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RSSフィード [89] 即興三語小説 ―一気に秋めいてきましたね―
   
日時: 2012/10/08 22:17
名前: RYO ID:rNviDlQc

疲れ気味なので、即興は今週はお休みです。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「ぺらぺら」「だらだら」「ぷらぷら」
▲縛り: なし
▲任意お題:なし

▲投稿締切:10/14(日)23:59まで 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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Re: 即興三語小説 ―一気に秋めいてきましたね― ( No.1 )
   
日時: 2012/10/09 02:15
名前: 水樹 ID:jMqFvSqc

 お題は、「ぺらぺら」「だらだら」「ぷらぷら」です。


 駅のホームをぷらぷらと歩く私だが、一応は気を使っている、目前の遅刻を自身のせいにしないで気を使わず、忙しなく歩いている人には触れたくはないから。
 人ごみの中でタナカさんを見つけると私は安心する。相手も私に気付く。距離を縮める事はしないで、目を合わせるだけでいい。おはようと、無音で挨拶を交わしてくれる大切な仲間。他の人達にも同じように目を合わせ、挨拶をする。
 タナカさんだけじゃなく、掛け替えのない仲間達に私は支えられていると言ってもいい。お互い声は決して交わさないが、私の存在を明確にしてくれている、と実感している。
 大袈裟な事じゃなく、私が仲間と信じて疑わないのは、毎朝の挨拶然り、いざとなったら助け合って手を取り合ったからだ。
 自分一人では、何の為に存在しているか? 誰もがそれに付き当たるに違いない。仲間と呼べる人達がいて、初めて自分が認識出来るのではないか? と思う。


 声音を気にもしないで、ぺらぺらと早口でくっちゃべる女子高生を怪訝な顔で見る私。煩わしくて五月蠅いのは嫌いだから注意はしない。まあ、私に限らず、誰も関わろうともしないでいる。別段、いつもの光景だから腹は立たない為、眼を瞑って過ぎ去るのをただ待つ。


 夕刻を過ぎるとだらだらとした人達が目に着く。帰れる家があるのに帰りたくないか、明日を少しでも遠ざけようと、小説やスマホに没頭している。缶ビール片手にベンチで時間を潰している。
 人は皆、悩みや忘れたい出来事を消し去りたいと願いつつ、胸に理由を抱えている。唯一後悔する生き物。ここに居る私がそうであったように、あれ? 私は何に悩んでいたんだろう。仲間に囲まれた日々に満足していると、不思議と悩みなど、どうでも良くなっていた。


 ぺらぺら、だらだらよりも、ぷらぷらが一番良い。そう! 私は胸の高鳴りを抑えつつ、ぷらぷらしている彼の背後でその時を窺う。
 仲間達に伝達は要らない、すぐ様私達黒い影は一つになり膨らむ。後押しの憎悪の塊りの言葉を囁き、仲間へといざなう。それこそは一致団結一心同体。
「楽になろうよ」
「死にたくないっ!」
「一瞬で楽になるよ」
「怖い怖い怖い怖い怖い」
「怖くなんてないよ、私達が待っているよ」
「私達?」
「みんな貴方の仲間さ」
「仲間?」
「そう、みんな仲間さ、今死なないと後悔するよ」
「後悔したくない」
「じゃ、一歩踏み出して」
「一歩でいいんだ・・・」
「勇気を出して一歩前に!」
「うん、ありがとう、俺、死ぬよっ!」
「いっちゃえ、いっちゃえ」
「カモンカモン」
「喜怒哀楽天狗座禅食い南無南無、貴方を私達は歓迎します」
「座禅食い? さらば人生、お疲れ様、とーちゃん、かーちゃん、先立つ息子を許して下さいっ!」
 人々の嬌声、私達の歓声が湧き上る。黒い影の私達は、肩を組んで飛び散った彼の部位を囲っては歌って喜ぶ。
 ようこそ。
 私の時と同じように、タナカさんがミンチと化した彼の躯に手を差し出す。
 私の時は頭部だったが、彼は下腹部だった。
 私達の黒い影に彼は入り込む。
 一言、ありがとうと彼は言い、私達は無言のまま、彼の意思を称賛して分裂し、日常に戻る。


 おはようと、私は新しい仲間に目で挨拶をする。彼は表情を変えず、虚ろな死んだような目を合わせる。ああ、既に死んでいる。
 それを確認すると、私はぷらぷらとしている人の背後に立って、仲間へと誘う言葉を優しく耳打ちする。
 私達が待っているよと。



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