| オロオロしながら泣きながら描く祈りの詩 |
|
寒さに震えているあなたに あたたかい毛布をかけてあげることもできません 空腹を満たしてあげることも 乾いた喉を潤してあげることもできません 泣きたいのをグッと我慢して みんな大変なときだからとこらえているあなたに なんと言葉をかけたらいいのかさえもわからないでいます こんな詩なんか考えている暇があるなら あたたかいご飯のひとつでも届けてやったほうが よほどありがたがられるにちがいないし こんなときそばに行って ただ話を聞いてうなずいてあげることのほうが どれほど価値があるかしれません 第一 テレビの前でボロボロ泣きながら ただオロオロするばかりの私は こんなときでさえもやっぱりどうしようもなくダメな奴で それでも何かをしなければ こうしている場合ではない衝動にかられどすれ 何をすればいいのか皆目検討もつかず 普段は行列なんかに並びもしないのに 水を求めてスーパーの行列に並んじゃったり 棚から品物が消えていく不思議な現象に 呆然と立ち尽くすばかりで ひとりじゃないです 私たちがついています きっと乗り切っていけます 祈っています ずっと応援してます そんな言葉がいま 本当に必要なのか 私にはよくわかりません 言葉なんかじゃ誰も何も救えない 詩人なんて所詮は無力な生き物です わかってる わかってるそんなこと それでもやっぱり 祈らずはいられないよ あなたが今夜 ほんの少しでも眠ることができますようにと あたたかいご飯で 少しでもおなかが満たされますようにと あなたが探しているあの人があの思い出が 一刻もはやく見つかりますようにと 気丈に振舞うあなたのやさしさが いつか必ず救われますようにと もう我慢なんかしないで 思いっきり声を放って泣けますようにと 涙のあとには笑いがあるはずさって 誰かが歌っていたけれども それはたぶん いや絶対にそういうものだと 私も信じているから 無責任なことばかり云って 本当にごめんなさい あの瓦礫の山が片付く頃にはきっと 流した涙も乾いていることでしょう 先のことは それから考えたって まったくもって遅くはないのだからと あなたが私を目覚めさせてくれたから いまはただ そのことだけ そのことだけを 声を大にして云わせてください |
|
陽炎
2011年04月05日(火) 22時42分59秒 公開 ■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
|
| この作品の感想をお寄せください。 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| No.9 闇の吟遊詩人 評価：40点 ■2011-05-27 15:38 ID:h9/hf8U/ytc | |||||
| こうやって詩を書くのだって「救済」になります。陽炎さんの「言葉なんかじゃ誰も何も救えない」というのは確かに「厳しい現実」です。が、「何もしないよりマシ」と言っておきます。この詩が被災した方々に読んでもらえる「奇蹟」を信じてください。そう祈ります。 | |||||
| No.8 陽炎 評価：--点 ■2011-04-17 15:56 ID:te6yfYFg2XA | |||||
|
☆流月楓さんへ☆ お久しぶりです、楓さん 先月の地震以来ずっと 何か得体の知れないものに突き動かされるように 何かしろ何かしろ お前はそれでいいのかそれでいいのかと こんな詩なんか書いたって 被災した人が救われるわけじゃないのに しかも私ときたら こんなときでも結局何もできなくてすみませんと そう書くことしかできないのだから まったくもってやれやれという感じです ですが、こうして受け取ってくださる方がいるというのは やっぱりうれしいですね ありがとうございました ☆ＯＺさんへ☆ 読んでくださいましてありがとうございます まさかＯＺさんから批評をいただけるとは 冷血な人間とおっしゃっていますが 私はＯＺさんの作品は好きでよく読ませてもらってますが そんなふうには思いませんでしたよ 読む人を楽しませたい、笑わせたい、とか そういうことを思って書いてる方なんじゃないかなと ひそかに思っていたくらいですから 新しい表現ってなんでしょうね むずかしいです 私が考え付くことなんて どうせもうどっかの誰かがとっくに思いついてるよ とか思いますし 話は変わって、昔は詩板も投稿者がもっといたんですけど めっきり減ってしまいました 辛口コメント、大歓迎です 批評してもらえるのはとてもありがたいし 勉強になりますからね また書いていただければ幸いです ありがとうございました |
