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RSSフィード [147] 即興三語小説 ―冬はもうそこ―
   
日時: 2013/11/10 22:36
名前: RYO ID:9vn316nY

 ビッグボーイと聞くと、セーラー服の屈強な船乗りが、二の腕に力こぶをつくって、舌を出しながらあっかんベーといたずらっ子のようなひねた笑顔を浮かべている人形を思い出す。それがなぜかは良くわからない。古びた人形だ。どこかにビッグボーイとでも書いてあったのかもしれない。なぜ、そのイメージがポパイではないのかも、わからない。そういえばなにやら持っていたようにも思うが、厳密には思い出せない。これが、ただの自分のイメージなのか、本当にそんな店なり、キャラクターがいるのか、もうよくわからない。案外サブミナル効果で、どこかでちらっと見たビッグボーイを覚えているだけなのかもしれない。サブミナル効果というのは、知覚できないくらい一瞬だけその対象をはさむことで、潜在意識に訴えるというものだ。そう考えるとビッグボーイがなんの目的でそんなことをしているのか、さっぱりわからなくなって、寒気がした。
 エアコンで暖を取ることはもういいじきだろうが、サーキュレーターは依然として送風機以上の効果はないようで、この部屋は相変わらず寒いままだ。冬はもうそこであることを、しみじみと気がつかされる。先日やった衣替えは無駄ではなかったらしい。エアコンは効きだすのはもう少し先だろう。
 それにしてもまったくなんだって、帰ってきた直後で、ビッグボーイが脳裏をよぎったのか? ポストに放り込まれていたチラシや郵便物を整理しながら合点がいった。
 近々、近所にオープンするらしい。そうだ、レストランチェーンだ。どこかでそんな記憶がある。頭の中のイメージとは若干違うマスコットキャラクターが、ハンバーガーを掲げている。ああ、ちらっと暗闇の中でチラシが目に飛び込んできたことに納得する。


 だからなんだよ、ということしか浮かばなかった。すいません。
 ビッグボーイってなんだよ、思わず書きながら調べてました。 

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「ビッグボーイ」「暖を取る」「送風機」
▲縛り:なし
▲任意お題:なし
▲投稿締切:11/17(日)23:59まで 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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メンテ

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Re: 即興三語小説 ―冬はもうそこ― ( No.1 )
   
日時: 2013/11/11 20:42
名前: マルメガネ ID:cE6mLuuc

隠れ家の山小屋



 斧で薪を割り、それを薪ストーブの一種であるロケットストーブにくべて暖を取る。
 ただそれだけでもかなりの労働だ。
 ロケットストーブを焚きつけるのにも一苦労する。
「ビッグボーイの調子はどうだい?」
 掘立小屋のような隠れ家にやって来た製作者が聞きに来た。
 ビッグボーイとはアメリカの巨大かつ強力な蒸気機関車であるが、それにあやかってネーミングしたのかどうかは知らない。
「ああ、調子いいよ。焚きつけの時、送風機回さないと炎を吸い込んで燃えないのが難点だがね」
 私はそう答えた。
「よかったら、燃えているところ見たいが、いいかい」
と、製作者。
「どうぞ」
 私はそのように言って、掘立小屋のような隠れ家に案内した。
 ワイルドで隙間風が吹き込む粗末な造りの隠れ家には、ロケットストーブは強烈な威力を誇る
「ふんふんふーん」
と、鼻歌混じりに製作者が見回し、欠点を書き留めてゆく。
 製作時にそれらの欠点を考慮し、そして改善するのに使うのだろう。
 外はまた天候が変わって、荒れ模様になってきた。壁の隙間から容赦なく風が吹き込み、トタン屋根を雨が打つ。
 それでも優秀だった。欠点があっても。
 私はコーヒーを一杯、製作者にふるまった。
 寒い時にはまたこれがうまく感じられるのである。

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