足音。 |
コツ、コツ。深い夜の闇に、私以外の足音が響く。誰かがこの路地を歩いているのだろう。私はなんとなく歩調を少し速めた。すると、コツ、コツ。足音は深く、恐ろしく響く。やっぱり怖い。別に、私は全く関係ないことではあろうが、一人で歩いているときのこの音は怖い。私は道を左に曲がり、家へと帰る足を更に早めた。無論、足音から逃げるためである。曲がってそのままペースを落とさず歩いていくと、不気味な足音は止んだように思えた。そのまま、「他の道に曲がったのだろう。」と思い、足音を気にすることもなく、私は家について、ぐっすりと眠った。仕事の疲れからか、眠気が強く、すぐに私は寝てしまった。 コツ、コツ、コツ。暗い路地に、重い足音が響く。最初に足音を聞いてから、毎日帰り道では聞こえるようになっていた。それも毎回同じ音。いつも通り足を速めるが、それに伴ってコツ、コツ、コツ、という足音も速くなってきている。しかも、最初の日は道を曲がると消えた足音だったが、今では家の前に着くまでその足音が聞こえてきていた。純粋にそれが怖く、後ろを向いて確認することもできなかった。家に帰って、「一体なんだろう」と思いながら、段々眠りに着く日々を過ごしていた。 コツ、コツ、コツ、コツ。例の足音である。始まってからもう何週間も経っていた。正直、恐怖は限界であった。いつか殺されてしまうのかもしれない。そんな恐怖まで抱えていた。コッコッコッコッ。私が足を速めると、同じスピードであの音も速くなる。ゆっくり歩くと、音もゆっくりに。誰かが私のことを尾行している、と考えるのは当然のことであった。 コツ、コツ。足音は闇に響く。後ろを振り返ると、そこには赤い目で、真っ黒で夜に溶け込むほどのロングヘアの女がいた。 「うわああ。」 私はそう叫んで走ろうとして、自分が寝ていたことに気付いた。足音は遂に私の眠りさえも侵食してきたのだ。 コツ、コツ、コツ、コツ、コツ。その日、夢で音の正体を知った翌日ということもあり、怖かったがそろそろ後ろを見よう、と私は決断して立ち止まった。勿論、あの足音も一度止まった。私は覚悟を決めて後ろを向いた。…。そこには何もなかった。誰もいなかった。安心した私はふっと小さく息を吐いて、前を向いた。そして、自宅へと戻ろうとした。その時、肩にかけていたかばんがなんだか音を挙げながら震えていた。中を開くと、私の携帯に「メール一件」と書いてあった。会社の上司であろうか。現在進行中のプロジェクトの話だろうか。そう思って私はメールを開いた。そのアドレスは全く知らない人のものであった。しかし、送り主を私は知っている。 「わあああああああああ。」 動転した私はそこに携帯を投げ捨てて、急いで自宅へと帰還。すぐに、横になって寝ようとした。しかし、全く眠りにはつけなかった。あのメールのメッセージに怯えて、体が震える。今寝たらまた夢に出てくる。怖い。怖すぎる。そう、そこに書いてあったメッセージとは…。 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと見てるから。 |
土門
http://tsuchikado-at-syosetsu.jimdo.co 2015年11月08日(日) 23時35分58秒 公開 ■この作品の著作権は土門さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 土門 評価:--点 ■2015-11-10 22:13 ID:o7hllq9AgaY | |||||
通りすがりです様 臨場感、ですか。細かい描写が足りませんでした。 そして、「送り主を私は知っている」ですが、確かにこれじゃ伝わりませんね。 表現が稚拙でした。申し訳ないです。 |
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No.1 通りすがりです 評価:20点 ■2015-11-10 15:43 ID:W.SanRdNWms | |||||
どんなイラストだったのでしょう、ちょっと興味あります。 路地の描写、例えば道の幅とか、街灯がある、ない、とか、そういうのがあればもっと臨場感があったかも知れないです。 「しかし、送り主を私は知っている」というところが、ちょっとよく判らなかったです、ごめんなさい。 ここが判ればもっと怖かったかと思うのですが、私、あまり読解力ってのがないので、申し訳ないです。 |
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総レス数 2 合計 20点 |
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