花が咲くまで
「向日葵を植えよう
夏に背が伸びて
私が空から
あなたを見つけるから」

君の提案に
弱虫な僕は
君のいないとこで
子供のように泣いた

翌日君の目元も
腫れぼったくなっていて
なんだか安心した
隠さなくていいんだ

花屋へ出掛けよう
向日葵にも 種類があるのか
種から育てよう
そしてずっと 咲かなければいい

「耐えられなかったら
別れていいから」
力無く笑う
君を抱きしめた

ほら見て、芽が出てきたんだ
時間が無い 辛いな
一緒に帰ろうかと
言える日はもう来ない

眠りにつく度
その目を二度と 覚まさないかもと
怯える毎日
それでもずっと 最後まで傍に

生きているよ
まだまだまだまだ……
花が開いた

ためらう事なく
幸せだと 呼べるような日々を
与えられたかな
そこから僕を 見つけられたかな
TAKE
2011年01月07日(金) 03時13分24秒 公開
■この作品の著作権はTAKEさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 若いうちに恋人が病気で死ぬというのがありふれた悲恋の物語だと言われていますが、実際にそんな経験をした人の数は少なく、当人にとっては何もありふれた事ではない異常事態であって、映画や小説のように最期まで幸せを手にしつつ添い遂げるには相当の覚悟と労力が必要です。
 そんな数少ない二人の特別な軌跡を描きました。

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No.4  心葉  評価:40点  ■2011-02-05 13:47  ID:QxwUs.4BU4.
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初めて書きます。
ドラマではありふれている話だけど、現実では多くないからこそ泣けるのだと思います。
読んでいるうちに二人の姿が浮かんできて、目頭が熱くなりました。
No.3  史裕  評価:30点  ■2011-01-10 12:09  ID:rOiOUI215gQ
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短いセンテンスは、長文化すれば小説にでもなりえる懐の深い作品であると感じました。
よい作品であると思います。
No.2  竜胆  評価:30点  ■2011-01-07 21:53  ID:qlHFfE4RZ3g
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お初にお目にかかります。
切なくも、夏の情景を感じられる素晴らしい詩だなと思いました。
私も似たように添い遂げた夫婦を最期まで見た事があるので……
No.1  海好  評価:30点  ■2011-01-07 18:18  ID:VgX6DYojrqA
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リズムがとても心地いいです。
総レス数 4  合計 130

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