狂おしき悩み |
「これから、ある悩みを打ち明けたいと思う」 それはある夜のこと、僕は学校から帰って自分の部屋で横になりテレビをつけていた。だけど、疲れのせいか、そのままテレビをつけっぱなしで寝てしまった。眼が覚めた時にはまだ暗く、朝にはなっていないなと思った。時計に目をやると、真夜中の二時半だった。 ふと、雨戸を閉めてなかったことに気付き、窓を空けてから雨戸を閉めようとした――その時だった。窓の外の、上から何かが振ってきた。それは眼の前、手が届く距離のところ――空中で止まった。 人間の、女性のように髪が長い生首――その後ろ姿。それは今にもこちらを向きそうに角度をゆっくりと変えてきた。 ――衝動的にその顔を見たら何かまずいとか、殺されるとか、とにかくと恐怖を感じてその首の即頭部を掴んで前を向かせた。 掴んだは良かった――かどうかは分からないが、その直後どうするか……混乱した頭が瞬時に出した答えは『そのまま窓から飛び出す』だった。 窓の枠にぶつからないように体を屈めながら跳躍して、手すりに素足がのっかった時はほんの少しだけ足の裏に痛みが走った気がしたが、そんな事は気にしている場合では無かった。 ラグビーボールのように抱えた頭は自分と同じ方向を見ていて、出現時と同じくひとことも声を発さなかった。 そこで我にかえる。この生首ははたして本物なのだろうか。偽物だとしたらマネキン……? だとしたら何でぴたりと僕の部屋の外で止まったりする? もしかしてタチの悪い友達が考えたドッキリ? そうだ、きっとそうに違いない。この首だってきっと上から友達がつるしたマネキンなのだ。そう考えた僕はくるりと生首を両手で反転させた。すると最初は眼をつむっていた表情が急にぱちりと眼を開けたのだ。 動いた! そして美人だ! 恐怖よりも性欲が急速に増した。僕はその幽霊らしきお顔にむしゃぶりついた。そしてそれだけで股の間にあるものは怒張し、そこに叩きつけるようにその顔――パーツとしては唇――を導いた。ありえないことにその瞬間に生首は消え、ありえないことにその一度だけで僕は『果てた』。 数秒後、僕の部屋は三階だったことに気づいた。自由落下。物理を用いて着地時の衝撃を計算すると……できなかった。そして足の骨が折れる音を耳にして僕は意識を失った。 僕はドッキリを考えたと疑っていた、病室に見舞いにきてくれた友達に聞いた。 「僕の担当の看護師さんがその時の生首の女性に瓜二つなんだけど、やっぱり告白するべきだと思う?」 |
瞬光
2013年03月21日(木) 00時56分17秒 公開 ■この作品の著作権は瞬光さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.2 青空 評価:40点 ■2013-11-17 23:49 ID:wiRqsZaBBm2 | |||||
ホラーと性欲? なんか凄いな、 |
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No.1 宇宙鶏 評価:40点 ■2013-08-14 22:31 ID:LPiDzuMax1Y | |||||
シュール 落ちもあっていい 何で飛んだかをもっと理由づけたほうが・・・ 失礼しました |
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総レス数 2 合計 80点 |
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