常夏のクニの雪女 |
英司「大変だぁレイちゃん!」 8月1日、九州の深い山奥の田舎で叫び声が上がる。 澪「のーみそに響く!落ち着け」 英司「ゼェ……ゼェ…っ!」 澪「よし、1から話してみなさいな」 英司「この……秘密の遊び場に…誰かが向かってきてる!」 澪「なぬっ!山田さんとこの八十吉くんか!」 英司「いや違う。やっくんは小学二年生だろ?そいつは高校生くらいだ」 澪「……」 二人のいる場所は地元の大人から近づくなと言われている場所だった。 なんでもあまりに森の奥まった場所であるため、何かあると対処出来ないためらしい。 澪「ん?確か、この村高校生いなかった気が…」 英司「もう来ちゃうかもしんねぇ、どうす−…」 ガサッ! 慧「……」 英司「ぅわぉ!」 澪「ひぃ!」 多分50センチ位は飛び上がったのではないかと二人は思った。 慧「こっちがびっくりしたよ。薮から出てきただけで」 澪「普通びっくりします」 慧「……そーか」 慧は地面をじっと見た。 慧「気絶しちゃってるけど大丈夫?」 英司「……」 澪「え…えぇっ、……たぶん」 慧「そーか、ところで君は?地元の子だよな」 澪「わたしは麻生澪です。この転がってるのは国枝英司くんっ」 慧「……君が」 澪「え……」 慧「あ……いや…」 どこか遠い目をした。少なくとも澪にはそう感じられた。 澪「ところでこんなところに何しにきたんですか?ここは−…」 慧「ん?あぁ、だいたいわかるよ。大方秘密の場所みたいなものだろ」 英司「……は!俺はいったい?」 英司が目覚めた。 慧「やー、英司くんとやら、キミと……」 そして澪をジロリと見た。 慧「キミにも少しだけ質問」 英司「?」 澪「?」 慧「雪女の言い伝えは知ってるかな?」 澪「……はいっ、確か雪の降る日に外で遊んでる子供をあの世に連れていく…みたいな」 英司「確か見た目が7…8才位の子供だとか……」 澪「あの〜…それが何か」 慧「いやー、実はね」 一番近い木に腰かけた。 慧「手伝ってほしいんだ、言い伝えの本当の真実解明を…」 続く |
T-S-Halley
2015年11月20日(金) 11時50分53秒 公開 ■この作品の著作権はT-S-Halleyさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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