Re: 即興三語小説 ―三語に役職ができたらしい― ( No.4 ) |
- 日時: 2013/05/25 23:50
- 名前: しん ID:W7MdTmds
2030年 東亜共同体設立。アメリカ、EUなどの強大な経済力、軍事力、生産力に虐げられてきた東亜の国々が力を併せていく体制づくりがはじまる。 共同体は利益を生み、諸国が参加していき、膨らんでいった。 アジア諸国の結束と、その利益は、アメリカの危機感を抱かせ威圧外交、経済的処置などでじわじわと真綿を締めるような嫌がらせがなされた。最終的には、アメリカの嫌がらせが、実質的な脅威になったことが原因となり、 2050年 大亜帝国の誕生とあいなった。実質的には連合国家であるが、帝国とあるように、神輿として、象徴として掲げられた帝がいた。 それは女帝であり、極東の島国にいた、世界最古の王室の女性であった。人間史において、深い歴史を如何なる国であっても、この一族以上の長い間、直系の血統を残す王室はない。これはEUや、米国に対する、一種の嫌がらせでもあったと思われる。 女帝であるのは、直系の系譜は存続しているものの、何故か男児がもうけられず、女性が王位を継承した時期と、帝国の誕生が偶然時期があっただけである。 2056年 アメリカのタンカーがアジアの海上で沈没した。これをアメリカは大亜帝国の仕業であると決め付け、一方的に宣戦布告を行った。 当時、アメリカ、アジアの頭文字をとってAA戦争といわれ、後に第三次世界大戦とも位置付けられる戦争がはじまった。
空から轟音がこだまする。 飛行機が大気を切り裂き突き進む音である。 この任地に着任した当初は、隊に緊張が奔り、建物の影に隠れながら上空を見上げて、何も無く通り過ぎるのを確認して、それでもなお、しばらくの間は、臨戦態勢を整えて待ち構えたものである。 今では、誰も空を見上げて、確認する者もいない。あえて姿を隠すことすらなくなっていた。 敵地潜伏している部隊とし、致命的な危機感の欠如。 しかし。 部隊長の、武市幸正としては士気と統率の回復を諦めていた。 この地に派兵されてから五年、もし、潜伏すること自体が任務であれば、それでも戦意を保ち、立派に任務遂行意思を継続せしめていたに違いない。 ――これ以上は、しかし。 部隊長であっても、作戦決行の権限を一任されているわけではない。当作戦を成功させるのに本国との連携が必須である為、秘密暗号による連絡を待ち続けている。最初から一年は一週間に一度程度の頻度で『待機』の指令が伝えられてきたが、それから間隔が長くなり、二週間、一ヶ月、二ヶ月、となり、今から二年前に『待機』の命令を最後に途絶えた。 さいわい暗号は、隊長にのみ解読方法を知らされていた為、部下達には待機命令が継続して発せられていると説明している。だが、部下達はそれを信じているかどうか疑わしい。いや、もうそんな命令どうでもよくなっているのではないかと思われる。 部隊は。深い穴の中で身動きができずに、腐りつつあるのだ。 そして、決定的な出来事が起きてしまった。 死者がでたのである。 戦死者ではなくて、自決者であったのが、余計恐怖を産んだ。 放置すれば、連鎖的に拡がり、隊を成せなくなる可能性すらあった。 武市は久々に隊長室の重い扉を開き、現状の打開を図る。
巨大なチョコレートを思わせる重厚な扉には、目線の位置に隊長室と書かれていた。 電卓のようなナンバーディスプレイを操作し、ドアノブを触ると、機械音がなり、自然と扉が奥へと開かれる。 この無駄に立派な隊長室は通常使われず、もっぱら武市の私室が実質的な隊長室として使われているので、入るのに少し戸惑う。 部屋に入ると、自然にルームライトが点き、誰もいないその内部から『おかえりなさい少佐』とナチュラルな発音で迎え入れてくれる。発信源のあたりを見てもやはり人はいない。そこには腰の辺りまでの高さの黒い円柱があり、その中央には不気味に赤く灯がともっている。 武市はこの不自然なほど自然な声が嫌いだった。 声の主は人ではなく、人口知能なのだから。 「隊員は限界だ。しかし、本国から出撃命令はでてこない」 機械相手に、挨拶や前置きは不要である。 武市は、この人間的にも感じる機械が気に入らない。 それでも、 人は、人ならざるものにすがらなければならないときもあるのだ。 人口知能は、中心部分の赤い点が黄色に転じ、車の信号機のように点滅をくりかえした。 恐らく建物に設置された計器類を利用して、隊長の判断の成否を調べているのだろう。 『武市少佐。あなたの判断は正しい。隊員の現状を確認しました。これ以上の潜伏は不可能と判断し、帰還の手段も存在しないと判断します』 人間らしい音声で答えた。 武市は答えない。 機械相手に礼儀を守る必要性を感じないのだから。 『作戦の遂行を許可します。作戦許可証及びに、作戦書を発行します』 プリンターから次々と書類が流れ出す。 武市がそれを手に取ると、久々に笑ってしまった。 こんな馬鹿げた作戦名は始めてきいたのだ。 ――作戦名:電撃鳩ポッポ大作戦。
