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RSSフィード [24] ニューカマーが来たら、やるしかない三語
   
日時: 2011/04/30 22:51
名前: RYO ID:RYrT6Amo

お題「ペルトン水車」「エアリア充」「気だるい午後の光」
縛り「誕生日を迎える」

というわけで、以上を踏まえて小説を書いて下さい。

締め切りは4/30 23時59分くらいでお願いします。

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気だるい午後に、エアリア充妄想 ( No.5 )
   
日時: 2011/05/01 00:30
名前: RYO ID:k7zliEPk

 気だるい午後の光が差し込んでくるはずが、そういうわけにはいかないらしい。坂崎が窓から見上げた空は分厚い雲が覆って、太陽の光が地上に降り注ぐことはない。ちらりと横目を黒板に目をやる。
「つまり、どんなエネルギーでも、効率よく循環をさせてやらないといけないわけです。それが良く分かるのが、ペルトン水車です」
 物理の先生がなにやら、プロジェクターを使って、説明している。何でも、真中で水を受けるよりも端で受けたほうが、エネルギー効率は良いらしい。当たり前のようなそうでもないような感じの説明で、いまいちよく分からない。
 要は、エネルギー効率を良くすることが、いかに難しいかということが言いたいらしい。
 坂崎が教室に目を向けると、半分くらいの連中が寝ていた。机に突っ伏している奴もいれば、姿勢が崩れないように頬杖をついていたり、腕を組んで肘で支えていたり――涙ぐましい努力である。半分のもう半分の連中はうつらうつらと舟を漕いでいた。その残り半分がなんとか授業を受けていた。
 俺も眠気に誘われたい。
 そうは思うものの、今日に限って、坂崎はまったく眠気に襲われなかった。こうなると自分だけ変な病気になった気さえする。物理の先生でさえ、眠そうというのに。
 物理の先生は口元に手をあて、欠伸を隠す。
 どなり散らせばもう少し、違うのかもしれないが、眼鏡に七三わけの人の良さそうの先生にそれは酷なのだろう。
 これがせめて、若く、スタイルの良い女教師ならいいのに。
 周りはほとんど寝ている。女教師は黒板に「起きている人は黙って、音を立てずに廊下に出る」とさらっと書く。なぜか目が合う。坂崎はドキドキしながら静かに席を立つ。廊下に出たのは自分しかいない。
 女教師はそっと耳元で囁く。
「いつも私の授業を聞いてくれるのは坂崎君だけね」
 坂崎は目をぱちくりさせて、何もできない。
「何か、教室で授業しなくてもいい気がしない? どうせなら保健室とか、生徒指導室とかで一対一で、坂崎君にいろいろ教えたいわ」
 坂崎は思わず女教師を見る。女教師はにこっと微笑む。
「それに今日坂崎君誕生日よね。せっかくだから先生が祝ってあげたいんだけど」
 女教師はそっと耳を舐め、耳たぶを吸う。
 と、後頭部に衝撃が走って、坂崎の視界が一転した。
「起きなさい! 今何の時間なの!」
 坂崎が上体を起こすと、若い女の数学教師が立っている。
「あれ?」
 坂崎は目をぱちくりさせ、教室を見渡す。クラスの注目を浴び、笑われている。
「物理の授業は……」
「物理は五時間目だよ。今は、七時間目の数学」
 隣の女生徒が耳打ちして、坂崎ははっとして、時計をみる。確かに時計は十六時十分を指している。
「ようやく状況が飲み込めたかな? まったく、よっぽど幸せな夢を見てたんでしょう。授業が終わったら、生徒指導室に来なさい」
 数学教師はにっこりと作った笑い顔を浮かべて、そのまま授業を再開する。
「生徒指導室……」
 坂崎は思わずそう呟いていた。今までこの言葉がこれほど甘美に聞こえたことはあっただろうか、いやない。
 歩くたびに左右に揺れる数学教師のお尻を坂崎は眺める。
 生徒指導室で、一対一、個別指導、マンツーマンで指導……エアリア充? 別に良いじゃないか。これくらい思っても。どんな指導が待っているんだろう?
 坂崎は涎を拭く。そうでも思わないとやっていけない。やってはいけないのかもしれないが、さっきの隣の女生徒がにやにやと表情を変える坂崎に思いっきりひいていたことに、坂崎が気がつくことはなかった。

――――――――――――――――――――――――――
なんか水車が使いこなせなかった。
登場人物に名前を付けたかったけど、あー時間がすぎるばかりで、
女教師の描写がしたかった。

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