| 救われない命とその後遺症について |
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ごはん食べるのがちょっと遅かっただけで 服を着替えるのにちょっと手間取っただけで 殴られて蹴られて 挙句の果てに殺されてしまったその子の名前を 誰が呼んでくれるというのだろう 助けてって声もあげられなかった その子の声を 一体誰が聞いてくれるというのだろう おかあさんおかあさんおとうさんおとうさん ぼくをうみたくなかったの ぼくはうまれてきちゃいけなかったの どうしてそんなかなしいかおするの ぼくがいけないのぼくがわるかったの ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい めいわくかけないようにするから ちゃんとひとりでできるようになるから おねがいだからそんなめでにらまないで おねがいだからそれいじょうぶたないで おかあさんそんなこわいかおしないで おとうさんしょうゆのびんをなげつけないで ぼくをきらわないでぼくをすきになって いいこにするから いいこになるから ごめんなさいごめんなさいごめんなさい うまれてごめんなさい めいわくかけてごめんなさい どうかこれいじょう ぼくをなぐりつけないで 誰だって最初から子供を死なせるために産むわけじゃない 憎むために子供を育てるわけでもない 一体なにがいけなかったんだろう 一体どこで狂ってしまったのだろう ねえ教えてよ 一体どうやって愛してやればいいのですか 愛し方なんて知らない 愛され方なんてわからない 私だって俺だってこうやって育てられてきたんだ これは暴力じゃない 暴力なんかじゃない 躾だ躾のためなんだ 間違ってない間違ってない 間違ってるわけない絶対にない絶対に 救われない命は繰り返す 救われない命は繰り返す 誰がその子の声を聞いてくれるというのだろうか 私はその子の声を聞き逃さないといえるのだろうか 自分の悲しみでいっぱいいっぱいで 他人のことにまで関りたくはないと 両耳をふさいで知らん振りばかり 聞こえない聞こえない 何も届かない何も響かない 自分の安全が第一で 自分の幸福が第一で 私だって同じ思いをしていたのに 助けてって声もあげられなかった 誰も助けてくれなかった 諦めるしか 我慢するしか 生きる術がなかった ニュースを聞くたび いつも思ってた みんな聞こえてたんじゃないか みんな知ってたんじゃないか だけどなにもしなかったじゃないか なにもしてくれなかったじゃないか あのとき なにか行動を起こしてくれていたら こんな悲しい結果にならなかったんじゃないのか いつも何かあってからじゃなきゃ 誰も彼も私もあんたも 何もしない何も考えない だけど だからこそどうしても 書かずにいられなかったんだ ふみつけられた者の行き場のない怒りを 笑顔に裏打ちされた涙のあとさきを 繰り返される悲しい過ちを 助けてって声もあげられずに死んでいった小さな命を 過去や未来や今を 自分の弱さずるさ卑怯さすべてひっくるめて 見えるものからもう目をそらさないように 聞こえる声に もう耳をふさがないように 忘れないように 忘れないように ちゃんと ちゃんと |
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陽炎
2011年02月09日(水) 21時36分20秒 公開 ■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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| この作品の感想をお寄せください。 | |||||
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| No.8 陽炎 評価：0点 ■2013-12-20 02:34 ID:eM8nTjX2ERc | |||||
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☆音羽さんへ☆ はじめまして、音羽さん こんな前の詩にレスしていただき、ありがとうございます 現実を見せ付けられて育ってきた人なら 結婚に夢も希望も持てないのは 当たり前の感情だと思います 決してひねくれ者なんかじゃないと 私は思います 私もそうですから 子供のうちから結婚＝幸福と思えなかったですし 自分がもし親になったとき 自分がされてきたことを子供にしてしまうような気がして 虐待は連鎖していきます どこかで断ち切ってあげなければ 誰も救うことはできない気がします ありがとうございました |
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| No.7 音羽 評価：50点 ■2013-12-19 04:19 ID:rMAQZW5kXMI | |||||