|||||
| No.7 OZ 評価：30点 ■2011-04-17 02:02 ID:4MvGQJq3VCA | |||||
|
読ませていただきました。まっすぐで悲痛ですが、それゆえに綺麗 な詩だと思いました。想いがとくとくと伝わるようで、悲しいです。 うろ覚えですが、谷川俊太郎の詩のなかに戦場で死んでいく兵士が いる不幸な現実があるなかで、自らが幸せを感じることに疑念を持 ちつつも、それは間違ったことではないとして、消極的ながらも 「生」の喜びを肯定していこう、というような静かな力のこもった 詩があったことを思い出しました。（あくまで私の解釈に基づくものです） ただ、私は詩における「魂の声」とか、「嘘のない言葉」というも のが具体的にどういう言葉を指すのか理解できない冷血なタイプで、 基本的に詩は技術と様式だと考えています。成功しているかどうかは 別としても、何らかの新しい表現様式や新しい試みを詩に求めてしま います。 そういう意味では本作は誠実さを言葉にするという技術は優れていると 思いましたが、物足りなさも感じてしまいました。ただしこの意見は個人 の好みの問題なので、全く意味のないコメントだとも思います。そして 自分だって新しいものなど書けないのですが、他人には厳しいのです。 お恥ずかしい。 ところでこのサイトで詩を投稿しているのはおよそ十人くらい？ でしょうか。田舎の小さな小学校の一クラスくらいかなと思います。 新参者なので恐れ多いですが、そういうクラスの一員として陽炎様の 詩を刺激とさせていただいていますし、また辛口で意見を書いてもみま した。 拙くて、まわりくどい感想ですみません。次作も楽しみにしています。 |
|||||
| No.6 流月楓 評価：50点 ■2011-04-14 23:09 ID:7i6OEkkggig | |||||
|
お久しぶりです。 １１日の地震、関東もかなり揺れましたね。 他人事じゃないという思いがいっそう気持ちを一つにしているように思えます。 毎日つらいニュースが続きます。私も何かできないかとTVの前で泣くばかり。 情けないことに、自分の大切なものを守るのに必死で何かできる状態ではありませんでした。 日本中が今、心を痛めています。 この詩は、陽炎さんの思いが、本当に純粋な思いが込められたもの。 それは読めば誰でもわかると思います。 言葉がだれも救えないとは、私は思いません。 誰かが誰かを思い綴ったものには不思議な力があります。 「あなたも同じ気持ちでいたのね」というただそれだけでも救われている人はいるのだと思います。 陽炎さんの詩はきっと誰かの救いになります。 陽炎さんの一言で幸せになれる誰かがいます。 人と人が繋がる唯一の方法が、言葉です。 古の言葉が、今も残って人々の心をうつように。 陽炎さんの言葉は、魂の言葉。 正直な気持ちをいつも綴っておられます。 この詩に共感することで、オロオロしてしまうのは私一人じゃないと感じられました。ちゃんと力のある詩だと思います。 読めてよかった。とても心優しい詩でした。 ありがとうございました。 |
|||||
| No.5 陽炎 評価：--点 ■2011-04-08 21:22 ID:te6yfYFg2XA | |||||
|
☆ザイチさんへ☆ いつもありがとうございます それぞれの祈り方 それぞれの支援の仕方がある たしかにそうかもしれないですね いま、日本中の人たちの目は 被災地へ向いています 誰もが思っていることは たぶん同じでしょう それは、被災された方々が 絶望から立ち上がり もう一度希望を手にすること 何よりもそのことを 一心に祈っているのではないかと思います ランボーが言葉に絶望したのは それはたぶん 物書きとして必然的なことだと思います 誰かを救いたいと思えば思うほど 言葉だけでは誰も何も救えないということにぶちあたります 人が救われるときっていうのは 言葉そのものではなく その言葉を 一番云ってほしい人に云ってもらえたときだけです どうでもいい あるいはあまり好きでもない人から同じ言葉を云われるのとでは その受け取り方が大きく変わってくるものなのです 一番云ってもらいたい相手の 自分に対する真摯な思いを感じ取ることができてはじめて 本当に「救われた」と感じるのです だから、言葉で人を救おうなんて 驕りにもほどがある、と私は思ってしまう 私がそれでも書くことをやめないのは 言葉は無力だと思うけれども