刻まれし騎士の反発



死を目の前にしたとき、私は思った。私の人生は、誰かに刻み込まれただろうか?私という存在をだれが記憶しているのか。そんなとき、1人の男の話を思い出した。あれはまだ自分が若りし頃、南の大陸を横断していた時の話だ。

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それなりに発達した小さな街を訪れ、その日の宿を探そうとしていた私に男が話しかけた。

「あんた旅人かい? こりゃあちょうどいい。……1つ面白い話があるんでさぁ。」

 男は話家と言う職業らしく、なんでも旅人を捕まえて妙な話を聞かせる仕事だそうだ。丁度足がくたびれたところだったので、近くの茶屋で話を聞いてやることにした。

男の話はこう始まった。

 中世ヨーロッパに、酷く剣さばきの悪く弱い騎士がいた。あまりにも弱いので、仲間の騎士からも辞めろと言われ続け圧力を受けていた。

「旅人さん。男はどうしたと思いやす?旦那の予想を聞かせて貰いたい。


「……怒りに震えて、仲間を斬ったのか?」

 単純な話だったので、簡単に答えた。今思えば酷く的はずれな予想だったと思う。しかし男はのってきたのか嬉しそうに語り出す。

「……騎士は常に剣を持ってるんでさぁ。剣さばきが悪いその男じゃ斬れやせん。」

「なら、どうしたんだ? 男は、何の反発を起こしたんだ?」
 男はニヤリと微笑み、息を整えて話した。
 何故か俺達しか客のいない茶屋の空気が針積めた。

「…………男は……王を殺したんでさぁ。………王を殺し、男はこう言った。」

―――騎士など所詮戦場でしか意味のない存在だ。その証拠に王を守りきれなかった。

「……男はどうなったんだ?」
やはり、処刑去れたのだろうか?

「……彼は、死にやした。自分の手で。騎士達に嫌な記憶を刻み込むように。……旦那、これが彼の精一杯の反発でさぁ。」

男は終始けなされ続けてた。
しかし、最後に大罪を、死をもって憎き騎士達に刻み込んだのだ。
―――お前達も無力だ。戦場で守れても、王宮で王を守れないければ意味がない。所詮私と同じなのだ。

と。


私には、何かを成しえたという覚えはない。
こんな私を、誰が心に刻み込んでいるというのだ。


KeiTa
2013年01月02日(水) 19時13分07秒 公開
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■作者からのメッセージ
ひん曲がった短編ですが、評価をよろしくお願いします^^……おそらくこれはSF,ホラー、ミステリ どれにも値しないかと思われます。「こんな話もあるんだな」という感じで読んでいただけたら幸いです。

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No.2  クジラ  評価:0点  ■2013-01-22 19:50  ID:52PnvSC7.hs
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これはなんとも評価しづらい作品だと思いました。
これでは小説になっていないのではないかと思います。
それとジャンルにも合っていませんね。
No.1  帯刀穿  評価:0点  ■2013-01-03 10:34  ID:DJYECbbelKA
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良い悪いという前に、評価しようのない部分が多い。
童話的にせよ名前の一つも出てこないし、王と騎士の関係にしても
守護する者とされる者の定義を使った形だけだ。
小説のワンシーンとして使用する、というならアイデアとして
別段非難することでもない。
ただ、必要な描写や説明もないので、あらすじに限りなく近いと感じた。
というのが個人的な感想だ。
ところで……この作品のジャンルは、板違いなのではないだろうか。
SFにも、ミステリにも見えない、無論ホラーにもだ。
総レス数 2  合計 0点

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