Re: 即興三語小説 ―多分祭り的な勢いがいるんだよ― ( No.5 ) |
- 日時: 2014/12/29 01:15
- 名前: No.5 ID:ld9a7T1k
DTMの類と較べてギターやピアノなどの生楽器を触りながら作った楽曲は手作りといえるんだろうか、となんだか言葉遊びのような疑問を口にする先輩は、酔っている。たいして飲めもしないくせにウィスキーなんか頼むからいけないのだが、こちとらしこたまかっくらっているから、どーどーと無視を決めこむ。だいたい脳細胞をばんばか殺してゆくときにしち面倒くさいこと考えてなんかいられるものか。
クッションを枕に火燵布団の中に潜った先輩を確認して、水を薬缶にたっぷり溜める。 中途で潰れて帰れなくなった先輩を泊めるのも馴れたもので、翌朝になれば魚か砂漠の砂かという勢いで水をほしがるのは、そーてーの範囲内である。 灯りを豆電球にまで落として、自分も布団に入る。
――羊を数える夢をみた。 寒いのだから白湯も持てとの御達示に諾々と従っているとまたくだらないことを言い出した。それじゃあいまがその夢の夢のなかですかとなんだか言葉遊びのような返事を口にすれば、あたりき、それァ夢みたいさ、とやや時代がかる始末である。「前世はニュージーランド生まれです」。どうともいいにくい五七五で見得をきり、それから湯呑みに口をつけたが、こんどは熱いと文句を仰る。 「なに、それがお判りになるんだったら、これは夢ではないとゆーこと」 「そやな。しょーこにやけどしたわい」
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