Re: 即興三語小説 ―今年も終わりってだけさ― ( No.1 ) |
- 日時: 2013/12/02 16:25
- 名前: マルメガネ ID:8JhQYwJk
山小屋にて
ラジオが気象情報を告げる。 それによると、強烈な寒波が押し寄せてくる、ということだった。 冬支度は半ばほどでまだ完全にしてはいない。 猫は寒いせいかあまり動きたがらず、いつもなら飛びつく大好物のマタタビで、擬人化すれば、「ぴーぱっぱっぱらっぽ! ぱっぱっぱらっぽ!」と謎の声を発しながらラリっているのだが、マタタビに目もくれず丸まって寝ている。 寒い木枯らしの吹く外ではハスキーが吠える声がしている。 雪になるのかな、と思いながら私はホットミルクを一口すすり、薪ストーブに薪を一本放り込んだ。 しんしんと冷える。山小屋の外にいるハスキーを入れると、バシン、とシイの実がトタン屋根に落ちて音を立てたのに驚いて、猫が起き上がって近づき、犬と一緒になって眠る。 ほのかに湯気を立てるカップのホットミルクを再び口にした私は、ほっと一息つくと、白い煙のような息が浮かんで消えた。
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