ランボーのように絶望はしていないからです 私はずっと、自分自身のことを書き続けてきました それは単純に云ってしまえば せめて自分くらいは救ってあげたいからに他なりません だからザイチさん 私が「言葉は無力だ」と云ったからといって そんなはずがないわなどと 決して憤慨などされませぬように （そんなこと思ってもないか 汗汗汗汗） 私は決して希望は捨てていません この世界のどこかに 共鳴してくれる人がいるかもしれない そう思うから 書くことを止めないのだと思います 私のこの、マスターベーションみたいな思いを 真摯に受け止めてくださる ザイチさん他、いつも感想をくださる方々には 本当に感謝しています いつになく熱くなってしまいました あんまり熱く語りすぎて 途中で飽きられてやしないかヒヤヒヤしています（苦笑） 今回の詩を書くために、背中を押してくれたのが ザイチさんの詩でした 本当にありがとうございます 心より感謝しています |
|||||
| No.4 ザイチ 評価：0点 ■2011-04-08 01:30 ID:HbNffgcaP1U | |||||
|
（評価をつけるのが苦手なので、感想だけ書かせてください） 心が手のひらに乗って感じられる作品で、受け取るものが大きかったです。 地震、津波、原発と、日々の被害が増大していく、住む家も土地も仕事も 失った方々の悲しみ苦しみを想うと、ほんとに陽炎さんの詩のように、 ただ祈ることしかできないのがもどかしくなってしまいます。 でも、有名でも無名でも、多くの人が物資を送ったり、全財産募金したり、 ボランティアに向かったり、絵描きさんは笑顔や希望のイラストを書いたり・・それぞれの祈り方があるんじゃないかと、悩んだ末に思いました。 かつて、「言葉で世界を救える」と言っていた詩人ランボーが、 「言葉は無力だ」と言って、筆を断った。 私はランボーが大好きなのですが、そこだけは信じたくないんです。 世界は救えなくとも、人ひとりの命重んじて抱きしめたい。 悲しみの果てに何があるか、私にもわかりませんが、自分の祈りの届け方を、 自分なりに考えて行きたいと思っています。 |
|||||
| No.3 陽炎 評価：--点 ■2011-04-07 22:29 ID:te6yfYFg2XA | |||||
|
☆言葉に惹かれてさんへ☆ いつも読んでくださいましてありがとうございます いまの思いを、なるだけ嘘のないように 正直に書いたつもりでした 地震がある前からお前はずっとダメだったじゃないか いまさら格好つけてどうなるよ とってつけたようなことなんて私には云えないし どんなに思ったってできないことはあるのだから そのことで思い悩むのも 被災した人にとっては迷惑な話だろうなと それよりも 私は私なりに思っていることを 表現していくしかないのだということに この１ヶ月ほどの自問自答の末に 思い至った次第なのです なので、伝わっていただけたのでしたら とてもうれしいです ありがとうございました 心より感謝します ☆李都さんへ☆ お久しぶりです おかげさまで、ネットできる環境にいます １１日の地震の日は こちらもかなり揺れましたが 棚に飾ってあるペコちゃんが床に落ちたくらいで とくに被害という被害はありませんでした 李都さんもご無事でよかったです またここでお会いすることができて 本当によかったです 李都さんの感想はいつも 私をグラグラにします 何故ってそれは 私が詩の中に込めた思い以上の思いを しっかり拾いあげてくれるからです ホントにいつもありがてぇです（←この言い方、誰かみたいだね） 私も李都さんと同じで あの日以来ずっと言葉を失っていました テレビのニュースを観ながらボロボロ泣いてる私は 他人の悲しみを根こそぎ奪って ただ自分が辛くて泣いてるだけじゃないか そんなのただの偽善じゃんかよ、と それでも、書かずにいられない 何か突き動かされるような思いはずっとあって 地震から１ヶ月ほど経ってやっと どうにかこうにかここまでひねりあげた という次第なのです 私は私で 私なりの方法で表現していく他にないなあと だってできないことはできないんだし とってつけたような言葉なんか絶対吐きたくないし それはとても失礼なことのように 私には（私だけではないでしょうが）思えるから でも、この返信もちょっと格好つけてますかね なんかちょっと心配になってきた^^; とにかく、またお会いできてうれしかったです ありがとうございました 心より感謝します ☆ゆうすけさんへ☆ いつも読んでくださいましてありがとうございます