武市は隊員を集めて、作戦の日時、概要を説明した。 部屋には潜伏部隊、武市を隊長とし、武市の直指揮部隊と、ミハエル少佐の部隊の二小隊がおり、現在の総勢は九人が顔をあわせている。 誰一人として、軍服を着た者はいない。それは、潜伏場所が工場であり、その工員というのが彼らの潜伏身分であるため、作業着で過ごすのが当たり前となっている為である。 作戦に異議を唱える者はいない。 それは、潜伏前から予定されていた作戦であり、本国でこの状況を想定して散々練習を積み重ねてきたのだから、重要なのは、出発の日時までに物理的に、そして精神的に準備することだけだった。 それどころか、多くの隊員は失いかけた生気を取り戻したように、顔色を復活させるものが多かった。 作戦説明と、書類を受け取ると、各隊員は思い思いの時間を過ごすこととなる。
実質的な隊長室、つまりは、武市の自室に訪問者があった。 アルン=シング中尉、浅黒い肌をもつ、四十代の中年太りで、自然と目じりが下がっており、笑顔の印象を持つ男である。 その印象どおり、人懐っこく、親しみやすい。気安くあるのだが、何故か許してしまう。 アルンは、挨拶して部屋にはいると、武市を椅子に座らせたまま話だした。 「隊長、作戦についてでありますが」 まるで友人に語りかけるような声音は、言葉遣いに気を遣い、注意されるか否かのボーダー上を渡り歩く。 プライドの高い上官であれば、己が矜持のために叱責するかもしれない。 けれど、武市はそれほど高い誇りをもつ者ではなく、この作戦に必要なアルンに作戦実行まで気分良く過ごしてもらう方を優先させるべきだと考えていた。 「受け取った作戦書には、参加人数などが、書いておりません」 「それが、どうかしたかね」 「この作戦に必要な人員数について、一考の価値がある、と小官は考えるのであります」 確かに、作戦書には進入方向、時間、装備などは書かれているが、参加人数などは記入されていない。 「ふむ」 「少佐、私なぞは構いません、けれど、平田やチャンまで、参加させなくてもよろしいのではないでしょうか。えぇまかしてください、このアルーン、他の奴らの分まで働きますよ」 アルーンは気付いているのだ。この作戦が、死出の旅路に直結していることを。 「……少佐!」 その声音にも、そしていつもの柔和な瞳にも、火が灯っていた。 武市が何かを言おうとしたそのときだった。 コンコン、とドアを打ち鳴らす音がきこえた。 「失礼します」 アルンが閉じていた扉を開けて、はいってきたのはラシード。 ラシード=ジンナー中尉は、アルン中尉と対照的な男である。同じ歳であるにもかかわらず、体格はやせ細り、眉間の皺と、目が吊りあがり、いつも怒っているような印象をもつ。二人に共通するのは、その浅黒い肌だけだろうか。 ラシードが入室すると、一層に眉間に皺をよせ、目をつりあげ、舌打ちをうつ。 それはアルンも同様で、日頃温和にみえるアルンが彼と顔をあわすと、不機嫌になる。 お互いの祖国が、宗教上の違いで、紛争が絶えず、大国のエゴが核まで持ち込み、険悪であることと無関係ではない。帝国という一つの国は、実質連合国だとしても、まだ一丸となっているわけではなく、まだまだ問題を抱えているのである。 「ふん、貴様か、ここで何をしておるのだ? まぁ丁度いい、貴様もきいていけ」 「なにぃ……!? 今おれが、隊長と相談中だ、出て行け」 二人の言葉には、相手への嫌悪が込められていた。 武市は、日常茶飯事の二人の態度を今更注意する気にもなれず、ラシードに発言をうながした。 アルンの存在をあえて無視するように、ラシードが語りはじめた。 「少佐、今回の作戦でありますが、わたくしに命じていただければ、作戦目的を達成しつつ、最低限の人員での遂行できる、具体案を作成する自信があります。この作戦書には、作戦遂行にたいしての人員数が記載されておらず、作戦目的が達成することができれば、最小の犠牲で、最大の効果を期待できるように人数を決める裁量が与えれられているものと判断できます」 「ふむ」 「恐らく五人。わたくしと、そこのアルンは必須でありましょう。人間としては、最悪ですが、実力的にははずせません。平田や、チャンなどの未熟な者は参加させずとも作戦目的は達成できると思われます」 言ってることは、実質アルンと同じである。ただ少し違うのは、ラシードのほうが打算的であり、その案には、隊長である武市が参加したくなければ、しなくていいことを含めている。 