に囲まれてて、風が吹いて散るさまは、なんともいいようがないほど幻想的でした。 子供たちが声を上げて遊んでいたりして、未来に降り注ぐ光にも見えました。 ただただ、私の中で時が止まっていました。 心に残る風景でした。 陽炎さんにも心に残る桜の風景があるんですね。 美しいと感じるとき、どうして人は悲しみも同時に感じてしまうんでしょうね。 私は秋も好きですが、やはり春とは少し違うけれど、同じようなことを思ったりします。 こんな私の詩ですが、また読んでやってください。 ありがとうでした。 李都さんへ お久しぶりです〜。 全然、覚えてますよ。 子供は年中さんになりました。一年本当に早かったな。 地震ですが、神奈川もかなり揺れました。5強だったかな。 私は一人で家にいたのですが、もうだめかと思って子供の名前を叫んじゃってました。 もしかしたら二度と会えないかもなんて、考えちゃってかなりの同様でしたよ>< 前半と後半のつながりですが、 桜の儚く散るさまと、時の流れと、自分の成長と、未来とを感じたまま描きたかったんですけど、うん。なかなか難しいもんですね。 桜が散るときって、私は無条件に過去を思い出したり時が止まったりしてしまうんですよね。 それでこのときは、私の入学式の一枚の写真が出てきて、そしたらまたぶわってなって、そこまで一回時が逆戻りしたんですよ。 それで訳も分からず泣きたくなって、散った桜は宙に舞って落ちてきて、涙に見えて。 訳も分からず泣きたくなるってことは、過去を少しでも懐かしんでいることであって、そのぐらいは幸せであったと思って、それが感謝になって。。。 なんだか、自分の中で完結してしまっている気がしてきました。ああ、だめじゃん>< 李都さんの言うとおり、つながりが私にしかわからないかも。。。 人に伝えることって、難しいですね。 難しいけど、やめたくないです。 李都さんは、両親の思いを少しでも感じられていてすごいなって思います。 私はほんと李都さんぐらいの時は、なにもかも当たり前のように感じていましたから。 誕生日。今かなり怖いですよ。 自分の年が何歳か、もう本気で時々わからなくなります。 子供に聞かれて、ママは6歳だよ。って答えたら本気にされて困ってしまった。 冗談がまだ通じない年頃です。 李都さんが読み取ってくれたのは、時間の流れと感謝の気持ち。 それだけでもう十分です。 いや、私の力量不足です。 ほっこりしてもらって、よかった。 こちらこそ、ありがとう。 李都さんの詩も、楽しみに待っていますね。 |
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No.6 李都 評価:30点 ■2011-04-17 21:34 ID:ytb38TcZqjw | |||||
お久です 覚えていらっしゃいますか? お子さんも大きくなられたでしょうねぇ あ 地震は大丈夫でしたか? とと世間話すると長いのでこの辺で感想をば なんとなく前半の桜の表現と感謝する気持ちの表現がある後半のつながりが弱く感じました そのつながりに強力な何かがあれば一気に引き込めたかなぁと 生意気ですね すみません; でも伝えようとしたことというか この詩の締めが好きです 子供のときや大人になる最中とか全然後ろを振り返っても気付けなかったことに ある程度 年をとってからそれに気付く気がします 私は毎日生かされてるなぁとか この金額は親が何時間働いて出てきたものなんだなぁとか まだ物質でしか感じられないけど 私もいつか時の流れを見ただけで思いをはせるようになるのかなぁと感じさせられました そう思ったら誕生日も怖くないのかもしれませんね なんとなくわふわふしちゃう 私は以上のように読みました 流月さんの意図と違ってたらごめんなさい やっぱり流月さんの詩はなんとなくほっこりします ありがとです ではまた |
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No.5 陽炎 評価:30点 ■2011-04-17 19:55 ID:te6yfYFg2XA | |||||
今年もまたいつものように桜が咲き そしてあっという間に風に散っていきましたね 全然関係ない話なんですけど いつだったか、桜満開の時期にめずらしく雪が降って 桜と雪、すごくミスマッチなんだけれども でも、なんだかものすごく 悲しくなるくらいその光景が美しくて 冬が終わり、春が来て、夏が来て また冬になって そうやって季節は過ぎてゆきますよね 私たちの意志とはまったく関係なく 過ぎ行く季節に、何かとても大切なものを 置き忘れてきたような気がするけど それがなんなのか いまはもう、思いだすこともできなくて ただ、散り行く桜を眺めながら 過去を思い、懐かしみ いまを思い、いまがあることに 理由もなく感謝したくなる 春はそんな季節なのでしょうね 背景のピンク色が 桜吹雪のようで この詩の雰囲気にあっていると思いました また読ませてください 貴方の詩 |
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No.4 ゆうすけ 評価:40点 ■2011-04-17 14:09 ID:KDK/MQZX1DE | |||||
ふと立ち止まって時の経過を知り、今自分がいる位置を知る。桜は時を告げる鐘のようでもありますね。 美しく舞い散る桜の花びらを見ると、ふと時が止まるような気がします。その刹那に、今まで生きてきた半生を思い返してしまう。その心が伝わってきました。 毎年桜を見るたびに、ああ、また一年たったんだなと、切ない気持ちもありますよね。この一年、何をしてきたんだろうか? などとも思います。 時の経過とともに失ったもの、得たもの、少しづづ分かってきた家族の想い、やっと理解できつつある両親の心、美しいものを見て感動する心の中に湧きおこる気持ち、そして最後に感謝、いいですね。 |
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No.3 片桐秀和 評価:30点 ■2011-04-17 12:10 ID:n6zPrmhGsPg | |||||
読ませていただきました。簡単な感想になります。 今回のは、いつもよりは入っていけなかったという印象です。なぜかって指摘ができないから、これまで感想書いてなかったんですが(もちろん、投稿されてすぐに読みました)、うーん、なんでだろう。 何が悪いからということじゃなく、僕の気分や受け取る力の問題かもしれません。それでも最後のあたりは、好きでした。 役に立たないことしか書けなくてすいません。でも、流月さんを詩が読めることが僕にとって嬉しいことなので、また読ませて欲しいです。。 |
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No.2 謝染はかなし 評価:30点 ■2011-04-17 04:41 ID:D5FXfV4BiuM | |||||
うまいね。 感覚を言葉にしてる感じがはっきり判る。 |
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No.1 言葉に惹かれて 評価:50点 ■2011-04-15 00:34 ID:9AnPLbZ9GzE | |||||
こんにちは。拝読いたしました。 流月さんの、桜に込めた特別な思い、わたしなりに受け取りました。 桜ってすぐ散ってしまいますよね。特に、雨が降ったりなんかすると。 でも、そんな儚さに、逆に惹かれてゆく。花が散れば惜しく、愛おしくなります。でも、葉桜なんていうのもまた風情があって、花が散った後も見る人をひきつけて止まない。 古語では、花といえば桜を指します。春の風物詩。 明るく陽気な季節を感じさせてくれる桜。わたしも、大好きなのです。 あたたかい詩をありがとうございますm(__)m |
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