もらい泣きまでしてくださって ありがたいやら、申し訳ないやらでいっぱいです 格好つけたって所詮私は私でしかないのだから とってつけたような「応援詩」なんかよりも 涙でぐちょぐちょになりながら うぇうぇ嗚咽を吐きながら発せられる言葉でしか やっぱり私は表現することができないから ありがたくも私たちは 帰るべき場所があり 向かうべき職場がある 当たり前すぎて忘れていたけれども それは生活していく上で なくてはならないものなわけで だから、少しぐらいのヘマぐらいで ぐらついている場合ではないのですよね いつ何時、何が起こるかわからない あれ以上の地震が起こらないとは絶対に云えないのだから とにかく今を 生きることを一生懸命に生きなければ 生きて、生きてゆきましょう精一杯 ありがとうございました 心より感謝します |
|||||
| No.2 ゆうすけ 評価：50点 ■2011-04-06 09:59 ID:1SHiiT1PETY | |||||
|
いつものように、目の前に陽炎さんがいて泣きながら語りかけてくるようです。その姿、体温、息遣いまで感じられます。思っていることを素直に書く、取り繕う事もなく、カッコつける事もなく、たださらけ出す、そこから心が伝わってきます。もらい泣きしました。 被災地にいない多くの人の気持ち、その代弁でもあると思います。 普通に暮らしていていいのだろうか？ 温かい部屋でのほほんとしていていいのだろうか？ 苦しんでいる人を見れば胸が痛みます。 私自身、仕事が手に付かない日が続きました。 しかし、立ち直って復興せねばなりません。今後、未曾有の不況となるは必定です。各自が、自分の持ち場で踏みとどまって頑張るしかないのだと思います。まず自分が前向きな気持ちを保ち、周囲に前向きな気持ちを広めていく。これも復興に向けた一歩であると思います。 想いを詩に込める。誰かが読んで、少しでも心に響けばそれでいいと思います。詩には、心をふるわせる力がありますよ。これからも臆することなく詩を書いていってくださいね。 |
|||||
| No.1 李都 評価：20点 ■2011-04-06 00:20 ID:IJM0rwSo39Y | |||||
|
どもども李都です お久ですね 陽炎さんは地震大丈夫でしたか？ 多分私と同じ感じで被災地とちょっと離れていたような印象を受けていますが 勝手な推測なので聞いちゃいました 私は北海道にいたので揺れは感じましたが平気でした えっとそろそろ感想をば 素直で共感する詩だと思いました ご自身でおっしゃっているように「いま思っていること」なんだなっていうのが伝わります こういった震災に抱く気持ちっていうのが 何が正義というか 正しいというのとおかしいけど どう思っていたらいいのかなって思いますよね かわいそうって泣くのか こんなのおかしいって何かに怒るのか 何かしたいって奮起するのか 元気づけたいと思うのか 全部正義のような気がして でも被災した人にできる一番良いのは何なのか 嘘無くどんな言葉を送ったらいいのか 少なくとも私には未だ分からずにいます 私は自分に対してとても卑屈だから 可哀想と思う自分も 何か出来ることはないかと思う自分も 全部偽善じゃないかと疑ってしまうから分からないのかもしれません うう 結局自分の話じゃん… 申し訳ないです 卑屈な私と違って陽炎さんはこの詩で ちゃんと自分ができないことを理解して 自分ができることを伝えているなぁっと思いました 「大丈夫よ」と優しく撫でて 希望を祈る姿が見えるなと 大変で先が見えなくて不安だからこそ「大丈夫だよ」と安心させるような言葉のほうが 私がもし被災者であったら嬉しいかな 私も被災者の皆様が安心して眠れるよう一秒でも速く復興するよう祈っています 今は祈ることと考えることくらいしか私にはできないけど 今ここで感じたことや考えたことは未来永劫無駄にはならないと思うので 微力だけど無力ではないなと（自分にとっての慰めかもしれないですけど）そう思います なんだか長々と話してしまってすみません つい熱くなっちゃいました（なのにあまり中身がないという話下手） 最後にちょこっと泣いちゃうのは仕方ないですよ だってそれだけ想っているってことですし 良いと思います でも陽炎さんはオロオロしないで 堂々と胸張っていいと思いますよ 以上まとめ下手な李都でした ではまたー |
|||||
| 総レス数 9 合計 190点 | |||||
| E-Mail(任意) | |
| メッセージ | |
| 評価（必須） | 削除用パス Cookie |