人間として最悪、といわれたアルンが渋い顔をしつつも、苦々しく笑っていた。 結局二人は同じ目的でやってきたのだ。平田やチャンなど隊内での若者を逝かせずにすむために説得しに現れたのである。 思わず武市も笑んだ。 「きみたち二人の気持ちが同じなのは把握した。面談を行い、強制参加ではない旨を伝えて、参加の意思を問おう」 アジードがアルンの顔を苦々しく見た。こいつと同じというのが気にいらない、というのと同時に、同じく若い者を救おうという気持ちをもち、具申しにくるとは。 二人は、複雑な気持ちを抱えながら、隊長室を出るときは、息をあわせて挨拶をして退室していった。 最初に面談したのは、中東の戦士、サイフ=アズィーズ=ハーキム大尉。 各部屋を訪問しようと歩いていると、外でサイフを見つけたのである。 サイフは時間を剣技の鍛錬にあてていた。 今回の任務に剣は必要ではないが、これが彼なりの心の落ち着かせ方なのだろう。 「サイフ、家族はいないのか」 声をかけられた、サイフは鍛錬を一端とめ、武市に向き直り、姿勢を正す。 「いい、雑談だ、すきにしていたまえ」 「いえ、隊長失礼しました」 三十半ばで、口ヒゲ、むっつりと閉じられた口がいつも不機嫌な印象を与える。中東特有の赤黒い肌が、鍛えられたサイフを一層たくましくみせていた。 「祖国におります」 祖国とは、大亜帝国のことではなく、その連合国の中東の国のことであろう。 「今回の作戦は、強制参加ではない」 武市のこの言葉は免罪符だった。参加しなくても、誰も罰する者はいない。機械から発行された作戦書にも、強制参加とは書かれていない。 サイフの目に、力が宿った。 腰に下げていた剣を掲げ、天を刺す。先ほどまで使用していた練習用の木刀ではない。 不思議な剣であった。木目のような波紋が怪しく、日を受けても光らない。武市はこのような刃物を見たことがなかった。 「この剣をご存知でしょうか。伝説といわれるダマスカス刀であります」 現在ではもう失伝してしまい、製造不能となったその刃。 「これは、わが一族の宝であり、これに込められたのは祖国の、一族の恨み」 サイフの祖国は、遠い過去に十字軍の侵略を受けている。今回の敵は、国こそ違うもの、宗教的には、現在第一のキリスト教国であることは、疑いようがない。 遠い恨みをはらすためには、申し分のない相手と感じているのかもしれない。 「それに、これを持つ者はわが一族の最強の戦士である証となります。そしてそれが、わたくしであります。人を切ることによりしかわたくしは存在しえないのです、戦で死す事は誉れであり、床で死ぬことは恥であります」 武市は『サイフ』というその名前の由来を聞かされたことがあった。 その意味は『剣』を表すと。 「そうか」 「それに――」 言い淀むサイフなど見たことがなかったので。心の内で首をひねりながら、次を待った。 「――わたくしが生き残ってこの剣を一族へ残してしまったら、次は息子が、剣を受け継ぐ こととなるのですよ」 恨みを断ち切り、さらに、剣の呪いをもサイフの代で断ち切る覚悟なのである。 自身の息子のために。 この時のサイフの会心の笑みは武市は忘れえぬものとなった。
平田一郎中尉は、名前からもわかるように、武市と同じ、極東の島国の出身者である。 齢は、まだ三十にも達していない。これは、軍大を卒業するのが最低で二十二歳であり、五年潜伏していたことを含めると、殆ど新兵のような状況でここに送られてきたのがわかる。 部屋を訪れると、彼は見てわかるくらいガタガタふるえ、布団をかぶっていた。 「平田」 「た、たいちょう」 布団から、顔をだしたが、居を正す様子もない。 不思議なことに、この部隊で唯一の志願者がこの平田である。他の者は全員、軍からはじき出されるように、この任務に就いた。使命感に燃えるでもない平田が何故この死地に己が意志で出向いてきたのか武市は知らない。 「参加不能であれば、仕方ない」 どう見ても、戦闘が出来る状態ではないと見える。脱出できなくとも、この場にはまだ充分な食料がある。残るのも選択肢の一つである。 「……」 「参加できるようになれば、日時までに報告にくるように」 そういって扉を閉めようとしたときであった。 「待ってください隊長!」 声は大きかったが、相変わらずふるえていた。 「大丈夫であります、参加させてください」 「……しかし、」 平田は布団から出て、武市に縋りついた。涙をたらし、鼻をすする。 「おれには、妹がいるんです」 「ならば、なおのこと、生き残るべきではないのか」 平田はかぶりをふった。 「いもうとは、ちっちゃいころから、にーちゃんにーちゃんって、おれの後をついてまわってきました。