打ち上げ ( No.1 ) |
- 日時: 2016/10/09 19:23
- 名前: みんけあ ID:XySAlNlA
打ち上げ
※多分、大丈夫だと思いますが、気分を害する箇所があります。
▲必須お題:「月夜」「全身打撲複雑怪奇骨折でも生きているだと?」「旧正月」 ▲任意お題:「京都」
畜生。ここまでか。片膝を地面に着けた山田は一思いに殺してくれと、顔を上げず首を差し出していた。目を瞑っても走馬灯は無かった。ただ敗北して死ぬだけだった。だが一向に首は落とされない。ドサリという音に目を開けると、刀を持った敵が足元に倒れていた。 「おいおい、こんな所でおねんねか? 俺の仇を取ってくれるんじゃなかったのか?」 この声に聞き覚えがあった。そんなまさかと山田は顔を上げる、 「嘘だろ? 佐藤なのか? あの全身打撲複雑怪奇骨折でも生きているだと?」 「ああ、幽霊でも亡霊でもないぜ。ちゃんと足は付いてるぜ。月夜の旧正月に誓ったからな、狂乱の京都に舞い戻ってきたぜ」 「簡単にくたばる奴じゃないと分っていたが、へへ、嬉しい誤算だ」 顔を下に向ける山田。地面が数滴染み込んでいた。 「どうした? お前泣いているのか? 早く立てよ」 「違えよ、埃が目に入ったんだよ」 涙を拭った山田に佐藤は手を差し出していた。機械の手にぬくもりは消えていたが、力強さが増していた。 「お前、その腕」 「俺はこの身体でさらに強くなったぜ」 山田は立ち上がり、二人は拳を合わせる。 「いっちょ、反撃開始といきますか」
「カット。監督のチェック入りまーす」 皆、息を飲む。しばらくして監督が手を挙げてオーケーのサイン出すと安堵の息と歓声が上がった。 「お疲れ様です。どうです佐藤さん。この後一杯」 クイっと飲む真似をして山田は佐藤を誘った。
居酒屋で焼き鳥をつまみにビールを飲む佐藤と山田。 「お疲れ様です佐藤さん。いやあ、仕事の後に飲むビールは最高っすね。でも今日のあれ何すかね? 三文芝居。臭すぎる台詞。B級、C級でも今時ありませんよ。絶対にあの後の展開考えて無いっすよ」 「おいおい山田君、滅多なこと言うもんじゃないよ」 「こんなの飲まなきゃやってられませんよ。ファンタジー板に投稿されたザボンギ、いえ、海野恵さん。私のキャラじゃないって大分落ち込んでしいましたよ。飲めないのにお酒飲んで役作りして、あんな作品じゃ報われないっす」 「久々の作品が下ネタだからね。主人公の名前が山田と佐藤も酷いよね」 「自分で無茶なお題出しておきながら、ネタが思い浮かばなくて、最初に無理矢理全部お題を入れるって、アイツ全然成長して無いっすよ。いくら三語だからって適当過ぎますよ。出だしだけ考えたものの、きっとオチもまだっすね」 「この間のキリギリスマンもネーミングセンス皆無だよね」 「会話文だけで満足してるし、今もそんな流れになってるっすね」 「パソコン壊れてもほったらかしにしていたからね。バックアップしてなくて大分落ち込んでいたみたいだね」 「そんなの自業自得っすよ。しかもアイツ最近、アニメのorenge!見て青春物書きたがっているじゃないですか。何年も書いてないのに青春物って、表現能力全く無いのに笑っちゃいますよ。あーあ、一度でいいから酒池肉林な作品でいい思いしたいっすね」 「そうだね。RYOさん、片桐さん、マルメガネさん、おさん、ひじりあやさん、朝陽さんのような書ける人の作品に出られたら最高だよね。ザボンギ、いや、海野恵さんも報われるよね」 「何か、次の三語のお題になりそうっすね」 「まあ、アイツの愚痴はここら辺にしておこうよ。アイツがその気になれば、この場で俺達に殺し合いさせたり、う○こ食わせる事もできるからね」 「このビールがお○っこに変ってる事も、生きたキリギリスなんて食べたくないっすね」 「そんな面白いネタ提供したら、こっちが地獄見るからね」 「もう遅い」 「ん? 山田君何か言った?」 「佐藤さんこそ、何か言いました?」 料理をお持ちしましたと、お盆を持った店員が、二人の対面しているテーブルの横に立っていた。 「料理は頼んでないけど」 「店長からのサービスです」 一言お礼を言おうと、厨房にいる店長を見て二人は驚愕した。そして出された料理に二人は絶句した。 「ほくほくのポテトの盛り合わせと、新鮮なサラダの山盛りです。どうぞ召し上がりください」
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