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RSSフィード [230] 即興三語小説 ―多分祭り的な勢いがいるんだよ―
   
日時: 2014/12/28 22:08
名前: RYO ID:ANx40xS2

年末企画です。
即興で1時間で執筆してます。
定例での参加は通常通りです。
即興で参加されても、通常の参加はOKです。
この場合の加筆、修正もOKですが、即興の作品はそのままでお願いします。
ではよーいどん。 って出遅れですがね。
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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。
▲お題:『手作り』『電球』『ニュージーランド』
▲任意お題:なし
▲表現文章テーマ:なし
▲縛り:なし
▲投稿締切:1/4(日)23:59まで 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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手編みのマフラー ( No.4 )
   
日時: 2014/12/28 23:19
名前: RYO ID:ANx40xS2

 ひと編み、ひと編み思いを込める。
 ニュージーランドもまだ深夜。彼はきっと眠っている。もしも今起きているなら、浮気を疑ってやる。
 深夜まで起きている両親に合わせて蛍光灯は消して、読書用のLED電球だけつけて、ベッドの中でマフラーを編む。
「喜んでくれるかな?」
 手作りのマフラー。彼がニュージーランドに留学したのは今年の四月のことだ。突然のことだった。相談はなかった。いつも一人で決める彼だった。そんなところを好きになった。誰にも流されず、自分で決める。自分にはなかった。
「美奈子はこれいいでしょ?」
「こういうのは好きだったわよね」
 友達が言ってきたら、うなずくしかなかった。適当にその場を合わせて、後悔してきた。おいしくないものを、おいしいと言い、あの人かっこいいと思っても、「ダサッ」の一声で、何も言えなくなった。
 自分に嫌気が指していた。
 そんな自分に、声をかけてくれたのが、彼――隆だった。
「無理してない?」
 たまたま友達みんなで遊園地に行ったときに、ベンチに腰を掛けていた。隆はやさしく笑いかけてくれた。正直、気が進まなかった遊園地。こんなことがあるなんて、思ってもみなかった。
「なんか、気になって」
 緊張しながら声をかけてくれた隆に好感が持てた。隆なら、素直に自分の思いが言えるような気がした。隆とみんなでとった写真は机に飾ってある。そっと隆の隣で写った写真だ。
 マフラーは半分ほど編みあがった。ひと編みごとに、思いを込めていく。
 隆がニュージーランドに留学をすることを知ったのは、遊園地に行ってから間もなくなった。遊園地にいったのが思いで作りだった知ったのは、それから一週間後だった。
 空港まで見送りに行った。私を見つけた彼はひどく驚いていた。そんな彼を笑顔で見送った。あの時の彼の顔は今も忘れられない。
「やっとここまで」
 あっちの真冬までには間に合いそうだった。立ち上がって長さを確認する。私の身長はもう超えていた。二人で巻くにはまだ足りない。
 机に置いてあるチケットを確認する。
 ニュージーランド行の往復券。マフラーは二人でするためのもの。
「こっちが夏でよかった。冬だったら、寒くて、こんな夜中にまで編めなかったもの」
 網かけの白いマフラーを首に巻く。その隣に隆がいる。そのことを考えただけでも、幸せな気持ちになれた。
 マフラーを編むのは得意だった。これで十本目。記念すべき本数だった。過去のマフラーはなぜかもらってもらえなかった。付き合っていた彼に、せっかく編んだのに。一度もその首には――隆は違うわよね。今までの真とか、隆弘とか、雅彦とか、正一郎とか、孝治とか、純一とか、蒼汰とか、彰とか、庄司とか――そういえば最近はどうしているのかしら。みんな休学したり、心療内科に通院したり、精神科に入院したりしたらしいけど。私とわかれて、変な女にでも捕まったのかしら?
 隆がニュージーランドから帰ってくるのは、来年の冬。待っていられない。彼のホームステイ先は、フェイスブックで確認できた。その近くにフェイスブックの友達ができた。少し泊めてほしい理由を伝えると、二つ返事だった。隆とも顔見知りだったらしいから、内緒にしてほしいことをお願いした。こういうことはサプライズにするのは、万国共通らしい。網掛けのマフラーをアップしたら、感動してくれた。こちらの思いもわかってくれて、お互いに涙した。
 ニュージーランドに飛ぶのは来週。夜な夜なLED電球の下マフラーを編む。手作りのマフラーを編む。
 隆は喜んでくれるかな?
 隆は私が来ることを驚いてくれるかな?
 私は暗い部屋の中で、期待に胸を躍らせて笑った。

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 ストーカーネタでやってみました。
 ひどいな。まとまらない。
 今年の三語はこれでおしまい。
 来年もよろしくお願いします。

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