友達と遊んでいてもよってきて、おれはついてくんなって邪険にあつかっていたんですが、正直いうと、本当は妹がかわいくてしょうがなかったんですけど、優しくしてやるのが、なんだかかっこ悪いきがして、ずっと嫌がるよなことばかりいってました」 平田が小学六年にあがったとき、兄妹は一緒にお風呂にはいるのをやめた。二つ下の妹は、泣きながら、手足を全力でばたつかせ、一緒にはいると駄々をこねた。 平田が中学に上がると、小学校とは校舎が違うのだが、毎日妹は校門で待ち、それまで通り一緒に帰宅することにこだわった。隠れて裏門から帰ると、日が落ちても妹は帰宅せずに、探しにいくと、中学の校門ですすり泣きながら待っていた。以後必ず一緒に帰宅した。高校にあがっても同じことは続いた。 「いくら邪険にしても、笑顔でいつもにーちゃんにーちゃんってよってくるんすよ。これが可愛くって可愛くって。でも、あるとき。あいつが嫁に行くのがきまったときでした。妹が夜遅くにおれの部屋にやってきて、にーちゃんにーちゃんっていつもと同じことを言いながら、なくんすよ。おにーちゃん以外の男が怖い、にげたいけど、にげれない。どうしたらいいのかわからないって、おれもどうしたらいいかわからなくて、ずっと背中さすって、大丈夫大丈夫って気休めをいうしかなくって、ずっとなだめながら、話だけきいてやったんですよ。でも、おれも根性なしだから、どうしようもなくって、あいつは嫁にいって、でも嫁にいって暫くはしょっちゅう家に帰ってきて、夜になると、おにーちゃんおにーちゃんって泣きにきたんすよ。でもやっぱ、おれにはどうしようもできなくて」 いつの間にか、二人はベッドに腰かけ。横並びになっていた。 「しばらくすると、実家にあまり帰ってこなくなったんですけど、それでもたまに帰ってきて、それでにーちゃんにーちゃんよってくるけど、おにーちゃんもお嫁さんもらいなよっていうようになってきて、それで、あるとき、おれきづいたんですよ。ずっと、妹がおれにおんぶに抱っこだったとおもってたんですけど、――実は、おれこそが、妹に支えられていたんですよ。でも今更、どうしようもなくって、軍にはいって鍛えなおしてもらおうとしたんですけど、家に帰るたびに、妹にあいにいってしまって。これじゃだめだって、この潜伏任務をひきうけたんですけど……」 平田はふと机に目を向けた。 古びた木製の机の上には、写真立て、そこに可憐な少女がはりつけられていた。 欠けがえのない者。 既に自身の血肉の一部となり、決してひきはがせぬものとなっているのだろう。 魂の奥底に潜み、死すまで解き放たれぬ想い。 それでも、決して、手に入らぬ者。 「守りたいのです」 何から、とは口にだしては言えない。米国兵士から守りたいという一面の事実もあったが、それが全てではなかった。 平田の本当の胸中を吐露してしまうと、自分と共に血縁者である妹も白眼視される可能性すらあった。 その意志を胸に秘めたまま散ることにより、守れるものもあるのだ。 平田の決意は揺るがなかった。
「チャン少尉」 張克敏少尉は『ちょう』と呼ばれても、たとえそれが上官であっても、反応しないのは、周知の事実である。彼の母国語でチャンケミンと発音され、みな彼のことを『チャン』に敬称をつけて呼ぶ。 このことだけでも彼が扱い難い人物であることは、想像に難くないであろう。 ドアをノックして声をかけても、反応はないが、中にいるのは、外にいても明確にわかる。 ノブをまわすと、あっさりと進入を許し、無防備な張の背中が見えた。 木造の机に、不相応に高価なパソコンがあり、横にあるモニターを張は睨みながら、ヘッドホンで耳を覆い、手は飛行機の操縦桿を模したコントローラーを扱うことに必死であった。 武市は、強制的に中断させることもできたが、その直後に良好なコミュニケーションをとる必要性があるため、後ろ姿を見つめながら待った。 パソコンを通して行っているのは、ネットゲーム。インターネットの接続、発信に関しては、禁止はされていない。監視、監督されているのみである。 隊長室の人工知能がリアルタイムで走査している。 それでネット環境が禁止されていないのは、人工知能の高性能さの加減を知ることができる。 「少佐、お待たせしました」 突然、張が振り向いた。 年齢は二十後半で、平田とそう変わらないはずだが、その不遜な態度などが、妙に幼い印象を与える。 武市が来ているのに気付きつつ、無視してゲームをしていたのである。 だが、武市も慣れたものである。不遜な態度を一々叱っていると、話がすすまないのだ。 「今回の作戦の件だが、参加の是非を確認しにきた」 張、は目を細めた。 「参加は強制ではない。最低限の人員がいれば、決行される。