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RSSフィード [36] 三語は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。
   
日時: 2011/07/23 22:23
名前: 片桐秀和 ID:HG2F1jOg

さて、やりましょう。やってみましょう。一時間三語。
お題は、
「怒涛の刺激」「いかそーめん」「下痢」「サーカス」「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」「日焼けのはがれた黒皮」

以上の中から三つ以上のお題を使って、作品を仕上げてください。締め切りは11時半。多少のタイムオーバーはご愛嬌。楽しんでご参加ください。投稿はこのスレッドに返信する形でお願いします。では、スタート。

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それはエンドレス。そして愚行。 ( No.1 )
   
日時: 2011/07/23 22:49
名前: マルメガネ ID:wriIi2Rs

怒涛の刺激がきた。
激しく腹の中を下る騒々しい音が聞こえ、痛みが来る。
 いかそーめんを食べすぎたか、それとも冷たいアイスクリームに落ちた日焼けのはがれた黒皮をものともせず食べてしまったせいなのかは知らない。
「うひょー」
 奇声を発しながら彼は漏れそうな下痢をこらえつつ、ジョジョ立ちポーズに似たポーズを取りながらトイレに駆け込む。
 激しい音と謎の題目「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」と唱える声と野獣が吠える声のような奇声とが個室の扉越しに聞こえる。
「うきょー うきょぉぉぉー」
 何がなんだかよくわからぬまま、それは何分続いたのかはしらないが、個室から出た彼の表情は疲れ果て、勢いよく流れる水洗便所の音のはざまにため息が漏れた。
 そして彼は、冷蔵庫からよく冷えた栄養ドリンク剤を一本取り出すと、カキリと封を開け一気に飲み干す。
 数分後、また怒涛の刺激が腹を駆け巡った。
 油汗と冷や汗が一気に噴き出し、下痢が漏れそうな尻を抑えて、サーカスと思われるようなノリで爪先立ち、トイレにまた彼は消えていったのだった。

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Re: 三語は、あなたにとって脳卒中の危険性を高めます。 ( No.2 )
   
日時: 2011/07/23 23:22
名前: 楠山歳幸 ID:hrYhWGlo

 タイトル ; 湯起請


 腕を汚す日焼けのはがれた黒皮を見ると、私は遠い昔にあったであろう記憶が脳裏にうかんでしまう。

 
中世日本らしき風景、千木高く神の社が建つ前に薄汚れた襤褸の着物を着た見物の男女が円陣を組むように私たちを囲む。前には武士らしき者共が一列に並び私を見つめる。円陣の真ん中には私と神官らしき者、その前には火をくべた大きな黒い鍋。
 太陽が白く瞬きする真夏の真昼。薪はパチパチと音を立て、時々破裂音を立てた。水はやがて蚊帳のような水泡を自身の中で躍らせ、やがて大きな球となり私を睨む。
 見物人の子供たちが無邪気に大声で笑っている中、武士の一人が、皮肉な笑みで私に命令する。
「神明にかけてその湯に腕を浸けよ」
 拒むことはできない。拒めば首を掻かれるだろう。
 私は一介の武士のようだった。人つきあいのよくわからない私を良く思わない誰かが、どうやら罪を作り地頭に讒言したらしい。
「誠、そなたに嘘偽りなければ、火傷無く、無実は証明されるじゃろう」
「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」
 私は混乱した頭で訳の分からない経を唱えた。
「えい」
 煮えたぎる湯の中、怒涛の刺激が腕を走る。

 
この記憶を呼び起こすのは誰か。幾百年経ってもなお、私の一族の腕に仄かな光が食らいつく。


 失礼しました。

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ごめんな三語 ( No.3 )
   