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両親の離婚後に 「お母さんが苦労してるの見てるから、結婚しなくてもいいかな？」 と言って母を悲しませた事があるのを思い出しました。 女だからと押し付けられる子供に関すること、金銭的な問題などを考えると、結婚に夢も希望も見いだせない私はひねくれ者なんでしょう。 向かいの家の子が小さい頃によく私の家にも丸聞こえな声で泣くので、児童相談所に連絡するべきなのか？っと悩んでいたのも思い出しました。 お向かいさんは結局、今は珍しい躾に厳しいだけの普通のご家庭でしたが、自分の行動力が試されてる！って思いました。 あの時ほどテレビで見るだけだった虐待を身近に感じて、人事ではないのだから手を差し伸べる勇気を持たなければ、と。 この詩を読んで思い出しました。 |
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| No.6 陽炎 評価：--点 ■2011-02-25 20:14 ID:AmGH0NyvUK2 | |||||
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☆言葉に惹かれてさんへ☆ 読んでくださいましてありがとうございます 頂いた感想を何度も読みました 読んで、うれしすぎて泣きそうになってしまいました 自分のことしか、自分が経験してきたことしか 書けない私ですが それでも、こんな私が書く詩で元気がでると云って頂けて ホントにもったいないほどありがたかったです そして、大学合格おめでとうございます 今できる、今しか経験できないことは どんどんやるといいですよ それがいずれ自分の血となり肉となっていってくれますから 誰しもが希望からスタートできるわけではない きっと誰でもさ、大なり小なり何かしら抱えていて もがいたりあがいたり、もてあましたりしながら それでも『生きる』ってことを続けているんじゃないかと そんなふうに思います 私の詩から、いろいろ考えてくださり 大好きだとまで云っていただき 本当にありがとうございます 心より感謝します |
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| No.5 言葉に惹かれて 評価：50点 ■2011-02-23 15:08 ID:DtFcOSyTsW2 | |||||
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こんにちは、はじめまして。 陽炎さんの詩、以前にもいくつか拝読させていただきました。 胸の奥が、さっきから高鳴って高鳴って……。痛ましいけれど、 悲しいけれど、うなずけてしまう。たしかに心が動かされました。 でも、その根本にある感情って何だろう。 すみません。説明できそうにありません。 自分は今年の七月で十九になります。希望する大学にも合格して、 晴れて大学生。そして、来年には二十歳を迎える……。 「受験も無事に終わったし、大学生。卒業して、就職して、 女はやっぱり結婚なんじゃないか」 先日、父親に言われた言葉です。 でも中学生のころから漠然と思い始めました。 結婚するのが怖い。子供を産むのが怖い。社会に出るのが怖い。 家や学校や、そういう狭い世界から、とんでもなく広い世界へと、 四年後には旅立つ。一人で生きていく。 子供を産み、育てる。虐待のニュースを耳にするたび、 大人になったら自分もこんな風になるのか、根拠のない不安ばかり。 わたしは恵まれている。両親がいる。 わたしはひとりじゃない。二つ上の兄がいる。 さみしくはない。ただ、あまり親に意見をはっきり言えなくて。 昔に、ちょっと怒鳴られたりしただけ。 陽炎さんの詩は、元気をくれます。 現実の、暗い部分を受け止めたうえで、新しい道を拓いてくれるような。 だから、がんばって生きてみようと思える。 歩み始めるのに、悲しみが出発点になったっていい。苦しいことのほうが 多い人生、みんながみんな希望からスタートできるわけではない。 勝手な解釈で、すみません。でも、わたしは陽炎さんの作品が大好きです。 ぐっと現実を受け止められる強さ、寛容さ。いつも泣きそうになるんです。 創作を「逃げ」に使う。自分と同じような境遇を主人公に背負わせ、 自分のマイナスの気持ちを鎮めようとする。 でもある人は、「それでお前が楽になれるならいいじゃないか。 どこかに空気穴がないと、パンクしちまうぞ」 そう言ってくださったんです。私の尊敬する先生です。 救われた、って思いました。 だから、わたしは早くからだに残った傷を消さないと。 長くなりました。 あんまりここには来られないと思いますが、 これからも読ませてください。 |
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| No.4 陽炎 評価：--点 ■2011-02-12 09:36 ID:AmGH0NyvUK2 | |||||