ずっとここで残ってゲームをしていてもいいんだよ」 「けっ、残ったとして、どうなるというんですか」 悪態をつく。 「きみには、両親がいるときいているが」 作戦に参加せずに、機を見て帰国しても、罪には問われない。それを言外で伝えようとしているのだ。 「ふんっ、あいつらは、おれを軍へ売ったんだよ、今更もどっても、また軍隊にもう一度売られるだけなんですよ、それに何の意味があるというのです?」 張は、パソコンを親指で指差し、 「こいつのやりすぎでね。ずっと外にもでずに、コイツばっかやっていたら、親がおれを邪魔にするようになってね、コイツをやっているのだから、飛行機の操縦もできるだろって、勝手に軍学校にぶちこんだのさ」 張の『コイツ』というのはパソコンではなく、そこで動いているゲームのことらしい。 張は、高校に入学すると、部屋にひきこもって、ネットの世界こそ自分の世界とした。 そして戦闘機に乗り、空中戦を行う『Warbird Online』略称WOとの出会い、この世界にはまり込んでしまった。睡眠、食事や排泄よりも、ゲーム内の出来事のほうを重視して生活するようになった。親の用意した食事も放置して、誰が訪問してきても、如何なる用事で呼ばれても、ゲーム内ので区切りがついていなければ無視した。 そういう生活をしていて、二年。経った頃、見かねた親は、自分達の手で息子を更正させるのを諦めた。募集していた軍学校に入学手続きを行い、寮にぶち込み、家から追い出した。 軍学校は、入学金無償どころか、入ると給料がでる。最下級の軍人扱いされるせいだ。そのため、訓練中に理不尽な目にあおうと、例え死んだとしても、それは軍人なのだから、と問題にならない。それどころか、親あてに、わずかなお金が支払われるだけだ。軍学校時代の給料は、全て親の通帳へと振り込まれた。 当時、親に感謝したことがあるとすれば、空軍学校を選んでくれたことくらいだろうか。 「まっ、いいんだけどな、最近のゲームって凄いぜ、すごいリアルで、軍のシミュレーター以上の再現性をもっていやがる。もう、これでおれに勝てるやつもいねえし、そろそろ、飽きたし、いいぜ作戦に参加してやるよ」 ゲームだけではない。実戦は数えるほどしか参加していないが、抜群の戦績をあげている。 喋れば喋るほど、地がでて、上官と話していることを忘れていくようだった。 「……本当にいいのか?」 「ふんっ、参加して、死んじまったほうが、二階級特進で、その地位に応じた見舞金、軍人恩給、で親も喜ぶだろうよ」 意外と、親のことは忘れていないのかもしれない。 「参加しない場合、期日までにおれに言いにくるように」 張は、ふんっとそっぽを向く。 それでも、親に疎まれていると思っているようだから、参加は確定とみていいだろう。 生き残っても帰るところがないのだから。 「もし参加する場合は、おれとゲームをしよう」 張は驚いたように、武市に向き直り、見つめた。 「そういや、帝国のエースだったんだっけ」 武市は帝国における、最高のエースの一角である。 「作戦中に、何機落とせるか、ゲームだ」 「いいね」 張は口をゆがめながらも、嬉しそうに笑った。
自分の小隊隊員の参加の是非を確認した。 あとは、ミハエルの小隊の参加について話さなければならない。 ミハイルの部屋にはいると、酒臭が鼻を襲った。 顔が赤らみ、息を吐くと、漂う酒分よりも、濃いものがあふれでる。 ミハイルは、酒瓶を手に、隠そうもせずに、隊長を迎えた。 ミハイル=シュミット少佐。階級は武市と同じで、潜伏部隊としては、副隊長であり、小隊を預かっている。 帝国には珍しい、金髪碧眼ので、無精ひげのせいで、男前度はさがっていたが、それでも男前にみえるほどの色男だ。 「ミハイル、今大丈夫か?」 「なんだよ」 気安いが、これは張とは違う。立場としては武市が上ではあるが、同じ階級であり、戦場で 共に舞った仲である。 「作戦の参加についてが、おそらく、おれの小隊だけで足りる」 ラシードは五人で遂行可能な作戦案を作成できると言っていた。 アルン、ラシード、サイフ、平田、張、そして武市で六人の参加の意志を表明している。 ミハエルの部隊は現状ミハイルを含め三人。先日自決したハドゥを足して四人いたのだが、この潜伏地にたどり着けなかった者が二人いるのだ。元々は両小隊ともに六人、部隊全員で十二人の予定ではあった。 「はぁ? なにいってんだよ。おれらもいくにきまってるだろ」 「無為に命を散らす必要もない」 「あぁ!? おれらにハドゥの仇をうたせれねぇっていうのか!?」 酒臭い顔を武市に近づけ、つかみかかる。 「ハドゥの死は隊長である、おれの責任でもある。誰が悪いというわけではない。