日時: 2011/07/23 23:25
名前: 片桐秀和 ID:HG2F1jOg

「こら、困ったなあ、わいの引き出しをいくら開けたところで、今回のお題にはお手上げや」
 おむすびは顔をしかめて、パソコン画面をにらんでいた。左手に持った団扇がせわしなく動き、彼の熱を帯びた頭を冷やしている。それでも熱は冷めないのか、頭をかきむしり、襟元をつまんでシャツの中に風を送り込んでいた。
「あかんわ、今回の三語も、また失敗やろか」
 そういって彼――おむすび秀和は、キーボードを打ち、打ち込まれた文章を消し、そしてまた打ち込むという行為を繰り返していた。
 おむすび秀和は素人物書きだ。あえて「物書き」ということもないとするなら、たまに雑文や小説の真似事をしている一般人というべきであろうか。おむすびはネット上の小説投稿サイトに顔を出しており、自作の投稿や、月に何度か催されるイベントに参加する。今回のイベントは、提示された複数のお題の中からみっつを選びだし、小説を書き上げるという、「三語」と呼ばれるものであった。おむすびは、過去に何度もこのイベントに参加しており、時にはそこそこの作品を、それ以外の多くには駄作や駄作とさえも呼べないものを書いてきた。つまりは、優れた書き手には程遠いということだ。それでも、彼なりに佳作なり良作なりと仕上げてやろうという意気込みだけはあって、今回の三語にも、奮起して望んでいた。
 おむすびの場合、三語の出来不出来は、書き始める前から決まっているといっても過言ではない。決められた幾つかのお題から、物語の核を見出し、それを他のお題と絡めて展開していく。それが彼の創作スタイルなのだ。そのため、書き始める前段階からある程度の勝算――すなわち物語の全体像が見えている場合は、いざ書き始める段になってもスムーズに筆が進み、とどまることなく完走することができる。たいして、全体像が見えないままに書き出すと、大概失敗する。すなわち、筆が止まり、その前の文章をなんどと触り、ただ時間だけが過ぎて、結果物語として成立していない、あるいは、作品として読むに耐えない作品になってしまうのだ。
「こんなお題でどうせえっちゅうねん」
 おむすびの悲痛な独り言は続いた。
 ちなみに今回のお題は、「怒涛の刺激」「いかそーめん」「下痢」「サーカス」「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」「日焼けのはがれた黒皮」の六つであり、その中から三つ以上選んで作品を投稿せよとのことであった。
 おむすびは考える。
 まずA案として浮かんだのは、夏のある日、腐ったいかそーめんを食べて腹痛に襲われ、肛門への怒涛の刺激と戦いながら、下痢の日々を送る男の物語だ。却下だった。
 続いてB案。近所にサーカス・腐ったいかそーめんがやってくる。それをみた観客は脳に怒涛の刺激とでもいうべき感動を覚える、というものだ。却下である。
 さらにC案。「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」を本尊に据える、「新興宗教いかそーめん」は、信者を得るべく、日夜サーカスを装い客を集め、そこで配る水に下剤をまぜて観客をすべて下痢状態にし、怒涛の刺激に苦しむ彼らに、聖者降臨という様相で教祖がセイロガンを配って回るというものだった。却下であった。
 おむすびはあいもかわらず左手団扇をあおぎにあおいで、あーでもないこーでもないと呟いていた。
 そんな時、彼に天啓が訪れる。
 最後のお題、「日焼けのはがれた黒皮」に目をつけたのである。一見なんの変哲もない夏の出来事だが、日焼けという状態は、柔らかなものが強烈な刺激に晒されていることを示し、はがれた黒皮は、刺激に晒されてついには膜を失うという他の事物に投影可能な事柄をあらわしてはいないだろうか。そうだ。これだ。この路線で行こう。そこでいかそーめんで、下痢で、サーカスで、不浄滅却四肢切断無希望菩薩でって、やっぱり駄目じゃん。却下。

 こうしておむすびの苦悶は続いたものの、ついに〆切時間を向かえ、彼は爆発した。
 

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たまにこういうの書いちゃいます。せめて描写をもうちょっと入れたらよかったかなあ。でも、たまになんで許してください。

メンテ
ごちそうさま ( No.4 )
   
日時: 2011/07/23 23:24
名前: 山田さん ID:s1O67ufs

 ふたたびチャットに顔も出さずにすいません。
 つまらない作品ですいません。
 本当に申し訳ないです(涙)。

 使用したのは
 ・日焼けのはがれた黒皮
 ・いかそーめん
 ・怒涛の刺激
 ・下痢
 ・不浄滅却四肢切断無希望菩薩(ばらして使用)