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☆ザイチさんへ☆ いつもいつも、こんな重たい詩に丁寧に感想を書いてくださり 本当にありがとうございまます いつもね、私に何が出来るんだろうって考えてしまうんです たとえばとなりの家で、子供が激しくないていたりしたときに 私はどうするんだろうかって 詩を書いてるヒマがあるなら もっとできることがあるはずで だから、私はとてもずるい人間なんです こんな詩を書いて、「私はちゃんと考えてます」なんて 思いたがってる、本当にずるい人間だと思います でもね、書かずにはいられなかったんです ザイチさんが仰るように、 現実に起きてることから目をそらしてはいけないと なので、伝わっていただけて本当にうれしかったです 心より感謝します ★追伸★ 私にみてほしいものがあるとのこと ぜひ、みせてもらいたいです なんだろ、なにかな ドキドキ、ドキドキ |
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| No.3 ザイチ 評価：0点 ■2011-02-12 04:07 ID:2EbdM0k4XrU | |||||
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（評価をつけるのが苦手なので、感想だけ書かせてください） お久しぶりです。 陽炎さんの詩はいつも心の奥が強くきつく締め付けられるんですが、今回は特に身に沁みて、これが現実に起こっているということに、気付かされました。 マイケルジャクソンの歌『マン・イン・ザ・ミラー』という曲を思い出しました。 知らんぷりしてしまう自分を恥じて、まず自分から行動を起こそうという歌詞なのですが、 今回の詩が、他人事ではすまされない現実があるのだと、改めて生の言葉、また陽炎さんのメッセージが、真に訴えてきました。 あと、ここしか伝達手段がないので、書かせていただきますが、陽炎さんに是非みてもらいたいものがあって・・あくまでもよかったら、ということで。。 断ってもらっても全然かまいません。でも何だか陽炎さんの言葉が響いてきて、想いが止まらず、場違いなこと承知で、お返事お待ちしてます。 長文失礼しました(><) |
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| No.2 陽炎 評価：--点 ■2011-02-11 09:44 ID:AmGH0NyvUK2 | |||||
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☆ゆうすけさんへ☆ いつもいつも私の詩に丁寧に感想をくださり 本当にありがとうございます ゆうすけさんの信念はとても強いものだと思いました 自分がされてきたことと、子供に与えるべきことは違うと ちゃんとちゃんとわかっていらっしゃる とても大人だなあと感じました 私は子供のころから、親になることに恐れを感じていました 私が親にされたことと同じことを、子供にしてしまう気がして なにより、人を幸福にさせる自信がないのです きっとゆうすけさんは、そこを乗り越えて 父親として、お子さんをちゃんと愛することができている すごいことだなあと、本当に思います そしてこの夏に新たな命が誕生するとのこと いっぱいの愛情で包んであげてください いつも本当にありがとうございます 心より感謝します |
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| No.1 ゆうすけ 評価：50点 ■2011-02-10 16:36 ID:DAvaaUkXOeE | |||||
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私のハートに突き刺さりました。 「俺は生れてきたくなかった。だから子孫は残さない」と怒鳴り、母を泣かせたあの日の事が蘇ってきました。 今の私には、誰にも言わない信念があります。「欲しかった父親となり、なりたかった自分を作る」です。幼い我が子を抱きながら、密かに思っています。 愛を与えることで満ち足りる愛の器、いくら愛されても隙間から流れ出てしまっていつも餓えている欠けた愛の器、どちらを心に持つのか？ やって欲しかったこと、欲しかった言葉、いたわり、慰め、そして褒め言葉、誰にも貰えなくっても、自分はこれを与えよう、できなくてもできるように頑張ろう、そこに何かを変えるカギがあるはず。 七月に三人目が生まれます、女房は高齢出産。いろいろと大変ですが、私の分身達、等しく愛情をもって育んで行きます。 は、……つい熱くなって語ってしまいました。目の前に陽炎さんがいて、その息遣い、体温すら感じられそうでしたので。 叩きつけるような熱い言葉、その想いを受け止めました。 |
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| 総レス数 8 合計 150点 | |||||
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