あえていえば弱いハドゥが悪い」 頬に衝撃が疾り、武市の身体が後方へと吹き飛んだ。 頬を確認するように触りながら、武市が立ち上がると、殴ったはずのミハイルのほうは床に突っ伏して崩れていた。 武市は、ずっとミハイルのほうが部隊長に向いていると思っていた。これまで譲らなかったのはその必要性がないだけで、ミハイルを同格に扱い、実質的に隊長だと思うことさえあった。 けれど、この時になって何故自分が隊長になったのかがわかった気がした。 果たしてミハイルなら、人工知能に窺いをたてて、この作戦を立案できただろうか。 無理だろう。 ミハイルは、情に脆すぎるのだ。 そして、酒に逃げた。 軍人としては、致命的な脆さかもしれない。 「ミハイル、お前、奥方がいただろ、生き延びる道を探してもいいのではないか」 「へっ、いねえよ」 武市は眉根に皺をよせた。 確かウクライナの神秘的な美女を娶ったはずだ。 銀髪で、透き通るほど薄い色素で、まるで氷細工のような美しさを持ち、ふれ合うと、不思議なほど暖かい。妖精のような女性だった。 これが、自分が隊長になった、もう一つの理由だと思っていた。 同じような生い立ちを持つ二人。 ミハイルは孤児院の前に、そして武市は駅のロッカーのなかに捨てられたという程度の差でしかない。同じ孤児院で育ったわけではないが、その経歴は似ていた。 ミハイルは妻帯し、自分は足かせがない。それで選ばれたとおもっていた。 「癌だ。手遅れだとよ。もう死んでいるだろ」 「なん、だと」 「知っているか? 癌ってのは、えらい金がかかるんだ。それでも手をつくしたさ色々な病院を調べて、権威だっていう医者をみつけて、賄賂を渡して、それでも一向によくなりゃしねえ。どの薬もききゃあしねえ。アンナが、どんどん衰弱していってしまう。そんなときに、もしかしたら、効くかもしれない薬があるっていうんだ。ただし、無認可だから、今まで以上にお金がかかるっていうんだ。結構な給料をもらっているはずのおれでも、しゃれにならないほどの額だよ。それでも、それでもだ! すがるしかねえじゃねえか! アンナが快復する可能性があるなら、やるしかねえじゃないか!」 荒くなった息をおさめてからさらにつづけた。 「さすがのおれでも、金がたりねえ、それでも、止まるわけにいかねえ。アンナが死んじまったらって思うと、もういても立ってもいられねえ。そんなときに、悪魔が手を差し伸べたんだよ。ここにくれば、国が面倒みてくれるってな。迷うことはなかった、それが手に入るなら、おれは契約相手が神でも悪魔でもよかったんだ」 「……生きているかもしれないじゃないか」 新しい薬が効いているかもしれない。一縷の望みは捨ててはいけない。 帰って病院に駆け込み、確認しにいけばいいのではないか。 「ふん、医者はあと一年ももたないといってたさ。例え奇跡的に癌細胞が消えたとしても臓器がもうもたないんだとよ。――――おれはよ。ただ、逃げたんだよ。上官の所為にしてよ。アンナの死に目に、死んだという事実を目の当たりにする勇気がなくて逃げたんだよ」 一年、それが延びたとして、五年は延びないだろう。 「まぁ、おれはアンナやハドゥの元にいくとしても、他のやつらは別かもしれんから、聞いておく」 そして、ミハイルは手に酒瓶を掴み、直接口をつけてぐびりと飲み込んだ。 この作戦はミハイルにとって最後の逃避行であり、救いになるだろう。
武市は再び、隊長室へと足を踏み入れた。 それは私室のほうではなく、重々しい、権限のある武市しか踏み入れないほうである。 人工知能が迎え入れる。 無駄に高価な木材を使用した机につくと、どすんどすんと殴りつけた。 獣のように咆哮をあげて、何度も何度も机を殴りつける。 この部屋なら外部に音が伝わらない。自室のほうであれば、驚いて誰かが見にくるであろう。 「どうされましたか」 とても人間的な、暖かみがある、まるで優しくささやくような声で、人工知能がきいてくる。 「うるさい」 機械が黙る。 こいつは嫌いだ。 「お前は、HAL9000を知っているか?」 この部屋には武市の質問に答えれるものは、人工知能しかなかった。 「2001年宇宙の旅にでくると人工知能であると思われます。また2001年宇宙の旅とは、1968年に後悔されたスタンリー・キューブリック監督の映画、または脚本のアーサー・C・クラーク著の小説の題名であります」 即答である。 「お前はHAL9000でおれはアッシュだ」 「アッシュとは何ですか? 特定できません」 「そうか」 人工知能に教えてやる必要はない。こいつのことが嫌いなのだから。 姿形こそ違うものの、声は人間的で、冷徹に判断する機械。 姿形こそ人間であるものの、声は機械的で、冷徹に判断する生き物。 