 タイトル:ご馳走

 暴れだすと危険ですから、まずは四肢を切断してください。
 そうそう、お上手です。
 いやぁ、本当によく切れる包丁ですね。
 次に全体を軽く焼いてください。
 軽くですよ、今は中まで火を通さないように。
 そうそう、ゆっくりと回しながら全体をくまなく焼いてくださいね。
 さてと、全体が黒くなりましたから、次にすりこぎで軽くたたいてください。
 ボロボロと黒くなった皮が落ちますよね。
 日焼けのはがれた黒皮のようなものが表面に残らないように、まんべんなくたたいてください。
 はい、とてもお上手です。
 これで表面の皮が全部はがれました。
 白い脂肪が丸見えですよね。
 ちょっと千切りにして食べてみましょうか。
 はいはい、おいしいですか?
 見た目はいかそーめんみたいですけど、かなり油っぽいでしょ。
 おっと、おいしいからってあまり食べ過ぎないように。
 メインはこれからですよ。
 次は中まで火が通るように強火にしてください。
 腹黒いといわれていましたから、悪いものが中にいっぱいつまっているはずです。
 その悪いものをすべて焼き尽くすつもりで……そうです、不浄滅却の精神です。
 え? いやいや、ご心配なく。
 どうせわたしなんか希望の欠片ももっていません。
 無希望な人生をずっとずっと歩んできました。
 でもこうやってあなたのお役に立てるときがきた。
 これでわたしも後世の方々から菩薩と呼ばれるでしょう。
 え? いやいや、本当にご心配なく。
 結局はわたしもあなたも強烈な刺激が欲しかったわけですから。
 ね、すごいでしょ。
 これこそ怒涛の刺激ってやつですよ。
 さてと……焼きあがったようですね。
 あ、顔は最後まで残しておいてくださいね。
 あなたの食べているときの幸せそうな顔を見ていたいんですよ。
 それにグチャグチャと肉を噛む音を聞いていたいんです。
 そしてあなたの「ごちそうさま」を聞きたいんです。
 それがわたしへの最後のはなむけの言葉になるでしょうから。
 さて、顔以外の場所はもういいですよ。
 下痢をするかもしれませんが、恨みっこなしですからね、へへへ。
 それではどうぞ……ささ、お食べください。

メンテ
キラキラ光る ( No.5 )
   
日時: 2011/07/23 23:25
名前: 昼野 ID:oNLVF25s

 倦怠期に入ったと思しき僕と涼子の性生活を、ふたたび活性化させるために、僕は台所で分厚い出刃包丁をふるい、イカを捌いていた。
 性交してそのまま寝て、寝息をたてていた涼子が、ベッドから全裸で起き上がり、あんた何してるの、と聞いた。
「ニーチェは読んだか?」
「読んでないわよ、そんなもの」
「ならいい」
 なによまったく、と涼子は呟き、ふたたび惰性的にベッドに全裸のまま横たわり、ケータイを弄り始めた。
 僕はイカのエンペラの部分を掴み、上半身と下半身を剥離すべく、全力をこめて引き抜いた。それと同時にぬるぬると光る、さまざまな臓物が、上半身にぶらさがった形で露になる。
 僕はイカの、青黒い色をした朝鮮人参のような肝の部分を、出刃包丁で切り離すと、天にむけて口をあけ、肝を放り込んだ。塩辛い味が口内をじわじわと広がった。歯で肝を噛み、表皮を破くと、口の中に衝撃的な——そう言ってよければ怒濤の刺激が——味が、溢れるように広がった。
 臓物の味、とりわけ肝の味、を僕はとりわけ好んでいた。それは臓物が臓物であり、肝が肝であるから。僕は肝を食うことにサディスティックな喜びを感じていたのだ。そういう僕を、涼子は変わり者と言って、揶揄した。僕たちが恋人同士でいるのも、そう長くないかも知れない。
 それでも僕は、二人の仲をなんとかしようと、こうしてイカを捌いている。賢明な読者ならすでに気づいているだろうが、イカは食べるために捌いているわけではない。イカは、性的な玩具として捌いているに過ぎない。
 一般にイカは「食べるもの」であって「セックスに使うもの」ではない。しかし、イカをそもそも「食べるもの」と認識するのが、人間の欲望であり、決して理性的思考によるものではないのなら、イカを「セックスに使うもの」と認識しても別に論理的にも倫理的にもおかしくはない。ただ、問題なのはイカを「セックスに使うもの」と認識することがマイノリティーであるというだけだ。いや、しかしマイノリティーであるからこそ「イカをセックスに使う」ことが、僕たちの性的な倦怠期を乗り越える手段になるのだ。
 そういった屁理屈を頭のなかでこねながら、分解したイカを、さらに細く切断して、イカソーメンにした。イカソーメンはぬるぬるしていた。これならローションを使う必要はない。
 僕はキラキラ光るイカソーメンを、キラキラ光る大皿に並べた。そしてキラキラ光る涼子のマンコと戯れようと、キラキラ光るベッドに向かったが、キラキラ光る全裸の涼子は居なかった。
 どうしたのだろうと思い、キラキラ光る大皿を持ちながら立ち尽くしていると、背後からキラキラ光る裸体の涼子が現れ、何処へ行っていたのかと聞くと、キラキラ光る涼子は、「キラキラ光る下痢をしていたのよ」と無愛想に呟いた。確かに部屋の中ではキラキラ光る下痢を流したと思しき水洗便所の水の流れる音が響いていた。
「それ、何に使うの?」
 涼子は腰に手をあて、怪訝そうな顔を浮かべて言った。
「あんたの事だからろくな事考えていないでしょうね。当ててみるわ。まず食べることではないわね。あなたが食べ物ではない物を食べるところを見た事はあっても、食べ物であるものを食べているのを見た事がないから。そうね、セックスでしょう。セックスに使うつもりでしょう」
 涼子はそう言って、迫るようにこちらにずんずん歩いてきて、鬼のような形相をして僕の顔を凝視した。
「当たり」
 僕はそう呟くと、涼子はうんざりしたように頭をかきむしり、顔を振った。
「糞下らないクイズを当てたご褒美は、あなたの顔面に拳を叩き込むことで良い?」
 いやだ、と答える前に涼子は全力で僕の顔面を殴った。
 その瞬間、僕はキラキラ光るイカソーメンの乗った、キラキラ光る大皿の上に、キラキラ光る鼻血を垂らした。キラキラ光る全裸の涼子は、キラキラ光る服に着替えて、キラキラ光る玄関を開けて、キラキラ光る外へ出ていった。
 キラキラ光る涼子は、もう二度と、このキラキラした部屋には帰ってこないだろう。そう思うとキラキラ光る涙がとめどもなく流れて、キラキラ光るイカソーメンに、キラキラと落ちて、僕はそのイカソーメンを急速に滑稽なものに思えてきて、キラキラ光る笑いを笑った。

