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RSSフィード [15] 即興三語小説 -第97回- 連鎖するへちま
   
日時: 2011/02/26 22:32
名前: HAL ID:VYRpXtyw
参照: http://dabunnsouko.web.fc2.com/

 き、気の利いたサブタイトルが浮かばない。
 それにしても、お題の組み合わせがなんというか、いい感じですね。ホラー風と見せかけて、ユーモラスな香りがただよっている気がしなくもないです。
 ということで、みなさまぜひふるってご参加くださいませ!

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「操作」「へちま」「椅子」
▲縛り: 「何かが連鎖する話にする(何かは任意)」
▲任意お題:「お、おまえだったのか」「祟りじゃ」「あっけらかん」「細工」


▲投稿締切:3/6(日)21:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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へちまは夜眠る ( No.4 )
   
日時: 2011/03/07 00:05
名前: つとむュー ID:K74kRgLw

 二○一×年。
 静岡県浜松市にて、幅が三十センチを超える超扁平なへちまが発見された。場所は、へちまたわしを作っている農家の農園内。突然変異と考えられるが、農家ではその種から超扁平たわしを増やすことに成功した。
 扁平へちまをたわしと同じ方法で乾燥させると、幅三十センチ、長さ五十センチのへちまマットが誕生した。農家では最初、バスマットとして売り出してみたが、売り上げはさっぱり。困った農家は、やけくそでトートバッグを作ってみた。しかしそれが大ヒット。
『柔らかくて膨張性があるわりにはかなり丈夫で手触りもよい。そして、バッグの中身がチラチラと見えるのもお洒落』
 女性雑誌でそう紹介されたのが決め手だった。へちまトートバッグはバカ売れし、超扁平へちまの在庫はあっと言う間に無くなった。
 それと同時にへちまという自然素材が見直され、次々とへちまを使った商品が開発される。遺伝子操作も行われて、新種のへちまも作り出された。
 いわゆる、へちまブームの到来だ。
 どんどんと巨大化したへちまが生み出され、その硬さも自在にコントロールすることが可能となった。強度を増したへちまはいろいろなものに細工され、ついにはロッキングチェアーまで作られることになった。
 そして、ブームに乗ろうとへちまの栽培に乗り出したある製薬会社の研究所で事件は起きた。

「お、おまえだったのか。研究室に忍び込んだ奴とは」
 警備員から不審者を見かけたという通報を受け、俺は研究室に泊まりこんで見張りを続けていた。そして三日目の夜、研究室に侵入したそいつを捕まえたのだ。
「そうですよ、先輩。お久しぶりです」
 そいつは三ヶ月前に会社を辞めた後輩だった。名を浩次という。正体がばれて開き直ったのか、あっけらかんとした浩次の受け答えに俺はつい頭に血が上ってしまった。
「なんだその言い草は。お前一人のために俺達の時間がどれだけ無駄になったと思ってるんだ」
 浩次が忍び込んだ研究室は、会社の命運をかけてへちまの遺伝子操作を行っている実験室だった。極秘情報が社外に漏れたかもしれないという危機に、俺達当事者は東奔西走するハメになったのだ。
「どうせ俺は、もうすぐ消えてしまう身なんです。先輩、ここは慈悲深く見逃してくれませんか?」
 噂によると、浩次が会社を辞めたのは深刻な病気が見つかったからという。
「も、もうすぐ消えるって、お前、どういうことなんだ?」
 病気のことは聞いてはいけないと思いながら、俺は聞かずにはいられなかった。すると浩次は急に笑い出す。
「あはははは。先輩、俺は末期ガンなんですよ。あと数週間の命なんです。ここで見逃してくれないと先輩のこと呪いますよ。祟りじゃってね」
 病気ってそういうことだったのか。しかしここは素直に見逃すわけにもいかない。そんなことをしたら俺達は明日の晩も張り込みをしなくてはならなくなる。
「そんなお前が何で研究室なんかに忍び込むんだよ。何か研究でやり残したことでもあるのか?」
「まあ、そんなもんですよ」
 浩次は少し辛そうに息を吐きながら椅子に腰掛ける。病気というのはまんざら嘘では無さそうだ。
「いや、やはりお前を見逃すわけにはいかない。申し訳ないが、明日の朝まで休養室で監禁させてもらう。いいな」
「……」
 浩次は何も答えず、ただ研究室の天井をぼんやりと眺めていた。

 我が社ではへちまブームに乗って遺伝子操作による巨大へちまの開発を行っていた。そしてその過程にてある重大な発見をしたのだ。
 ――巨大へちまから取れるへちま水は、若返りを本当に実現する。
 もしかしたら浩次は、そのへちま水を自分の病気に使ってみたかったんじゃないだろうか。
 浩次を監禁した休養室のドアを見ながら、俺は考える。明日の朝になったら浩次に直接聞いてみよう。そして、会社のお偉いさん方に彼の扱いを委ねたら、俺の役割はとりあえずはおしまいだ。彼が警察に突き出されようが、慈悲深く見逃されようが俺には関係ない。その後は家に帰ってぐっすり眠ることができる。
 少し安心した俺はついうとうとしてしまい、休養室での物音に気がつくことはなかった。
 朝、俺が休養室のドアを開けると、浩次は死んでいた。棚にシャツを引っ掛けて首を吊っていたのだ。

 浩次の死は穏便に処理された。警察は、ただの自殺ということで彼の死を扱ってくれた。忘れ物を取りに元の職場を訪問した彼は社内で倒れ、運び込まれた休養室で病気を苦にして自殺した、という俺の証言を信じて。
 あれから四ヶ月。
 実験室の巨大へちまは二メートルぐらいの大きさにまで生長していた。これは世界最大の大きさだ。
「浩次。お前はいったいこの部屋で何をやっていたんだ?」
 彼の死後、俺は彼のアパートの掃除を手伝った。そして部屋の片付けをしながら、彼が最期に何をしようとしていたのかを探った。しかし結局何も分からなかった。
「このへちまから取れるへちま水は、お前を救えたかもしれないのに……」
 俺は巨大に育ったへちまを優しくなでる。すると突然手から伝わってきた得体の知れない違和感に俺は腰を抜かす。
「何!?」
 へちまに密着させた掌から、ドクドクという心臓のような鼓動が伝わってきたのだ。
「ま、まさか……」
 へちまの中から『祟りじゃ』という声が聞こえてくるような気がした。彼が残した最期のあの声で。


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遅刻しました。2100字くらいです。
夜の9時くらいから断続的に書いたので2時間くらいでしょうか。
なにかあらすじみたいなものが出来てしまいました。意味不明かもしれません。

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