そこにどれほどの差があるのだろうか、その機械を見るたびに、自分を見るようで吐き気がするのだ。近親憎悪というのだろうか。 こいつと俺は一緒なのだ。 こいつに報告すると決めた時点で、この作戦書が発行されることは承知していた。それでもなお、この部隊全員を死地へとおいやる為にこの機械に窺いをたてたのは、他ならぬ武市本人である。わかっていて、言い訳の為だけにこいつに縋ったのだ。 「アッシュ、灰色か木材、もしくは薬物のことでよろしいですか? 少佐はそれのどれにも該当する存在ではないとおもわれます」 見当ハズレのことをいう人工知能がおかしかったのでわらった。 アッシュは、映画『エイリアン』に出てきたアンドロイドの名前である。 人間に扮装し、宇宙船にのりこむ。 そして、人間と共に探検の旅にでるのだ。 姿形は違えどHAL9000とほぼ同じである。 さらに同じとこがある。 それは。 人員の命よりも、任務の遂行を優先するのだ。 アッシュと武市の違いは、武市が人間であることだけである。大した差ではなかった。 ようやく武市は自分の慟哭の理由に気付いた。 何故この部屋にきて、吠えているのか。 何故ここまでいらだつのか。 ロッカーに捨てられ、保護されて放り込まれた孤児院は、政府運営であり、政府にとって都合の良い人材を育成することを重視していた。幼い頃から、矯正され、個性を奪われ、都合よく振舞えば、褒められることはあったが、優しくされたことはなかった。 孤児院の殆どの者が、軍へと入り、残りの者は姿を消した。 ミハイルのように運命的に、暖かい存在と出会うことができなかった。 孤独。 当たり前の状況だった。 慣れていることだった。 それが、任務のためとはいえ、五年間もの間、同じ屋根の下で過ごして、何も感じないわけないのだ。人間なのだから。 アルンとラシードは祖国に囚われて、仲違いしているが、二人とも根源は同じなのだ。若輩の張や平田を優しく扱う。みんなの前で張が隊長である武市に生意気をいうと、この二人がまっさきに張を殴った。上官への不敬罪は銃殺されても仕方ない。その罰から張を守るために。二人の魂は似ているのだ。武市がもっとうまくできれば、二人を仲良くさせることができたに違いない。 サイフは寡黙でいつも、自分に厳しい。彼がいなければ、この部隊はもっと早い段階で乱れ、軍の体をなさなくなっていただろう。 平田は、もっと鍛えて、成長させ。自立させれたら一人の男として、生きる道があったのではないだろうか。 張も、幼いあの魂を導いてやれれば、別に進む道を用意できたのではないだろうか。 おれは、ミハイルのことを理解できていなかったのだ。信頼を得て、話をきいてやれていれば、それだけミハイルの心の重石を軽くしてやれたに違いない。 武市が彼らを殺すのだ。 部下を殺したくない。けれども、任務を放棄できない。 そんな自分に絶望をしていたのだ。
作戦の日時がやってきた。 工場の格納庫には、九機の戦闘機が顔をだしている。 全員参加。 誰も無駄口を叩くものはいなく、各自戦闘機に乗り、武市を先頭に滑走路をはしらせ、飛び立った。 九つの魂が鳥となり、闇夜の空へと消えていった。
機体は五年前の最新鋭機でステレス機能も高く、すぐには発見されない。 だがそれは、ただの気休めでしかなかった。 敵本国、奥深くに潜伏して、中枢である首都へと攻撃をするのだ。作戦名に電撃とついているとおりアメリカにとっては災害のようなものである。、全ての戦闘機には小さいが爆弾がくくりつけられている。 アメリカ首都に進入するのであるのだから、如何なる経路をとろうと、発見されるのは覚悟のうえであったが、敵機と遭遇することはなかった。 余程、アメリカの気が緩んでいるのか。 首都まであと少し。 もしや、このまま障害なく、辿り着けるのではないかというとこまで近づいたときだった。 レーダーに反応があった。 それはまるで、巣を突付いて、迎撃しに大量にでてきたスズメバチを思わせた。 九機というのはあまりに少ないため、陽動だと思ったのであろう。そのため首都付近での迎撃を選択したのではないだろうか。その判断は、あながち間違いでもない。本来の彼らは本国が大艦隊を率いて、アメリカ本土攻撃の際に、呼吸を合わせて首都を急襲するものだったのだから。 もう、すぐそこで首都は空をサーチライトで照らし、その輪郭を浮き上がらせていた。 スズメバチというより、薮蚊の群れを思わせるほどの無数の戦闘機の陰が空にはあった。 思わず武市は歌を口ずさむ。 作戦名の一部に使われたあの歌だ。 豆とは、機体にくくりつけた、爆弾のことだろうか。 それとも。 武市の合図とともに、部隊は散開した。 戦隊を組むより、各々つっこんだほうが、同志撃ちを恐れた敵が攻撃を緩めると思ったのだ。 各自、豆粒のような命を散らす為につっこんだ。