ーーーー
ミズキさんへ捧ぐ

メンテ
脳卒中の危険性有♪ ( No.6 )
   
日時: 2011/07/23 23:31
名前: 水樹 ID:2tnBwOWw

お題は、「怒涛の刺激」「いかそーめん」「下痢」「サーカス」「不浄滅却四肢切断無希望菩薩」「日焼けのはがれた黒皮」から三つ以上です。


怒涛の刺激、痛みを伴う二の腕、日焼けの剥がれた黒皮からこんにちわ。
温度下35℃の僕の部屋、朦朧とした意識下の中で挨拶してきたのは、不浄滅却四肢切断無希望菩薩だった。そんな名前は覚えきれない。
全てを見透かした無表情の菩薩が、僕の瘡蓋内から頭から浮かび、飛び出した。四肢は無く座禅をした格好で僕の前で浮かぶ。足があったら背丈は僕と変わらない菩薩は言う、
「この無限ともいえる有限の世界であなたは私(わたくし)を掴み、引き摺り出しました。私とあなたは受信しました。私はあなたを愛します。あなたも私を愛してくれますか?」
どう愛し合うというのだろう。菩薩の問いに僕は戸惑う。幻覚と言えどもこれはあんまりだ。A、いやBカップ、菩薩の胸の膨らみから言って女性だろう。幻覚なら覚めて欲しいと願う僕。自身の事とはいえ電波系の菩薩に困惑している。
「なるほど、言葉はいりませんね。さすれば私はあなたと同化する所存でございます」
再び瘡蓋を剥がした傷口に入ろうとする菩薩に、僕は二の腕を片方の手で押さえる。菩薩との同化を防ぐのはこの上ない身の危険を感じたからだ。
「私は悲しいです。あなたは私を拒むのですね」
悲哀の感情も出さない、四肢の無い菩薩は涙を拭う事も出来なかった。
僕は菩薩の頬に手を翳す。菩薩の涙は常温だった。
「混然とした無機質な私を拒み、救うのですね」
菩薩は涙をさらに流す。両手から溢れる涙。滝と化した涙に部屋は浸水する。
どうか泣くのは止めてくれないかい? 不安定な感情の僕は一体どうしたらいいんだい?
泣きたいのはこっちの方なんだ、僕はどうすればいいんだよ?
足首、膝、腰、胸、首と菩薩の涙は溢れ天井へと僕を溺れさせる。
彼女の涙はしょっぱくは無かった。顔をしかめるほど苦かった。
呼吸も止まり、意識が遠のく、死の直面でぼくはもがく、首を引っ掻き抗おうと手足をばたつかせる。その手足は既に無かった。
上空からアハハと笑い声が聴こえる。僕を見て笑っている。
視界に居るのは自分の鬱憤を晴らす子供が笑っている。
僕を糸の巣から引き摺り出し、僕の手足を引き抜き、腹を空かした鯉の要る池へと投げ込む子供。
菩薩は泣く、脱皮したばっかりの僕も泣く、笑うが子供、不浄滅却四肢切断無希望菩薩様無慈悲無情にて心ここにあらず。

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