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RSSフィード [71] 即興三語小説 ―梅雨入り前に
   
日時: 2012/05/27 23:06
名前: RYO ID:Li4S5Ugg

もう5月も終わりです。仕事が落ち着きません。
もうそろそろ落ち着くはずが、追いつかない。
せっかく買ったポメラは仕事で使用なんて。
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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「体温調節」「石油王」「鋼」
▲縛り: なし
▲任意お題:なし

▲投稿締切:6/3(日)23:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

--------------------------------------------------------------------------------
 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

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Re: 即興三語小説 ―梅雨入り前に ( No.1 )
   
日時: 2012/05/28 02:24
名前: 水樹 ID:Toytt1OQ

梅雨入り前に



お題は、「体温調節」「石油王」「鋼」です。


 暑くも寒くも無く、このままずっとこの気温ならどんなにいいことか、洋服を重ねてまで体温調節したくはないな、そんな僕の願いなど虚しく季節は巡る。他愛のない日々をダラダラと過ごす僕に吉報。いや、僕の家族の元に、お祖父ちゃんからの連絡が届いた。今も世界のどこかにいる自称旅人、自称自由人、自称フリーマン、自称越後のちりめん問屋、自称元気溌剌おじい様、自称元気溌剌ジジイ。取り合えず、ジジイの近況が届いたというわけ。家族、僕の中では悲報とも言えるだろう。
「アラブ、石油王、お忍び、客人、梅雨入り前、夜露死苦。尚、この文字は自動的に消える」
 なぜ消える? 側に誰もいなかったので猫に聞いたが、一緒に首を傾げるだけだった。あんたは工作員なのか? 土産も送れ。
 どういうわけだか、梅雨入り前に、アラブの石油王がお客人として僕の家に来る事になった。
 第十二回緊急家族会議の為、招集する僕。
 ジジイの無理矢理な都合、虚無感そこそこに、即座に家族全員にメールを送り召集する。議長である親父の帰宅時間にみんなを合せる。
 会計の母はすぐに帰ってきた。近所でも『鋼鉄の財布』の異名で知られるうちの母、得意料理はパン屋でただで貰える、パンの耳のフレンチトースト。意外と美味しい。
 母が澄ました顔でニュースを見てお茶を啜る中、書記である中学二年生の妹が帰ってきた。名前は伏せるが、世界でも有数のマシンガンタイピングの妹、リズミカルなタイピングに魅了された人々は彼女を、「言霊のピアニスト」と呼んでいる。ホラー映画や怖い話が大の苦手で、雷雨の夜は、「お兄ちゃん一緒に寝よぅ」と枕を持って僕の布団に入る可愛い妹。鞄を部屋に置いて戻ってきた妹に、
「参謀は?」
 と聞かれ、もうすぐ来る。と頷く僕と母、
「私は最初からいるズラ」
 声に三人同時に振りむくと、猫を撫でているお祖母ちゃんがいつの間にか縁側に座っていた。
 ウヒヒと笑う参謀、その力は町内会長など比ではないと言われている。まあ、あのジジイにしてこの人ありだと思う。特技はどんな猫でも撫でてうっとり。
 みんなに遅れる事三十分で議長の親父が帰ってきた。タダイマイケル、早退出来て嬉しいなと、スーツを脱ぎ捨て身軽になり、帰って早々ビールを空ける議長の親父、えっと。普通のサラリーマン。特にない。うちの家系の男は僕含めだめだめだ。
 気持ちよく酔っぱらっている議長を余所に家族会議は始まった。
 僕は早々と部屋に退散する。女性連中は久々に手ごたえのある仕事にどこか嬉しそうだった。この人達に任せれば問題ない。僕はダラダラの生活に戻った。

 今日もいい天気だなと僕は快晴の空を見上げる。
 ん?
 突如として影が僕を遮る。徐々に近づく爆音と突風に僕は地面に這いつくばる。猫も隣で這いつくばる。
 見上げると五十台はあろうヘリコプター、梯子が垂れて褐色の女の子がピョンと下りて来た。
「日本に憧れてホームステイに来ました。夜露死苦」
 ヘリコプターはセーラー服の彼女を見送る事もせず、西へと帰って行った。
 彼女は、地面に伏せてる僕を見て、
「ジャパニーズ土下座ね、かしこまり、歓迎アリガトチャン」
 弾む足取りで僕の家へ入って行った。何がなにやら。これから前途多難だなと思ったり思わなかったり。そんな梅雨入り前の晴れた日だった。





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