『電撃鳩ぽっぽ大作戦』 ふざけているようにみえるが、よくできた作戦名であった。
九人が朝陽を拝むことはなかった。 しかし。 奇跡的に、任務は成功した。 首都上空に到達したのは三機。 それぞれ雷撃に成功して、アメリカの威信に傷をつけた。 特に武市は、重要施設に爆弾をおとし、アメリカ政治中枢の白い建物のすぐ側に己が機体を墜とした。 この情報は一気に世界を駆け巡った。 アメリカは隠蔽を試みた形跡はあったのだが、人民の圧倒的な物量の前には、どうしようもなかった。 地球上のあらゆる国に知られたのであるが、アメリカが本当にこの情報を隠したい相手は、帝国でも、EUでも、また他のいかなる国でもなく、アメリカ自国民に対してであった。 そのアメリカ首脳部の焦慮は、杞憂でおわらずに、波を引き起こした。 大衆が停戦と、平和を望み、積極的に活動しだしたのである。 戦争に慣れ、好戦的だと思われているアメリカであったが、彼らは戦争には慣れていたが。 本土が爆撃されることに慣れていなかった。 殴る覚悟はあっても、殴られる覚悟のほうはなかったのだ。 アメリカの誇りといえる首都が爆撃された。これは、アメリカの他のどの都市であっても、爆撃される可能性を容易に想像させた。 そして、これが決定的だった。 白い建物の側につっこんだことにより、アメリカのトップが和平を望んだのだ。 側近達は有利な戦況であり、たった一度の爆撃で、こちらから和平交渉を持ち出すのはよくないと説得にあたったが、民衆の動きと、トップの望みが合致していては、どうしようもなかった。 戦争は終結した。
アルンとラシードの祖国は、それぞれの国で、それぞれの英雄を讃えた。まだ、仲違いしているが、将来必ず手を繋ぐことになるのだろう。アルンとラシードの二人を知っていれば、それは遠くない未来のことかもしれないと思える。
サイフの子は、父の背を追い軍人になった。けれど歳を経り、子の親になると、父であるサイフの気持ちがわかったのかもしれない。息子、サイフにとって孫にあたる、は軍人への道をすすむことはなく、学者となった。ダマスカス刀の呪いから解放されたのである。
平田の妹は、平田が潜伏任務へと出発して半年後に子を産んでいた。それは不思議と、夫よりも、兄に似ていた。平田妹は、その子を溺愛して、べったりと離れず、幸せに暮らした。
張の故郷で讃えられ、両親も讃えられていた。両親は息子を褒め称え、誇りとして、自分の息子であることを胸をはって答えた。
ミハイルの妻は、死んでいた。一年といわれた寿命は二年まで延びていた。新薬は、実験的ではなく、最後まで治療目的のみで使われたのと、ミハイルの為に、生きようとしたアンナの努力の賜物だったらしい。
不思議な話が流れた。 明らかな作り話で、みなわかっていただろう。 けれど、否定する者はなぜかいなかった。
『鳩って何故、九に鳥って書いて、平和の象徴なのか知ってるかい?』
『それは九つの鳥が平和を運んできてくれたからだよ』
九つの命が一つとなった。 それは、武市が望んでいたことかもしれない。
――――――――――――――――――――――――――― あとがきのようなもの。 名前 しん 三題役職 トラブルメーカー 特殊能力 無限の揉事製 弱点 toLoveル ではないので女の子といちゃいちゃしながらすかれるわけではない。というか問題起こして、嫌われるので、本人への精神攻撃にしかならない。
一万四千文字オーバーのようです。←三題ルール的には六千文字程度ということで、それを越えているのは8千文字オーバーですね。 お題をできるだけ使用する。そして、お題をできるだけ自然に使用しようとすると長くなります。というか今回はもっとキャラを掘り下げて、もっと出発から、集合、そして少しだけ心温まるストーリー、そしてここにつなげたい。はしょって書かれなかった自決者含め三人も書いてやりたかった。回想シーンぶちこんで、かわいい妹書いてあげたかった。サイフの息子も純真にかいてやりたかった。 時間もさながら、そんなことしていたら三倍以上の紙幅が必要になるので、こうなりました。
>▲文字数制限:6000字以内程度 >▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)
この二つは完璧にスルー。
>「新しい文体に挑戦する(自分比)」(任意)
これは自分の文体というのがよくわからない。軍モノを書いたことなくて、軍モノということで文章を重くしたので、そこらへんを自己解釈で新しい文体ということで。
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